閑話 傭兵
アダムは父ゴリオンに対し軍事的圧力をかける事でモニカの後継者候補を撤回させようと目論むが、謀反者として孤立無援化する事を懸念するが、サイブ王国の交易相手ではあるが商人や領主間のいさかいが絶えない間柄のバックス公国に対しラオールの土地で得た富を献上し交易する商人達にも便宜を図る事を条件に協力を持ち掛けようと画策するが、バックスとの位置関係から直接の協力は難しいのではないかと考えていたが、パリアは更なる一手を提案する。
「なに、屋敷の占拠は我らだけで十分かと」
「何⁉正気か、パリア!」
「ええ、バックスには王国軍の背後を突いていただければそれで十分な足止めになるかと」
「王国軍は足止めできても、俺が動かせる兵だけでは占拠は厳しかろう、下手に兵を集めれば確実にばれるだろうし」
パリアが自分達だけで屋敷の占拠は可能と言うが、その発言に納得できてないであろうアダムに更にパリアは自らの考えを話す。
「アダム様が懸念されているのは騎士団の存在、そして彼らは領主であるゴリオン様直属であります」
「そうだ、有事の際は俺にも指揮権が与えられるが平時で彼らの指揮を執るのは不可能だ」
「さらに彼らは現在ジュン様を取り込んでおられます、ジュン様と反目しあう形になったアダム様の占拠命令はおそらく聞く事はないでしょう」
「その通りだ、奴らは父上の直属だけではなく、ジュンを取り込んでいる、奴らに屋敷占拠の命を下すのは不可能だろう」
ジュンとアダムはジュンがアダムの指揮下を離れた事もあり、一応の和解を果たしたものの、アダムの中にはわだかまりがあり、ジュンもアダムを信頼できなくなっていた。しかも騎士団はジュンとの結びつきが強くなっており。簡単に指揮をする事はできない事をアダムも悟っていた。
「それならば奴らをこの屋敷からまず切り離し、そのうえで屋敷の占拠並びに周辺の制圧を行い、完全に押さえておくのです」
「騎士団を屋敷から切り離すが、どうやってだ?」
「この地図をご覧ください、この巣に多くの魔物がいるとの情報を得たのです、これを奴らにだけ討伐させるのです」
「なるほどな、しかしだ騎士団は屋敷の守りの為に騎士や兵を残すはずだ、それらの対処はどうするつもりだ?」
「すでに傭兵を雇っております、彼らに守備を任せると言っておけば、騎士団全員の力を合わせなければ難しい討伐に奴らはのこのこと赴くでしょう」
「なるほど、その傭兵は我が指揮下なうえ騎士団は不在か、確かに占拠はたやすそうだ」
「すでにチャーをバックスとの交渉に向かわせております、準備が整い次第実行できますぞ」
「ふっ、ラオール家の当主はこの俺だ、モニカなんぞに渡さぬぞ」
ラオール家当主の座を力づくで奪う事を決意するアダム、もはや彼らを止められないのか?




