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閑話 反抗へと

 これはアダムがジュン達に対して魔物討伐の命を下す前、父ゴリオンより妹であるモニカとこの先はどちらが後継者としてふさわしいかを見極めると告げられた直後の話である。


「くそ!父上め、なぜ俺が妹のモニカなどと後継者として比較されねばならんのだ!」

「お、落ち着いてくださいませアダム様」

「これが落ち着いていられるか!くそ、当主としてふさわしい力を見せるべく実績を重ねていたのに、それを無にしようとは……」

「アダム様……」


 現在執務室でアダムに声をかけているのはアダムの補佐官の息女のサラである。非公式ではあるがアダムとは婚約関係でもあり、近々公式の場で正式発表する予定ではあったが、アダムがモニカと当主にふさわしいかを競う事になり発表が延期されたのだ。


「アダム様、アダム様が誰よりもラオール家の当主にふさわしいのは父はもちろん、私もそう思っております、ここからふさわしいという事を示せば……」

「示せばか……サラ、父上は俺を段階的に後継者から外すかもしれないのだ……」

「え?」

「考えてもみろ、モニカは確かに俺に次ぐ魔力は持っている、だがそれをいきなり競わせるという形で後継者候補にあげつらえた!どういう意味か分かるか?」


 突然モニカをあげつらえたという発言にサラは戸惑いを覚えるが、それに対してアダムは強く訴えた。


「ふさわしいかどうかが父上のさじ加減で決まるという事だ、モニカは父上の覚えが良いし、俺は前回の出撃での判断の誤りを理由に事実上下げられたのだ」

「それは……」

「内政力だけであいつはモニカは当主となるわけだ、これまで俺が領内を守って来たにも関わらずな」

「アダム様……おいたわしい……」


 アダムが不遇を受けたと思い、サラは小さく嘆くが、そこにパリアが現れ、声をかける。


「ならばアダム様、アダム様のお力で当主の座を勝ち取りなさいましょう」

「パリア!」

「お父様!」

「アダム様、ゴリオン様は前回の判断の誤りを理由にアダム様とモニカ様を競わせる形を取りました、これはラオール家の習わしを破る行為ととらえかねられません」


 突如現れたパリアはアダムに対しゴリオンがラオール家の習わしを無視していると告げて、それに同調する。


「よくぞ申した、それならばこの事を持ち出し父上に抗議をするぞ」

「いえ、おそらくゴリオン様はお耳を貸さないでしょう、先程おっしゃられたようにゴリオン様はモニカ様を可愛がっていらっしゃいますので」

「それならば俺はどうしたらよいのだ」

「先ほど私が申した通りアダム様のお力で勝ち取るのです!」


 パリアより自身の力で勝ち取る事をささやかれるアダム、彼の選択は?

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