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Heart of 6 〜赤と譲渡〜  作者: 十ノ口八幸
四章~戦争~
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四章~幾つもの視点から見た戦の象(かたち)~混迷極める戦場2

一つところに留まることはない。

それが生きた戦場である。

上と下の思想とか思惑とか駆け引きとか。

正直な言葉を言ってしまうと。

下らなさすぎて軽く笑えない。

残された地点での戦乱は情報錯綜混乱混線である。にもかかわらず進軍していた一つの集団。

思想に歪められし深き深淵に己が欲をもって手を伸ばすために参加した狂いし者達。

四思想を根元とする教団。


四情教と言われている。喜怒哀楽を冠したこの世界に存在する幾つか不明な宗団であり世界最大な信徒を有する団である。その根元思想には喜怒哀楽を印し元にし多岐に渡る記しされた読解不能の経典を所持し盲目的に物理的行動を起こし世界救済を謳いながら幾つもの思想を駆逐する強団と思想と強弱に関わらず内在的な有力を受け入れながら思考に重きを置き、勢力を拡大し内在的な行動をもって世界救済を目指す教団の二派に分かれている。二つの思想は最終的終局地点では似ているが過程が異なりすぎたのか双方はある時期をもって歩みよりを絶とし共にする事を長期間拒みとしてきた。

さして今回参加したのは大多数が内在思想を主とする教団である。


物理的行動である戦闘を主とした強団とは異なり数々の儀式を簡易から長期に渡る儀式までを試行錯誤を繰り返し練り造り上げてきた。

先の儀式はその最たる例であろう。

この儀式。通常なら莫大な時間。広大な土地。そして膨大な人員を動員して行われる労力。儀式はその掛かる労力と比例し妨害に合うことが常であり折り合いの着かない両派閥間では不可能であったろう。

が今般の戦況でそれらが度外視され儀式は成功に導かれた。

そうこの戦争に関しては余りある程の恩恵が最終的にもたらされると知ってしまったからである。

まみれにまみれた精神的思考は嗜好を刺激し己が行動を抑止出来なくさせる一種の麻薬。

全ての使徒は危険な匂いすらする表情は歪んでいた。最後尾にて大仰な態度で進軍を見ていた者は歪みを一層深くし全員を鼓舞する。

士気は上がりに昇る。

教団が見ゆる先には此度の贄と定めし彼の者等にとっての大罪人。


上位より堕ちて尚もその立場に卑しくも、囓り付く傲慢なる欠片。マダガスト。

何故に堕ちたのかという理由は教団に不要。しかし何故だ。甘んじて現在位置で立ち続けるのか。なぜ自身の全てを継承させず未だに保有し保持しているのか。そう堕ちたなら継承するが常である。それがこの世にある条理。

そしてその継承する対象は直系の血を継ぐ者。その継ぎし者はあれが堕ちた時より直ぐ全てが自身の手に入ると考えていたのだが叶わず。日を追うごとに目論みどおり仕込んだ種は芽吹き成長していくのだ。やがて踏み留まる一線を教団の一人近づきその背に最後の一押しした形で水という言葉を撒いた。事前に人脈という肥料も陰ながら与え燃料を蓄えさせ一気に燃え上がると争いを起こさせ袂を分かたらせる手筈であった。上手く行くはずであった、ものが失敗した。そう継承す大多数を教団が保有するよう細工してあったものを全く継承されず逆に手掛かりを与えてしまう不始末まで起きていた。

その後の消息は依然不明であったが世界に散る信者からの情報により幾つもの島を巡っていると知り、即座に行動を起こしたのだが行く先々にて島は壊滅。それか半壊という有り得ない事象が連続して起こされ混乱に乗じて完全に行方さえ失ってしまった。時間が経過して映像ではあるのだが交渉の場にて現れしは間違いなく贄である。歓喜し幾つもの伝を使用し資金を注ぎ込んで参戦へと取り付けた。

安堵の束の間だ。数日前に引き起こされた不明な強襲を起因する二度目の支教崩落という有り得ない結果により全てが蓄積装置たる柱と一緒に蓄積していた研鑽の情報が一部だけであっても世界から消えてしまった。それが開始直前にて知らされたことだった。

絶望しかなかった。

贄も用意し祭壇も用意した。そして巨大な器も揃っていた。あとは、そう流れに任せ力を手中に納めるだけであったものが何をどう狂わされたのか全てが霧散したのだ。器も贄も祭壇すらも。残ったのは瓦礫だけだった。

見た映像からは何も読み取れなかったのだが此度の失敗の元を辿ると実行支配している上位の存在達。その中でも直近で堕ちて尚も影響する存在がマダガストである。

結論として此度の失敗を帳消ししようとするなら大きな力を捧げなければ帳尻が合わないのだ。

が不安もある。

戦争に勝てるのかという本質的疑問。

儀式は成功した。流れは幾分か不安要素もあるが此方の連合に通達された情報は終わりまで事細かに記されていた。間違いは無いだろうと。誰も不安はない、はずなのだが、何か拭えない感情が残る。

正眼する使徒たる者達の向ける眼には静謐なるものが宿る。

軽く息を整える。

『では、これより我らの目的である贄を捕獲しに進行する。我らを妨害するもの誰あろうと御名において祝福を授けなさい。』

捧げる言葉を口にし全員が空を見上げる。

『では、進軍。』

ああ。偉大なる一歩が刻まれる。

そう。

この。

世界に。

くへらがあぁぁぁ。


虚しいか。と他者は嘲笑の表情で観ていながら聞いてたことだろう。

観戦者達が居たならばだが。

その一歩は地に着くより速く認識するに時間が経過してしまった。

認識し確定した時には部隊全てが混乱していた。

悲壮感より先に有り得ない感情が湧いてきた。

拒絶の姿勢を使用しながら尚も涌き出る感情に蓋をしてみる。が悲しいかな涌き出る感情はどの様に修練を積んだとしても簡単に抑え込むことは無理なのである。

事この場に至っては。


それであろうと優先しなくては成らないこと。

「ほ、報告しなさい。簡略でなくていい。」

次々に入る情報は困惑と混乱と混戦を招いていた。招きたくないのに。

想定を越えすぎる外界の領域。


数々の情報は真実を暴力的に叩きつけ突きつけてきた。

遠退くような意識を保ちながら現状把握を優先させ精査と簡略な指示を与え打破を試みるが無駄に終わっていく。

このような道筋など聞いていない。多少外れていようとも修正可能な範囲であろうと認識していたが。なんの因果か摂理か。瓦解していく戦場は戻し様がない程に崩壊していく。潰れていく裂けていく。心からの叫びが戦場に消えていく。


表れしは現れる実体にして虚像なき実像を伴う師団。

進み流れるは赤き液体。

認識し初めて理解する地より僅かに浮いた位置に現れる門。何時から配されていたのか、不理解が思考汚染していく。

排出される彼らに対しての背信者。

進行していく強制戦場。流れていく赤と多種多様な液体。

中には物体も転がっている。

挙がる熱量と士気は更なる混乱を招き事態を収拾不能な方へと向かわせて行く。

進むは乱れた狂いし戦士の鎧を纏った獣を容する。

マダガスト配下から離れた獣同然な制御なき堕ちた者共。

狂笑と殺進(ししん)は止まらない。


一つの集団が僅かずつ削りとられるように滅びゆく。何かに突き動かされるように。目的を無以上に機械的指示を(こな)すように蹂躙していく。

準備など徒労に終わろうものであり用意した機材や設置した陣営までもが徹底的に破壊されていった。

いら消されていった。振り撒く何かを起因して。

「止めろ。」

という言葉を言ってしまうというのは実に滑稽であろう。

だがそうせずにはいられない程の状況であり光景である。

手を伸ばし漸く到達しようというこの状況で何故に敗北濃厚な景色を。無力感を実感させられながら見せられているのだろうか。

不理解は思考を鈍らせ肉体の挙動を緩慢にする。

次々に奪われる命と高らかに笑いながらさも遊戯のように奪っていく者達。対極のこれは集団全滅まで続けられていくのだろうに十分。

最後に残るは鼻を突き刺す臭気と続いていく蹂躙。

また一つ、戦場が殲滅させられた。

それは滅び行く局地的世界を現しているようである。


惨状たる戦場を俯瞰するように空から見落とす存在が笑っていた。


この戦場は放棄の方向で調整か。だが残り何とか大丈夫だろう。私が直接指揮し調整を施したのだから。

言ったところでこれは想定範囲を長径思想の<千里を眼る世界>を越えないだろうな。越えるという予測を事前に潰していた甲斐があったからこそだ。最後に嗤うは我らだ。

それは死亡通路に足を突っ込んでる。取り消したほうがいいと思いますが。まあ終わるので。それでは見て行きますか他の戦場も。

くあっ。

へふ。

あヴぁ。


去ろうとした直前三つ同時に破壊する力で貫かれ役目を終えたかのように霧散し次いでとばかりに器も焼却された。

思考する余裕すら与えず。

認識すら与えられず。

傍観者たる器は強制的に廃棄された。


焼却地点より遥かな地点より離れた移動する物体。不遜にして不適と不穏を織り混ぜた表情を携えがら向かっているもの。手には何かを物を持っていたがそれを無意識に貪り食らって腹に納める。

「ぶげぺっ。>

唐突に足を絡ませ地べたを転げ停止する。

打ち所が悪いのか痙攣を起こし後に停止した。

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