交渉と襲撃
すみませんちょっと長くなっちゃいました
灰炉館の一室。二人分のソファにエルとクラリスが並んで腰を掛けている。
二人が座っているソファの向かいにテーブルを挟んで奥に一人用の椅子が並んで二つ。
周囲をぐるりと見てみれば煌びやかに装飾が施された、しかし観賞用ではなく人が使うことも想定された精美なデザインの武器がかしこに飾られているのが目に入る。その武器を座りながら眺め、目を輝かせているのはクラリス。まるで冒険に心躍る少年のように夢中になっている。
一方のエルはテーブルに置かれた紅茶を飲み、口腔に広がる香りとほのかな甘みに舌鼓を打っている。
「見てくださいよエルさん! あの斧、すっごくかっこいいですよ!」
クラリスが指さしたのは、刃に大きく模様が刻まれただけの無骨な両手斧。人間が使うには大きすぎるであろう代物だが、どうやらクラリスの心を燻る何かがあったようだ。とはいえ、エルは武器に何ら興味がないので無視して紅茶を飲み続ける。
「あっ! あの剣、刃が透き通っているようで綺麗ですよ! あれ? でもちょっと曲がってますね。細くてすぐ折れそうですけどあれはどういう剣なんでしょう?」
しかし、この紅茶は実に美味しいと感嘆に耽る。場所が場所だけに土地産はあり得ないのだろうが、こんな辺鄙なところでも輸入でこれほど上品質なものが手に入るというのも凄い話である。
エルは流通云々には明るくないので細かいことはおいといて、と今は出されたお茶をひたすらに嗜む。
「あれは……旗? いや、旗が付いてる槍、ですね。確か旗槍って言うんでしたっけ。騎士って感じがしてあれもかっこいいですね!」
それにしても、こうして内装を見てみるとやはり貴族の屋敷なのだと感じさせられる。この絨毯も、椅子にテーブル、部屋を照らすライトでさえ。全てのものが統一されたデザインでまとまりを見せ、穏やかな一室を醸し出している。
こういった部屋造りは貴族が好むこだわりだ。恐らくはこの部屋の家具全てがオーダーメイドだろう。見事なものである。
とはいえ、部屋に飾られている武器もそうだが、無駄に豪華な装飾がゴテゴテとつけられているわけではない。あくまで部屋の雰囲気を演出するための統一性を持たせたもの。
貴族の中には、己の力を誇示するように外見を異常なほど煌びやかに飾り付ける類の者もいるが、そうでないだけありがたいと一安心。
それでも貴族というのはその大半が厄介な生き物であることには変わりない。実際に相対してみなければこの後がどう転ぶのかは知りようもないというわけだ、が。
脳内を巡るマイナス思考を打ち消すようにカップの紅茶を飲み干し、身体の芯が温まる感覚にホッと軽いため息を漏らす。
それはどちらかというとポジティブな方のため息ではあったが、
「――――ちょっとエルさん、さっきから溜息ばっかですよ」
見かねたクラリスが横に座るエルへと視線を戻し、窘めるように目尻を吊り上げる。
注意を受けたエルは片手に持っていたティーカップをそっとテーブルに置き、
「ごめんごめん。一時はどうなるかと思ったからさ、こうして取り合ってくれて一安心――――って思ったらどうも力が抜けちゃってね。ほら、僕たち森を抜けて街に来てずっと動いていたでしょ? こう、腰を据えて落ち着いてみるとつい、ね」
「ずっとというには結構のんびりしてましたけどね」
クラリスの指摘にエルは肩を竦めて返す。
実際、細かな休憩を挟んだとはいえ間違いなく激動の数時間ではあったのだ。長年も森に引き籠っていたエルからすれば、だが。
久方ぶりの街に、久方ぶりの人混み。そのうえで人探しの聞き込み、と思い返してみれば疲れがドッと押し寄せてくるというもの。はぁはぁふぅふぅと口から漏れてしまうのは許してほしいところだ。
「それはそうと、上手くいくでしょうか」
武器の鑑賞に飽きたクラリスの不安げな呟きにエルも眉を寄せて難しそうに思案する。
「どうだろうね、相手からしたら僕たちは見知らぬ他人なわけだし。いくら灰炉組合が冒険者の為のといっても、それはあくまでタートの街の冒険者のこと。たとえクラリスが冒険者だといっても、余所者の話なんて――――って切り捨てられてもおかしくはないんじゃないかな」
ましてや今二人が求めているのはタートの街の鍛冶師についてだ。
クラリスが出会った鍛冶師ギーサ。灰炉組合ならば彼について何か知っているかもと思っての行動だが、そう簡単に教えてもらえるとも思えない。
経緯こそあのメイドの少女に説明はしているのものの、それを信じる根拠がないのも事実。灰炉組合、ひいてはこの街に対して何らかの思惑があると勘ぐられても当然の状況である。
そこまでクラリスが考えているとは思えないし不要な心配と言われるかもしれないが、相手は貴族なのだ。時に理不尽な難癖をつけられた過去もあるエルが過剰に心配してしまうのも無理はないのかもしれない。
「どっちみち、僕たちは僕たちの出来ることをするだけ、か」
案外すんなりと話が進み、即ギーサについての情報を提供してくれるかもしれない。そうでなくても、クラリスの奥の手とやらがある。本人としてはあまりむやみに使いたくない手札らしいが、最悪は、だ。あまり気にしすぎもよくはないだろう。
「……それに、クラリスも諦めがつくかもしれないしね――――」
小さく呟いた声をかき消すノックの音が部屋に響く。
自然と音の出所に顔が向き、クラリスは背筋を伸ばして居住まいを正し、エルは目を細めて――――部屋の扉を見つめる。
「失礼するぞ」
返事をする間もなく部屋へ侵入してきたのは、所々に白髪の混じった精悍な顔つきの男。頬に傷を残し、服の上からでも分かる膨れ上がった筋肉が空気を圧迫させる。獲物を射るかのように鋭く尖った目つきで部屋を一巡し、やかてその中央のソファに座るエルとクラリスで止まる。
まずはクラリス。頭から足まで流れるように眺め、その鋭い目をさらに細めていく。
次にエル。横に座るクラリスより外見上いくつか幼いであろうエルを、その男はクラリス以上に執拗に観察している。その間、誰も何も言葉を発することが出来ない。
唐突に訪れた沈黙の時間にエルは既視感を抱きながら同じように部屋へ入ってきた、推定灰炉組合の代表に注目する。
その男は初老くらいだろうか。白髪交じりの黒髪を短く揃え、頬の傷と人を射殺さんばかりの眼が男をただ者ではないことを物語っている。
目線を下にずらせば、その身体が生半可な鍛え方をされていないのが分かる。エルの何倍だという太い四肢にスーツから浮かび上がっている胸筋。
いうなればそれは、貴族というよりは歴戦の猛者とされるような男だった。
「待たせてしまって悪いな、公務が長引いてしまってな」
観察を終えた男はエルとクラリスの対面。テーブルを挟んだ一人掛け用の椅子にドカッと座り、
「――――で? うちのモンが何やらかしたって?」
大きく開いた足に肘を立て、その手を顎に置いたポーズ。
離れて見ても鋭かったその目が宿す眼光にクラリスは肩を震わせて縮こまり、その人相にエルでさえ思わず閉口してしまう。
顔の傷も相まってその様相はまさに凶悪な犯罪者のよう。幼子が見たら迷わず泣き叫ぶに違いない。
そんな男の目は真っ直ぐクラリスへと向いている。エルを見たまま子供、付き添いとでも考えたのか男は真っ直ぐにクラリスだけを見つめる。
前は熊のように屈強な身体を持った男が人を殺せそうなほどの圧で睨眼。それを直に受ける本人は蛇に睨まれた蛙よろしく完全に気圧されて萎縮してしまっている。
「貴族というよりはヤクザだね……」
誰にも聞こえない声量でポツリと溢し、エルは新たな山場の訪れに心がずっしりと重くなっていくのを感じていた。
◆◆◆◆◆
「俺の名前はガランド。知っての通り、灰炉組合の代表の一人だ」
「一人……?」
険しい顔を崩すことなく自己紹介した男――――ガランドの言葉にエルは違和感を覚える。ガランドの言葉から察するに、どうやら灰炉組合の代表は一人ではなく複数存在しているようだ。やはりこちらの情報不足感が否めないが、ここでうだうだと言っていても仕方がない。
同じソファの隣に座るクラリスと顔を見合わせ、お先にと顎でしゃくることで合図を送る。
「あっ私からですか? えー、コホン! 私はクラリス――――、クラリスと言います。王都で冒険者として活動してます」
名前を言う際に若干言い淀んでしまったクラリスだが、エルとガランドの顔を伺うに特に気付かれてはいなさそうでホッと一安心する。
あからさまに胸に手を当て吐息を零すクラリスを尻目に見ながら、最後にエルが自己紹介をする。
「僕の名前はエルと申します。本日は無理を押してこのような場を設けて頂き誠にありがとうございます」
立ち上がり、その場で礼をして再び着席する。
貴族の礼節はあまり詳しくないエルだが、そこまでおかしい点はなかったのか対面するガランドの顔色には変化がない。
逆に、前ではなく横にいる者の変化は顕著だが。
「エルさん、そんな礼儀正しい感じも出せたんですね……」
「我儘言ってこれから話を聞いてもらうんだから、相応の態度で振る舞うのは当たり前でしょ。僕を何だと思ってるのさ」
「人を小馬鹿にしてばかりの生意気な子供、ですかね?」
あまりの物言いに額に青筋が浮かびそうになるのをすんでのところでグッとこらえる。ましてやこの状況でそんなどうでもいいことを話すクラリスに空気を読めと声を大にして叫びたい。空気を読むのはエルも苦手なのだが、クラリスのそれは一線を画していると表現しても良いのではないだろうかと悪態をついて考える。
幸い小声で話したこともあってガランドには聞こえていないようで、特に触れることもなく話が続いていく。
「そうかエルにクラリス、よろしくな。この場に関しちゃあ気にしなくていい。うちのメイドが判断して俺に持ってきたってんだ。話ぐらいは聞いてやる」
二人の名前を口にしエルの言葉に別にいい、と返すガランドは言葉の最後にだがな、と付け足し、
「うちはこの、人も寄り付かねぇ山奥の街で日々助け合って生きている。うちのモンは皆家族だ。それを重々分かった上でもう一回、俺に話を聞かせてもらえるか?」
その言葉に含まれているのは恐らく警戒と警告。より一層険しい表情を作る男ガランドは言外に、変な企みをすれば容赦はしないと二人を睨みつける。
成程ね、とエルは内心で納得を見せる。ガランドの様子から察するに、今までにも害意のある何者かの接触があったのかもしれない。
灰炉組合はタートの街に限定するとはいえ、鍛冶職人たちの巨大な組織だ。実際、街で話を聞くに灰炉組合のおかげで冒険者が手にする武器防具の性能は他と比べても大きく優っているらしく、その技術を狙った謀があってもおかしくはない。
とはいえ、エルとクラリスに灰炉組合をどうこうという気はない。なるべく余計な誤解は与えず、こちらの話を聞いてもらわねばならない。
「では改めて。僕たちは、行方が分からないある鍛冶師の男を探しています」
「行方が分からねぇ?」
「ええ、男の工房も分からず街での聞き込みでも何も掴めず……。ここへ来たのは、街の職人を束ねる灰炉組合ならば何か知っているのではないかと思ったからです」
慣れない口調に四苦八苦しながら探り探り話を始めるエル。事の張本人であるクラリスに任せても良かったのだが、当の本人は強面のガランドに見事に委縮してしまっており、役に立ちそうにない。
「その鍛冶師は何で探している。目的は何だ?」
「剣を奪われました。正確には僕のではなく彼女の、ですが」
これでこちらの大きな部分は伝えた。剣が奪われ、その張本人の自称鍛冶師を探している。この話を灰炉組合はどう判断するか。
探るようにガランドを見るエルと、奪われたと表現するエルにムッとするクラリス。
そして深く考えるように黙り込むガランドだったが、
「……詳しく話せ」
低く唸るような声音からはその内心を伺い知ることはできない。だが、第一関門は突破したとエルの心に希望の光が差す。
「では、順を追って――――」
エルとクラリス――――主にエルだけだが、話を聞く意を見せたガランドにここまでの経緯を順に語っていく。
クラリスが護衛任務で初めてタートの街に訪れ、鍛冶師を名乗る男――――ギーサと出会ったこと。
ギーサに剣を預け、言われたままに詳細不明の鉱石を採取するために”あの”森に行き、魔物に襲われ命を落とす寸前のところをエルに助けられたこと。
街に戻り、彼に渡された地図が偽物でそこには何もない空き地だったこと。
街の住民にギーサについての聞き込みをしても何も手がかりもなく、唯一の可能性がこの灰炉組合だったこと。
「――――というわけで僕たちは情報を得るためここへ来たのです。どうか力を貸してほしい」
「…………」
何も嘘は言っていない。不審な点もないはずだ。前回の反省も込めて情報の選択こそしたものの誠意をもって真実だけを口にした。
話の中で拗れるわけにもいかないのでエルが森の中に住んでいることは敢えて伏せた。余計な情報を与える必要もなし、重要でもないので嘘にはならない範囲でごまかした。
あとは相手の反応を待つだけである、というのに心臓の鼓動がやけにうるさく感じる。ガランドの反応を伺っても、目に見えて分かる変化はない。ただ終始無言で話を聞くだけである。
「――――一つ、聞かせてもらうがよ」
少しの静寂の後、ガランドは顔を上げて徐に口を開く。相変わらず凶悪な人相に身を固くし、次の言葉が紡がれるまでの時間がいやに長く感じてしまう。
ガランドは今までで一番の鋭さを見せたその眼光でエルを真正面から突き刺し、その心根を暴かんと強引にねじ込んでいく。
「話を聞いてみるに、お前さんとそっちの嬢ちゃんは出会ったばっかのようだが――――何で一緒に行動してんだ?」
「――――」
予想だにしない質問にしばし思考に空白が生まれる。
なぜ、と問うその意味が、エルには分からなかった。
「えぇと、先ほども言いましたが成り行きですよ。森の近くで倒れている彼女を助けて、それで話を聞きまして。最初はただ地図にあるギーサの工房に行くというだけでしたので、話にあった特殊な鉱石というのが気になって連れ立っただけですよ。結局、ここまで巻き込まれてますけどね」
タハハ、と乾いた笑みを浮かべたエルに対し、しばらく静観していたクラリスはそれを聞いて、
「そういえばそうですよね、ここまで巻き込んでしまってすみません。エルさんがいないとどうなっていたか……改めて、ありがとうございます!」
「いいさ、乗りかかった船だしね」
「…………」
そんなやり取りをしながらエルはチラチラとガランドを見る。いまだエルの回答に反応を見せず、何かを考えこんでいるその様子にクラリスと会話しながら背中にいやな汗が流れていく。
一体何が引っかかっているのか、何を考えているのかがエルには全く分からない。しかしそれがポジティブなものではないことだけは分かり、ただ待つことしか出来ないエルはエルはぐっと耐える。
「えっと、それがどうかされましたか?」
「…………まあいい」
ぶっきらぼうにそう告げるガランドは深く息を吐き、テーブルの上に出されたコーヒーを一口。納得しているのか微妙なその反応にエルとクラリスは困惑の表情で顔を見合わせ首を傾げる。
何とも釈然としない感じではあるが本人が良いと言ってる以上、これ以上考えても意味のないことである。わずかな疑念を思考の片隅に追いやり、本題に目を向ける。
目の前の男は灰炉組合の代表ガランド。第一印象こそその裏社会のボスのような風貌に影響されたものだが、その内面はまだ測り切れていない。人情味あふれる仲間想いというのは先程の言葉から分かったが、それ以外のことは不明だ。
ただ油断ならない相手だというのは間違いない。人相や体つきから連想されるイメージとは真逆に、ガランドの瞳の奥には合理性が隠れ見えている。
こうして場を設けこちらの話を聞いた上で、どう結論を導いてくるのか。安易な誘導は出来ず待つことしか出来ないエルはジッと歯を食いしばって耐える。
ガランドとエルの視線が交差し、互いにその目の奥に映る心をその手に取らんと探ろうとし――――口を開いたクラリスの声に中断させられる。
「あの、ガランドさん」
「――――おうなんだ?」
ここまであまり言葉を発しなかったクラリス。ガランドとも最初の自己紹介以降、何も話していない。それがここに来て、真剣な面持ちで背筋を伸ばし、対面する男――――ガランドを見る。
「――――私は、ここに来るまでずっと信じていたんです」
胸の前に腕を交差して組み、一度目を閉じて改めてガランドと向き合うクラリス。
突然の言葉にガランドとエルは二人して眉を八の字にして疑問を顔に浮かべ、黙して言葉を待つ。
「エルさんは何度も私に騙されたと、盗まれたと言っていたんですが、私はギーサさんを信じていました」
「――――」
「きっと何かの間違いだ、そんなことをするはずがない、って。私は、昔から人を疑うというのが苦手で、先ほどもエルさんがお話の中でギーサさんを悪だと説明しているのが気に食わなくて。でも、状況を見れば見るほどギーサさんが怪しく見えてしまって」
いまだクラリスの言葉の真意を測りかねているガランドとは対称に、クラリスが言おうとしていることを察したエルは頬を緩め、そっとおかわりした紅茶に口をつける。
ここまであえてクラリスを会話から除外したエルだが、ここで彼女を止めることはしなかった。
「今も、心の底ではギーサさんを信じている自分がいます。仮に私を騙したんだとしても、きっと大切な訳があるはずだ、と。そうせざるを得ない事態に陥っているのだ、と」
祈るように腕を組み、慈愛すら抱かせる憂きの囁きにガランドは言葉を挟まず、眼を瞑りただ聞くに徹している。
彼女の言葉はまるで神に仕える使者のように甘く柔く、――――ひどく傲慢だとエルは黙する。
「もしそうならば、私は彼を助けたいと思っています。真実は分かりませんが、もし、本当にそうであるなら私は迷うことはないと思います」
「――――」
「教えてください。ギーサさんは、ガランドさん――――あなたの家族ですか?」
ここまであまり目立った反応を見せなかったガランドの表情が、ここで変化を見せる。
「……何でそう思う?」
凶悪な人相とその眼光は鳴りを潜め、柔らかく丸みを帯びた目と軽く吊り上がった口角がクラリスの言葉を確信足らしめる。
「エルさんはギーサさんを自称鍛冶師と呼んでいます。心の内では灰炉組合と何の関わりもないと、そう考えています。なので、ここに来たのはそれを裏付けるためでしょう」
「……バレてたか」
「ふふん、これでも色々と見て考えてますので!」
内心を見破られていたことに驚き、そのバツの悪さから再びカップの紅茶に逃げる。
それでいて特に責める気もない横からの視線に余計に居心地が悪くなる。
「そいつぁ分かるぜ。坊主の言葉は無駄に着飾っちゃあいるが、その実俺たちに助けなんか求めてなんかいねぇってな。別に俺も責める気はねぇ。裏を返せば、俺たち灰炉組合を疑ってねぇってことだからな。」
「あ、あはは……」
「んなら、嬢ちゃんは一体どういうつもりで、あぁ言ったんだ? お前さんらで意見が分かれてるようだが、嬢ちゃんは何でその自称鍛冶師の男が俺たちの家族だと、灰炉組合の一員だって思うんだ?」
ガランドの問いを受け、クラリスは再び背筋を伸ばして居住まいを正す。
キュッと膝の上で拳を握り、一度は怯んでしまったその鋭い眼に真っ向から見つめ返し、
「簡単です。――――私が、そう信じたいからです」
そう言い切って見せたクラリスは、何の根拠もないのだと堂々たる面を崩すことなく示す。
エルはその様子に呆れ半分尊敬半分にガランドを見ると、
「――――クックックック、だーはっはっはっはっ――!」
堪え切れないとばかりに盛大に破顔し、バシバシと強く膝を叩いて野太い笑い声を部屋中に響かせる。
やがて落ち着き、目尻に溜まった涙を拭いながらしかし、その笑顔は残してエルとクラリスを見る。その目はあまりにも優し気で、今までの威圧感が嘘のように消えていることに気付く。これがガランドという男の本質かとようやく掴んだそれに、エルはそっと息を吐き、その功労者に労いの気持ちを送る。
「信じたいから、ねぇ。クックック、あぁそうだ、ギーサの野郎は俺の、俺たちの家族だ」
それは二人が、正確にはクラリスが、信頼を勝ち取ったであろう証明。
エルの個人的な予想とは外れたもののようやく得た新しい情報に――――しかし、それが意味することを遅れて理解し、エルは黙って成り行きを見るにとどめる。
「きっとお前さんらの話は真実なんだろうよ。今さら疑ってもしようがねぇ。そっちの坊主はともかく、嬢ちゃんは嘘がつけるタイプじゃねぇようだしな」
「うっ、それはまぁ、はい……」
「ってーことは、そうか……。ギーサの野郎が、そんなことを……」
「ガランドさん……」
怒りと、困惑だろうか。ほんの少しの絶望を交え、ガランドは失意のままに項垂れる。
凶悪な人相もその様相では形無しになっており、痛々しいほどの苦い感情が前面に出てきている。
クラリスもそれに応えるように顔を暗くし、部屋全体に陰鬱な空気が形成されていく。が、
「ガランドさん、お気持ちは分かります。ですが、クラリスの言った通り本人の意思ではない可能性もあります。今は、早急に本人に会いその真意を確認することです」
「坊主……」
「僕は当人に出会ってないのでどういう人物かは分かりません。ですが、ガランドさんはそうではないでしょう。ですよね?」
エルの諭すような言葉を受け、ガランドは幼い子供に言われたことに己の不甲斐なさを感じ、誤魔化すように頭の後ろを豪快に搔き毟る。
そうしてエルとクラリス、二人を交互に見て、
「……あぁ、アイツぁそんなことをしやがる奴じゃあねぇ、きっと訳があるはずだ。――――俺はアイツを信じてる。だが、お前さんらも信じると決めた。ああそうだ、まずはアイツに話を聞いてからだ」
――――灰炉組合 代表 ガランド との交渉は、勝利で終えた。
◆◆◆◆◆
「うん、やっぱり紅茶が美味しいな。あ、メイドちゃんおかわり」
自身のティーカップを顔の位置まで掲げてわかりやすく合図を送る。既にその回数は片手で数える数を優に超えている。
無表情ながらにどんどんと冷ややかになっていくメイドの少女に淹れてもらった紅茶をしかし、気にすることなくひたすらに嗜んでいく。特に趣向を変えてコーヒーを頼んだ時の絶対零度のまなざしはそれはもう恐ろしいものだった。しかしそれが彼女の仕事なので割り切ってほしいものである。
ずっと部屋の外で待機していたメイドの少女だが、今ではティーポットとともに部屋の中で立っている。何度も出たり入ったりがよほど嫌だったらしい。彼女の周りだけ気温が下がっているように感じるが、あくまで気のせいであり勘違いであるのでエルは何も気にすることなく再三のおかわりを所望する。
「坊主、お前すげぇな……」
エルのそんな傍若無人とも、ある種空気の読めないとも言える態度に若干引きながら、ガランドは心の底から出る素直な賞賛を言葉にする。
常に感情の分からない、眠たげな目の黒髪メイドの少女。それが今まで見たことがないほどに冷たい目をしていることに驚愕と恐怖を同時に感じさせられたガランドは見て見ぬふりをすることを決定し、メイドがいる方を意識して視界から外す。
また部屋の温度が下がった気がするが気のせいであり勘違いであるのでガランドは何も気にしない。気にしないと決めたのだ。
「エルさんお腹壊しますよそんなに飲んだら」
「大丈夫大丈夫、それにしてもここの紅茶は美味しいねガランド。どこから仕入れてるの?」
「あ、あぁ、いや、王都の商会から定期的に取り寄せてるもんだ。大元のほうは分からねぇ」
「ふぅん、でも取り寄せるだけでも大変じゃないの? コストだって馬鹿にならないと思うけど」
「そりゃあまぁな」
気安くガランドと談笑を始めるエル。話し合い最中での礼儀正しい態度からのギャップと、そもそもエルくらいの年齢の子には泣かれてばかりのガランドはどう反応していいか分からず戸惑いが現れたままに会話に応じる。
その動揺を隠すように自分のカップに手を伸ばそうとして、既に中身がないことに遅れて気付く。おかわりを促そうと部屋にいるメイドの少女を見て――――ガランド顔負けの冷たく鋭い目に晒されてやむなく断念。乾いた心で軽いカップで飲むふりだけして息を整え、平静を取り戻したのちにいまだ紅茶をガブガブと飲み続けるエルとそれを窘めるクラリスとを見て、
「――――それで、続きなんだが」
またもおかわりを要求しようとしていたエルを遮り、仕切り直す。これ以上うちのメイドの機嫌を損ねるわけには行かないと機を見ての発言だったが、それが功を奏したようで幾分か冷ややかな圧が和らいだ気がして心の中だけで安堵する。
メイドの少女も、改めて真剣な表情に切り替えた主人を見てもう役目を終えたと感じたのか、静かに部屋を退出する
ガランドの言葉を受けたエルは持っていたカップを置き、クラリスも姿勢を正してガランドと向き合う。
「お前さんらにゃ悪いが、まずは俺一人で行かせてくれ。ギーサの野郎と一対一で話がしたい。俺が連れてくるから、お前さんらはここで待っててくれ。必ずけじめはつけさせる」
緩んだ空気が一変。ガランドの覚悟を込めた一言にエルとクラリスはしばし瞠目し、その内に渦巻く複雑な感情を察して二つ返事で了承する。
「うん、僕はそれでいいよ。クラリスもいいよね?」
「もちろんです。私たちはお屋敷でガランドさんの帰りを待っていますね」
「……すまねぇな」
両膝に手を付いて頭を下げるガランドに、慌てて気にしないでくださいとフォローに回るクラリス。
それを見ながら、エルはふと物思いに耽る。
こうして見ると、今回はクラリスの貢献が非常に大きい。実質、ガランドの信頼はほとんどクラリスが勝ち取ったようなものだ。
エルがしたことと言えば、不必要に神経質になり無駄な心配性を発症し余計な手間を増やしただけだ。
クラリスが言った通り、エルは今回の話し合いで得られる情報についてそうそうに見切りをつけていた。
エルの会ったことのないギーサという人物。クラリスの話でだけ知っている存在だが、最後までギーサを信じていたクラリスに対しエルは最初から信用していなかった。
だからこそ鍛冶師という話も嘘であり、それらが集まっている灰炉組合でも有益な情報は得られないと、ずっと思っていたのだ。
ではなぜ灰炉組合まで来たのか、それはクラリスに現実を見せるためだ。
話のうちに、クラリスは全くまんじりともギーサを疑っていないことが分かった。状況証拠だけでいえばその悪意は明白――だが、クラリスは何かの手違いだとギーサを信じ続けていたのだ。
もちろんそう言った真っ直ぐな心というのは美点ではあるが、現実的な話をすればそうも言ってられない。時を失すれば永劫叶わないのだ。
灰炉組合に赴き、ギーサという鍛冶師がタートの街に存在しないことを証明すれば、少なくともギーサがクラリスに嘘を吐いたのだと理解させられる。
仮にギーサがこの街の鍛冶師ないし住民でないのなら、いつまでもタートの街に固執していると取り返しのつかないところまで行ってしまう危険性もある。
故にエルはクラリスを連れ灰炉組合まで足を運び、こうして代表の一人との席を設けるに至ったわけだが。
「まさか本当に鍛冶師とはね……、その名前でその展開は嘘でしょ……」
深読み、メタ読みと呼ばれる類の行いを盛大に外した時の恥ずかしさといったらない。まさかのまさか、ギーサはしっかりちゃんとタートの街の鍛冶師だったのだ。
これにはエルも声には出さなかったが目を見開き驚愕に顔を染め上げた。それほどまでにエルの中でその可能性はあり得なかったのだ。なんという読み外しか、羞恥に真っ赤になるのをこらえただけ凄いと褒められたっていい。
といっても、読み外したのはそこだけではない。
「ガランドも貴族じゃないしね。ホントに、尽くを外していくね……」
ガランドとの交渉――――というほどの高度なものではないが、それが終わった折に話を聞いてみるとなんとガランドは貴族ではないのだという。正確に言うならば、灰炉組合の代表は複数人いてその中にはちゃんと貴族がいるそうだ。それも、かなり力の持った貴族が。だが、それはこの屋敷の主たるガランドではないらしい。
つまり、対貴族に張り詰められたエルの緊張の糸は全くの無駄というわけであり、まずその時点で負けてしまっているのだ。
相手が貴族と読んでその生態から話が拗れないよう振る舞うことで余計に話を拗れさせ、ギーサという男の正体が鍛冶師でないと読んで対話に望めば実際のところはその推測は見当外れで、さらにそれを悟られ余計な不信を買ってしまう。まさしく、足を引っ張るだけの無能というわけである。
「あれ、前がぼやけて見えないや」
こんなはずではなかったと後悔に項垂れる。何とかクラリスが真正面からガランドと向き合ってくれたおかげで最悪の事態は免れたが、あのままこちらの言い分を聞き入れず追い返されてしまったとあればその責任は丸ッとエルのとなってしまうので九死に一生を得るとはこのことかと震えてしまう。
「いや大体だな、俺が貴族なわけねぇだろうが。一目見りゃ分かんだろ」
「そりゃ見たらね!?」
貴族だと高を括っていれば出てきたのは岩のように巨大な筋肉の塊なのだ。おまけで野獣よりも凶悪な顔。
ぶっちゃけ、ガランドのその姿を見た瞬間エルの中で貴族の線はかなり薄くなった。偏見でしかないが、貴族は細いヒョロヒョロか太いギトギトかのどちらかしかないと思っている。二度言うが、偏見なのは重々承知である。
しかしそれはそれ、これはこれである。
様々な可能性を考慮し最大限注意してそれが杞憂だったときのやるせなさはなんとも言えないのだ。
とは言っても結局のところ、相手が貴族でないと分かったとはいえやることは変わらない。
やはり一番の問題は、ギーサについて読み違えたことだ。
もちろん可能性としては大いにあるだろう。鍛冶師をしている男が、冒険者から武器を騙し取る。
冒険者の、特に高位の者が持つ装備は売ればかなりの金額になる。金が目的でなくとも、色んな理由と可能性はあるだろう。
しかし、しかしだ。横にいる金髪の少女を見やる。
長い金髪に、翡翠の瞳はまるで作り物のような精美さを放ち、目を細めればまるで光のオーラが出ているのではないかと錯覚してしまう。
なぜ彼女なのか。街に大量にいる冒険者ではなく、その日偶々街に来ただけの彼女だったのか。
ましてや、
「あの剣を奪おうとするんだから、絶対余所からの部外者だと思ったんだけどなぁ」
「何を一人でぶつぶつ呟いてるんです?」
「うんや、何でもない」
訝しむような目で見られて内心ダメージを負ってしまう。これ以上過去を悔やんでも詮無きとエルは思考を中断し、クラリスに頭を横に振ることで返事をする。エルの独り言はどうやら聞こえていなかったらしく、クラリスは特に気にすることもなくエルからガランドへと目線を移す。
「でもガランドさん、ガランドさんはギーサさんの居場所が分かるんですか? 私たち、これでも結構いろんな人に聞いても何も分からなかったんですけど」
そういえば、とエルも思い返す。その時点で街の住民でないと確信もとい勘違いしていたエルはクラリスほど精力的に聞き込みをしてはいなかったが、二人の情報を合わせても何一つ手がかりは得られなかったのだ。冒険者や街行く住民はまだしも、同業者にも声はかけた。そのうえで何の収穫もなかったのだから、自分の判断は間違っていないのでは? とまたも過去に想いを馳せるエルを余所に、ガランドはクラリスからの問いに気まずげに視線を逸らし、頭を乱雑に搔きながら答える。
「アイツぁちょっと特殊でな、あんまし人前に出てくることはねぇ。住んでる家は知ってるからそこに向かう」
「特殊?」
「大したことじゃあねぇ、気にしないでくれ」
「そうですか? 分かりました」
何やら訳ありのようだとガランドの様子から察するが、さしあたって二人に関係ないのであれば深く聞き出すつもりもなく追求を止める。
「それで? もうすぐにでも行くの?」
椅子から立ち上がったガランドにエルが尋ねる。
「あぁ、お前さんらの話じゃギーサと出会ってもう随分日数が経ってるんだろう? あっちの状況が分からねぇ以上、早くに動くに越したことはねぇからな」
そう言うガランドの表情はどこか陰りを見せ、やはり身内の行いに疑念と不安、少なからずの縋るような願いを抱いているようだ。果たして彼の家族というギーサは、ガランドを裏切ったのか。それとも、彼もまた何者かの被害者なのか。
ガランドの心中に渦巻く様々な感情を垣間見て、エルは何かを言おうとしてそれをやめる。今何を言ったところで何が変わるというわけでもなし、ガランドの言う通りにすぐにでもギーサと話をするのが先決だ。
「それじゃあちょっとばかし出てくるからよ、二人はここで待っててくれ。屋敷のモンには丁重にもてなすように――――あん?」
無事灰炉組合の協力を取り付け、かつ代表ガランドの信頼を勝ち取ったことで張り詰めた緊張と今までの苦労を取り戻すように心安らげている二人――――その束の間の安寧が音を立てて急速に崩れ落ちていく。
扉の前に立ち、今まさにガランドが出かけようとエルとクラリスの二人に声をかける。しかし不意にその言葉の続きが紡がれなくなったことに不思議に思い、顔を上げたエルも同様に気付く。
上がった視線をそのまま足元に流し、己の足が震えていることに気付く。足を伝い、腰まで来てお腹のあたりまで鈍く振動し、しかし全身を大きく震えさせるほどのエネルギーは無く。
つまり、これは――――
「床が、屋敷が、揺れている?」
その事実を認識したと同時に、その振動は落ち着きを見せる。まるで先程の揺れが嘘かのように、何事もなかったかのようにピタリと止まり、ただの勘違いであると思わせるかのように淀みのない静寂が辺りを支配する。
横を見れば、しかしそれが勘違いではないというようにクラリスも立ち上がり険しい表情である一点を見つめている。ガランドもまた同じように先程の足元の揺れを気にすることなくクラリスと同じ――――部屋の窓を、ただ見つめている。
今までにないほどに集中を高めていくクラリスの並々ならないその様子に事態がただの地震というものではないことを嫌でも理解させられ、されど動く気配のない状況にどんどんと溜まっていく唾液を力強く飲み込みながらジッと待つことしかできない。
そこに何かあるのか、何も発さずただその一点のみを睨みつけているクラリスとガランドに痺れを切らしたエルは堪らず問いかける。
「二人とも、一体どうしたの――――」
「――、エルさん危ないっ!!」
瞬間、二人が見つめていた壁が大きく盛り上がっていき――――
エルの言葉を言い切るより早く、横にいたクラリスがエルを抱えてその場を大きく飛び退く。
――――。
――――――、
――――――――?
空気そのものをひしゃげたような、脳を直接叩くような衝撃。続いて鼓膜が割れんばかりの轟音が押し寄せ、耳を劈く。
先程まで部屋の外と内、それを隔てていた塗装された壁は既にただの瓦礫と化し、粉塵が爆ぜて白煙を部屋中が覆っていく。
破片が床を飛び、天井に吊るされたシャンデリアは制御を失い今にも落ちそうに垂れ下がり、――――エルとクラリスが座っていたソファは瓦礫に押しつぶされ――――――――
◆◆◆◆◆
「一体何が……」
混乱する頭を待たず、事態は絶えず変化する。
壁が大きく崩れたことによる煙で視界は塞がれ、今起きていることの把握が著しく遅れてしまう。
嫌な予感を頼りにここまで連れ立った相棒を守ることに成功し安堵の思いが先に出てしまうが、視界の端に映るガランドが尚も最大の警戒をしていることに気づいて自分も慌てて神経を集中させる。
瓦礫と白煙の向こうは、庭の一望できる窓が備え付けられていた壁だ。
ただ壁が崩れた? ――――あり得ない。これは間違いなく、何者かの攻撃だった。
流れるままに、今まで何百何千と繰り返してきた動きを反復するように利き手で腰に手を回し、しかしいつもとは違う寂しく落ち着かない、――――何もない所を手が空振りして顔を顰める。
――――しまった。
虚しく空振りした手を握りしめ、己の武器を失ったことの不甲斐なさを今一度噛み締めて切り替える。
まだ事態を呑み込めていないエルを傍らに置き、ガランドとともにその煙の中をひたすら注視し、
「そんな……、どうしてこんなところに……」
外と中の隔たりがなくなったことで、部屋の空気と外気が急速に入れ替わり、衝撃とともに立ち上った煙を段々と奪っていく。そしてやがて、姿を見せ始めた闖入者は、ガランドとは別のベクトルで鋭い眼をギョロリと動かし、中にいる三人を認識する。小柄な一人と、柔らかそうな一人、硬そうで身の大きいのが一人。それぞれを見て、無意識か口の端から唾液がボトリと床に落ち、ジュッと音を立てて触れたものを溶かしていく。
はて、とその音に自分で気づき、そして己が今空腹であることの自覚をする。絶えず唾液を生成し、美味しい美味しいそれらを溶かして、分解して、バラバラにして、我が身の養分としてやろうと、それは――――巨大なヘビは、眼の前の三匹を己が食卓に並ぶ獲物と見定め、
「――――――――!!!」
歓声の咆哮を轟かせる。
クラリスってキャラ的に見れば凄く分かりやすい良い子ですよね。まだ物語が始まったばかりですけど、この短い間にどんな子なのかっていうのがそれなりに分かってくるのではと思います。
エルはどうでしょうね。仮にキャラクター紹介とかを作る時に、僕はクラリスはすぐ出来てもエルは中々苦心すると思います。
まだまだ、物語は始まったばかりです




