合流するが
メイルの部隊にいた負傷者の治療は終わったもののまだ動けない兵が多く、ひとまず俺の部隊だけで兄アダムが率いる本隊との合流を果たすべく進軍を開始した。
とりあえず周囲に警戒しつつ進軍しているが今のところ新たな魔物の襲撃はなく、周囲の村や街が襲われたという報告もないし、このまま巣に向かうほうがいいだろうと思い、巣に向けて部隊を進めると前から何かが近づいてくる。
「何だ?何か近づいてくるぞ、敵か?」
「ジュン様、あれはアダム様が率いる本隊なのでは?」
「あ!本当だ、もう少し近づくぞ」
もう少し部隊を接近させるとやはりアダムが指揮していた本隊だと確信が持てたので、とりあえず兄に村の件の報告と巣についての確認の為に兵を伴って近づき声を発してみた。
「兄上!」
「ジュンか?村はどうしたのだ?」
「村を襲っていた魔物はすべて撃破しました。それで兄上、巣の魔物は?」
「もうとっくに討伐した、俺がそんな魔物にてこずるわけないだろう」
それならば別に俺を無理に連れて行こうとせずすんなりとメイル達を助けにいかせて欲しかったな。
「ジュン、討伐こそ成功したが、お前は俺が許していないにも関わらず指揮下を外れた、悪いがそれなりの咎は受けてもらうぞ」
「兄上、結果から申すのはどうかと思いますが、俺の弁明を聞いてください」
「何だと?」
「兄上はご自身の部隊のみで魔物討伐を果たしました、ですがメイル団長の部隊は魔物に押されており俺達の救援がなければきっとメイルの部隊も村も壊滅していたと思います」
結果論でものを言うのは少しずるいかもしれないが、これは主張しないといけない事だ。メイルなら自分達がやられる事は覚悟しているだろうけど、さすがに村を巻き込むのは良くないと思ったし、これで少しは何か思う事がないのか?
「何を言い出すかと思えば本当に結果論だな。いいか、俺の指揮下を勝手に外れた事は俺への非難とみなす。そのような事は許されんと思い知ってもらうぞ」
「ダメですか……」
「メイル団長の部隊がまだ村にとどまっているならばさっさと帰還するよう伝えてこい、我々は先に戻るぞ」
「兄上、村の様子は確認しなくてよろしいのですか?」
村の確認もせずに帰るのか?そう思い、俺は尋ねるが兄は冷たく言い放った。
「お前達が守り切り無事であったのだろう、ならば俺からは確認する必要はない、いいからさっさとメイルを呼んで連れて帰ってこい!」
「……はい……」
そう言って兄は部隊を引き連れて屋敷へと戻っていき、俺はメイル達に帰還命令の事を伝える為に再度村へと戻っていった。




