四章~終~
ひま。と音として世界に発露させてから無意味であると認識して。それは幾日目の言葉だったろうかと思考しながら軟禁されてからいや監禁と言った方が正のかもしれないが、更にであろう日数を経過しているのだろうが如何せん時を知る術はなく。正しい日数も判らない現状で遣れることを全て遣り尽くしたと思う。
最後は堕ちてこの者の過去を見ていたがそれも先程にて最悪の目覚めと共に終わってしまった。
腹底から湧き出る感情を抑えながらも手持ち悪く、といって何かをするような道具類が在ることはない。故意の負傷を恐れての処置であろうと推察するが、その事柄を思考したとして意味はなく答えなどあっても無色の彼方である。
何を考えているんだろうか。はは。
それはそれとして。だ。数えて数えるのもバカらしくなるほど何杯目であろうか。薬等の成分はない。自白を強要するような薬効もないと証明はしている。
しかし数種類を用意されていても、何れは飽きが来るというもの。飽いている飲み物を啜りながら上を見る。
あれは何なのだろうか。
吸いきり飲み干して器を捨てる。
とまた物思いに耽るところであった。
だが済んでの所で阻止された。
ぁあ、どれ程ぶりであろうか。害悪の根元であろうその存在が私を見ていたのだ。
開く扉の向こう側には思いに耽るよう見上げながらも此方の存在に気付いて視線を向け次第に険しくなる表情。
宜しくない雰囲気を感じながらも部屋へ入ると同時に轟音を伴い、最後は固いものに打つかる音を気にすることなく荒々しい形相で睨んでくる相手。
傷1つない。
『んん。落ち着いてもらいたいな。危害を加えるとかしないよ。本当に。勿論この施設内外にいる職員も例外ではないしその縁者も然りだよ。さて彼方に腰を下ろして膝を付き合わせようか。山積する問題の幾つかは貴方達に連なることですから。そして、いつまでも寝てる振りをするな。先っきから耳だけ向けてる事に気付いてないとは考えてもいないだろう。起きて座しなさい。』
平静を装うまでもなく把握して止めようとする時間を進める。
閉じていた瞼を開くと同時に指し示された椅子の上にそうとせず視線は両方を見ている。
目に諭されたのか諦めの言葉というか吠えてから椅子に座った。
心配はないだろうと思うも躊躇はせず透明であり簡単には壊すことも出来ないはずの素材で造られた防壁を解除して対面に腰を降ろした。
端末を机に置いて起動させる。
幾つかを操作して表示された内容は簡素であるが必要な事柄だけを抜いていた。
『でだ。先の事で対外的にお前達はすでにこの世界に存在していない事にしている。もちろん相手の情報網にもお前達に施されていた全てを改竄して生体兵器としては終わっている事にしている。さて望むなら。だ。安全を保証して静かな生活を送ることも可能だけど。どうする。それ以外に望み。があるなら出来るだけのことはしよう。』
「なら『出すことは除外する。そのような事は何処かの誰かの思惑的な何かで不可能だから。』今の状況の改善を要求する。ん。」
『んあ、なんだ。そんな事か。なら進言しておこう。許可は降りると思うけど時間は少し掛かると思うよ。さて、それで後はまだあるかな。さっきの事でも構わないけどさ。』
「なら飲み物の種類を増やしてほしい。飽いている。それからその子に関する詳細な説明を求める。」
『うん。そうか。一つ目は直ぐに用意させよう。二つ目に関してはこれに送ってもらったから時間のある時にでも目を通してもらおうかな。』
自分で用意した飲み物をかき混ぜながら溜め息を複数吐き出し、凝ってもいない肩を回す。
間が、持たない。あや、話すことは幾つもあるけど、一番の要をどう切り出すか。
「そうだ聞いていいか。」
『んヴぇ。ど、どうぞ。可能な範囲で答えますよ。』
「どうしてその様な物を着けているのだ。意味があるようには見えないのだが。』
『っえ、まあ。そうですね。認識を根幹から逸らすため。ですかね。』
「そうか。なら今はどうなっている。」
『また大雑把な言い方で。そうですね。今は処理途中ですよ。まあ事前に打ち合わせの様なことをしてたので滞りは多少ありますでしょうが、遅滞は僅かです。事後もありますけど少し先の事なので。さてこの辺りで話を切り上げましょうか。』
「そうだな。では最後の質問をしようか。」
『はい。なんでしょうか。』
『お前は何を畏まったことをしているのだ。あの邂逅をもってそして此度にて確信したよ。貴様やはり契約者だな。」
『ああ。くふぅふ。』
「笑うか。いや蔑みを含めているな。何を嘲笑う。」
『うん。その契約だとして貴方はどうしますか。』
「決まっていよう。全てを賭けての」
『え、拒否権する。なんで面倒な事をしないといけないのだろうね。俺は嫌だよ。』
「ほおぅ。拒否権とくるか。だが無駄だ。我々は逃れようなく邂逅した。世界を欺いたとしてもその所有者は逃げることが出来ないよう縛りの楔を食い込まされている。そして貴様は私と何度も会いこうして再会したのだ。世界のいや世の常を凌駕する我等の因縁。そう簡単には絶ち切れぬと知ろうか。」
『ん。そうかい。なら俺はそれに属することも従う道理もないね。』
「はあ貴様、ここまで説明して何故、理解しない。いや理解というよりその魂に繋がった核の影響は必ず存在する。完全に逃れる術はない。だから意識していずとも我々は」
『で。』
「理解しているだろう。私が何なのかを。」
『うん。だから。』
「こうして、出会った。それは。そう」
『へっ、関係ないな。』
「あ゛ぁ。」
『何をもって意味の判らない話をしているのか知りませんが僕は仕事をこなしているだけです。ええ。そうです。そうなん、ですよねぇ。はは、は。あ゛ああああ。なんでですかね。どうしてなんですかねぇ。ねぇ。聞いてくださいよ。こんな面倒になるなんて誰が予測できますか。いや、誰かは予測してたかも知れませんけど。普通に考えたらさぁ命の危険は多少あれど、失うという心配はないよね。でもさあ行く先行く先でまだ最中だよ。仕事は仲介で主から掛け離れてる。介入なんて本来は逸脱だよね。なのに、なの、に。終わる気配もなく落とし処も見当たらず。待っていたとしても時間をただただ無駄に消費していくだけ。それなら介入して終わらせる方が進めやすいよねぇ。だから介入したんだけど。はははは。』
「何を、言い訳のつもりか。」
『いや、ただの愚痴。はあ。苛立ちが解消されたわ。』
「く、で、貴様は何を考えているのだ。」
『さあ、考えてるというより望みかな。まあ程遠くて肩が下がる一方だけど。』
「それでお前は私に対しての質問はないのか。」
『ん。そうだね。では最後にワシの質問に答えてもらいたいのう。』
「ん。なんでしょうか。」
『なあに簡単だ。』今の貴様は核か欠片かどちらかのう。』
「く、くくふふひゃははは。そう来ますか。ええ。私の現在地はそのどちらでもありどちらでもない。不安手にして均等地たる存在でありますよ。ゆえに先ほどの縛りたる影響は余り無いのです。さて、貴方は所有権を。」
『へえ。そんな規則があるのか。勉強になったよ。そかそか。ならば、だ。俺達の先は1つしかない。僕等が先を掴み取るかワシ等が喰われて失うか。では。』
「ぐなっ馬鹿な。貴様は一体なにを」
言葉は最後まで言えず。
その空間を起点として三つの存在が世界時間現象事象次元から消失していた。
時間にして……。




