三章~儀式と…~
事は古代と誇大解釈により始められた。
数えられぬ儀式は全てが無情にも失敗。過程と工程を繰り返し練磨されていく。これはあの世界災害まで続けられていた。
それまでに行った数々の儀式に関連した悪行により各派閥は各地へと散々となり地下へ潜ると一つの規則を是とする。それが表へと面を現す事を暫しの禁と定めたのだ。
だが、焼却した資料は数知れないが連名と受け継がれていった知識は今日まで繋がった。
が幾つかの派閥は互いが理解できず不理解のままに闘争し滅亡し残されたものは残存派閥へと合流していった。
帰結し現存するは増えに増え、東西を合わせ二百を越えている。
不変な思想は変わらず、全ての派閥の願いは権現である。
これまで成功例はなく、卸してもそれは別の何か。
命短く、持って半日。思考なく意思疎通もできない。
暴走し最後は粒となる。
その被害規模も莫大なもの。資料は紛失扱いとなっているのだが最終的にはかの規模に匹敵するとも書かれていた。
が注意されたい。これは過去から現在、いや世界災害以降直近では秘匿されたさる事件までのことである。
んむ。ここは。どこですか。
あの謁見の後に呼ばれたが無視して自室に籠った。
籠った。と言うには語弊があろう。閉めた扉に鍵を掛けず楽な格好にしてそのまま眠りについたのだ。
体を楽にし眠りのために入没しようとするがこの数日の濃い内容が思考を巡り乱す。
あの高貴な者が最後に言っていた事や記憶ない自身の過去。何が鍵の形を成して現れるか判らない。
「だからこそ面白い。」
言って思考は霞、夢へと落ちていく。
それで起きたらこの状態。なんか前にもあったような。
と考えを巡らせていると。
「ふはは。目覚めたかね。お初にお目にかかる。私は束ねる一柱。ドルヴェソ・タークス。まあ覚える必要はない。お前と言う存在は今日。この時。彼の場所で世界から消滅するのだから。」
貶める声が続く。
口が痺れ言葉が出せない。
目は、痛覚と共に理解し、嗅覚も何かを施されたのか死んでいる。
「なあに。一時的に五感の内二つを潰したのだ。これも君には後々関係なくなる。さて、やはりと。言うべきか。我ら導き手たる御方を見ても狂わずとはくく。やはり器の違いか。おや、君も見たはずだ。そうあの巨体たる尋常なる仮とされた器。そして我ら崇めたてる上位の存在。この現世に居座る斯様な俗物共ではないぞ。真なる御方である。」
近づいてくる。
耳元に囁くよう、敬うよう。
「生きとしもの全てに備わる一つにして最も根元たる感情なる赤を司りし我ら四教の一柱。ヴェガルド様。」
「んむっ。」
「どうした。ほほ。」
苦しむような体勢のままに息も強くなる。
「反応したか。やはり、内包しているな。種を。欠片を。断片を。さあ、これにてぇ本当に確定した。この器をもって長きの悲願を成就しようではないか。」
振るえている。
「怖がらなくてもいい。君には瞬間の出来事だ。さて例の物を此処へ。」
乾く運び込まれる音。直後に悲鳴と悲壮な言葉が反響する。
「黙りなさい。騙したとは心外だ。君の時間を延ばしてあげたろう。」
反論する言葉が並べられる。
「はぁ、やれやれ。勘違いしているようだ。」
聞き返す。
「君の存在としての延命を約束したにすぎない。正確には命は対価として入ってないのだよ。」
驚愕な言葉である。
「納得してないかね。だが、これが君と契約した内容だ。私は言ったはずだ。内容を良く読み吟味して答えを聞かせてくれないかと。そして翌日に君は快諾した。不備はないぞ。」
壊れたように理解した。
一方。
話が勝手に進んでます。ここまでを加味すると誰かは知り得ませんが何かの何かに生かされてこの時に絶望したのでしょう。真実を見せられて。んや、知って。さてさて。僕のこの事態は。見えるようですけどみえない。まあ整理できる時間も無いでしょう。
「ではこれより御方を顕現させる儀式の準備に入る。一時間後に全ての信徒を集めよ。これにて我らの悲願が成就されるであろう。」
悲鳴と絶望と悲観とあとどうしてか楽観が垣間見得た絶叫が聞こえた。
施設の。それも重要度の高い建物で島に滞在する全ての存在が集められた。
「諸君。遂に我らの悲願が。約束の対価がご光臨かされる。そして純粋にして根元たる願いは叶うだろうそうその日がこの時となった。」
長々と高説をたれるが割愛しよう。
「さて長くなったが登壇してもらおう。これが新なる我らの主たる器に選ばれし者。」
祭壇へと固定されたものが運び込まれる。頭部は隠されている。
「これは綿密に調べあげ確定したものだ。ではお披露目といこうか。」
頭部を隠していたものを剥ぎ取る。
時間は遡る。
摘出された核を飲まされ吐き出したい衝動のままに咽ぶが叶わず、口を抑えられ下してしまう。瞬間、意識は混濁混線混同し塗り替えられる。
体が拒絶と同化を繰り返し赤が吹き出していくが収まっていく。
「ふあはっ。ふは。素晴らしい。成功だ。これで準備は整った。では儀式までには回復してもらおうか。」
僅かな反応はすれど動かない。夥しい汗がその疲労を物語っていた。
「では瞑想室へ閉じ込めておきなさい。時間と共に台へ固定し祭壇の下へ運ぶように。これは厳命だ。」
満足して実験室を出ていく。
残されるのは疲弊した物と準備に残った二人のみ。
「ふう。さてさっさと終わらせて私達も残りを終わらせて参列しよう。」
「ああ。そうだな。」
定まらない視線が気持ち悪いように動く。
気にしないように栄養剤を投与し負傷した肉体も処置していく。
手慣れているのか短時間で処置は終わり全身を包帯で巻かれた人形のようなものが出来上がった。
「じゃあ次に台に乗せて固定するぞ。」
「わかった。」
両側に周り肩を担いで台に寝かせると腕と足を広げ固定する。
「よし。終わったな。後は時間まで修練で潰しておくか。」
二人は固定した状態で部屋を出ていく。
定まらない視線は、しかし徐々に合っていきその相貌に不能にして負の思考と感情が表出するが直後に霧散するように消えていった。
時間となり二人が再び入ってくると目は、閉じられ呼吸は整っている。むろん、放たれていた何かは感じることない程まで抑えられている。
こうして台の下まで運ばれる途中にて顔を隠すための布を被せられたのだが。二人に対しての処置は終わっていた。
全員が。いや、直近に佇んでいたタークスは最も嬉々としていた。
「ほっ。中々いい状態に仕上がってますね。」
その目は開けられしかし光が宿っていない。完全に思考が消失していた。違うこの場合は。
「ふふ。これ程上手く焼失出来ているとは。後で施した者に褒美を贈呈しましょうか。」
という解釈とした。
一部は合っているのだろう。だが焼失しているのでなく消失でもない。では何なのか。答えは。
「ではこれより降臨の義を執り行う。皆、万全の状態であろうか。」
杞憂であろう。
会場から一気に沸き上がる歓声は部屋全体を震わせていく。
「では始めよう。我らの悲願。そう主たる根元の一柱を。」
篝火が灯される。
聖約書が開かれる。
述べられる言葉はこのもの達にとっての福音。一語一語を霊に刻むよう唱える。
篝火が揺れる。
と密閉された空間で流れが加速し一点へ集約される。
中心点は器たる物。変化は現れる。苦悶と拒絶の反応は迸る風と光によりその莫大な力が収まっていくようである。
心音が一つ、二つと鳴り響き、支配する。
収まる全てを足元へ落とすかのように静寂の中、起き上がる。
「お、おぉ。おおぉぉ。」
タークスはその目から流れ出る涙を止めず崇めるように膝をついた。
「おめでとう。ございます。主。よ。私は。」
「ふむ。此処は。何処かを聞きても好いかな。」
「は、はい。此処は孤島にして我らの拠点であります。あなた様を顕現させる為の施設にて。」
「そうか。ふう。少し思考を纏めたい。何処かないかな。」
「は、誠に申し訳ありません。気づきませんでした。早速手配させますれば。暫しを。
「そうか。では待とう。」
急ぎ近くの信者に指示し用意させる。
「御待たせ致しました終わりましてございます。管理者。此処へ。」
呼ばれたのは最高責任者。
手には一つの鍵を持っている。
「では此方を持って最上階である部屋へどうぞ。」
受け取り短い言葉。
「ではこれにて我らの悲願は叶った。次の段階へと移る。総員準備に掛かりなさい。さあお連れいたします。此方へ。」
台から降り後に続いて出ていく。扉の向こうへと姿を消すまで恭しく見守る一同。
悲願は一応としての体裁は整い叶ったのであろう。
一人を除いては。
連れられ入った部屋には豪奢な装飾を見たものが引くくらい飾られていた。
敬いは時として重荷となる典型だろう。
「ふ、はぁ息をしようとして何も感じないこともない。」
全身から上がる悲鳴を背負いながら近くの椅子に腰を落とそうと思わず、その場で足から崩れるように座る。
「ふふ。ふは、ふははは。さて。」
反動をつけて立ち上がり腰に手を当て天井を見上げる。
「ぷふうぅ。一体私は。」
次に発せられる言葉は永遠に閉ざされる。
「うぐ。」
口許に手を当て、意識が欠き消えるようになり足許から崩れ倒れてしまう。
なあ。悪意とは善意在ってこそ際立つよな。その辺りどう思うよ。
むむ。入ってきたと思うたら藪から棒に何を言っておるのか。
いや気になって。ほらそろそろこの後、無意味に無価値なものを問答無用で蹂躙する存在が来るだろ。ならその来るものとこの島に存在する者達にとっての善悪の基準て何か。てのを思ったまで。なら何が悪で何が善なのか線引きできたら面白いよな。
線引きとな。それは無理じゃろうて。うぬも理解していて問うておるなら無意味よな。
まあ、無意味だけどな。で現状を切り取ってどちらに理があるかなんて当人しか判らないよな。なんせ感情と環境と時勢が時代毎で異なってくるし。後々で研究されたとしても結局その時の価値観での判断基準で計られるてのはあるよな、思考や思想は別にしても。
確かにのう。しかしてじゃ、うぬの言う悪意の際立ちが善意とは限らんやも知れんぞ。
ほう。それはどうしてと聞いても。
そうじゃの。悪意とは突き詰めればなんだと思う。答えは欲。そう生物としての根幹。そして無くてはならぬ感情でもあろう。
て、それはどうなんだよ。〈悪〉というのが存在するから全ての生物はどの様な事であっても命の奪い合いが発生してる。尊厳などなく、無慈悲に奪われ無価値に失われていく。それなら無い方が良いと考えるが。
それも一つの論理だが、極端すぎるかもしれぬの。それにその考えは一つの到達たる停滞。いや終焉とも云えるかの。何故なら欲とはその者にとっての糧であり繋ぐための希望に等しい。もしなければそれは生物として破綻していよう。希望を抱くにはそれに勝る絶望を体験するしかない。片側のみなど無意味それはただの動く何か。
ふうん。それじゃあ善意が無い方が良いのかね。それなら誰も。
一概には言えんよ。何故なら善意が存在するが故に高等知能を有する者は立ち止まる事が出きるのじゃ。立ち止まり振り返ると自身の歩んできた道程を省みる機会があろう、その道程で何を得、何を失したのか見つめ直し更なる先へと進む糧となり得る。善意とは悪意の一時的な停止装置なのやも知れぬ。
それって最初の質問の答えとしてはどうなんだよ。結局、悪意とは善意を引き立てるための装置て事なのかね。
ワシは逆じゃと考える。何故と問われるだろうから答えよう。悪意無くば前提としての善意が成り立たんからの。
ふうん。で結局は悪意と善意は必要であり無駄はない。てことかね。
まあ際立たせると言うのなら感情論。善悪など時と場と多様な生命の視点で切り替わる。答えは堂々巡り出口なき論争よ。
そんなもんかね。
その様なものじゃ。
んでこれは何時まで寝てんだろうね。
む。そうじゃったな。では起こそうか。
《ふぐはぁっ。ここは。》
お、すんなり起きた。
浅かったのであろう。
《え、誰ですか。》
第一声がそれとは、嘆かわしい。
《なに、いって。》
へえ。ほう。はふあうを。ひは、はんだ。
《え、何。》
むむ。そうかあの時より長き時を刻んだからのう。しかたあるまい。では此でどうかの。
《いや、どうかの。と申されましてもご老体。て、ええ。若っ。》
そうかこの姿を見ても反応無し。いや思い出しもしない。か。
なあそれってさ記憶の消滅か。
いや、これは欠片。それも霞に等しい虚しき粒。
《え。》
てことは。だ。彼奴らが求めてるのは消えている。そういう事かね。
ふはは。面白いことを。
あ、なんだよ。
くく。もう貴様は片割れに会っている。正確には一つだが。
へえ。てことは後の半身が何処かに。
そうなるな。が近く出会うな。なぜなら縁たる糸は結ばれているのだ。抗うこともできぬ。
ふうん。別にしないけど。んでどの時に結ばれたのかは聞かないでおこう。どうするよ。
《な、なな。なんなんですか。勝手に話を。》
ん。少々を残して隔離だな。
《え。ふがっ。ぎ。》
なんだ核か、その小っこいのが。
返答とするなら否。だな。言っただろこれは霞に等しい虚しき粒だと。残したのは原子のような意思なき言葉。ほら持っていけ。騙くらかすことくらいはできるだろ。少しは。
ん。了解。はあ、しかしあの腕から横取りとは。
楽観視は感心できないな。
ん。どうしてだ。
あの腕は確実に貴様を捕らえてきた。そして今回の横取りした存在であるこの教団もまた。
それは俺の中にあるなんだっけ。神の力みたいなとかいう胸糞を。
だろうな。心しろ。此を越えても最低でも二回は襲撃されるだろう。
まあ覚えてたらしとくよ。んじゃそろそろ浮上する時間も時間だろうし。
そうだな。残りは此方で保管しておく、まあ何かに使えるだろう。
意識は戻った。現状を理解するように身体を触る。
「はあ。そうですか。」
軽く動かし椅子を蹴り飛ばし破壊する。
大きく壊れ散乱する。
「時間は。あぁ。経ってなませんか。では。待つとしますか。その時間まで。」
床に座ると頭を小さく振り、小さくなって眠りに落ちた。
よう。
ん速すぎぬか。
そうか。いや表でやること無いからな。体力の回復に専念しようかと。思ってたより疲弊してたわ。
そうか、まあ粒といえその存在たる膨大な気力。通常なら崩壊し意識は塗り替えられる。だが。
まあこの通り。
で、どうしたのだ。
回復ついでに聞きたいことがあった。のを思い出した。
なにか。
うん。どうして俺を捕まえる。その目的は。
気づいていて聞いておるなら愚能。
そうか、まあ確信が持てないてのが前提なんだが。そうだな事の発端はあの時紛れた先生が元居たあの支部だったかね。爺を崇めていた場所だ。その崩壊が引き金かな。
そこまで理解していながら聞くというか。
詳細が不明だろ俺は。それにどう考えても爺。他の存在も崇められている。確定してるよな。
む、否定せんよ。合っているし外れてもいる。
そうか。んで何がどの様に外れているのか判っているのか。その原因も。
そうだな。では軽く過去のはな
いや、そう言うのでなく。もっとこう在るだろう。核心的な部分が。
核心的なというか。少し濁し方というものがのがあろうが。
濁してどうするよ。先延ばしにしていざとうい場面で手を打てなかったから過去の事があるんだろうが。
んな。貴様全てを。
シッテカなんてのはこの場では関係ない。んで話を戻すと。核心的な物は見つかったのか。
ない。という方がいいのか。この粒には何もなかった。これで満足感を憶えたかの。
さあ。んで、ついでに聞きたいことが有ったんで聞いとこうか。
まだあるのか。忙しくないが時間は。大丈夫なのか。
ん。大丈夫なんじゃね。
おい少しは。
気にしてもせんないこと。てな。
はあ、問答は主にとってなにか有益なことに繋がるのか。
さあ。聞いてみないことには答えられないな。判断はその刹那まで判らない。
ふう。で何を聞きたい。範囲内なら可能じゃが。
そうだな、事の発端であるモノ。についてかね。
む。
本来ならもっと先で聞こうと思ってたんだけど、考えていたより時間が出来たんで、暇潰しに。爺が思い出したくないなら聞かない。
む。そうか。
なんて無いから、ほら、早く話せ。包み隠さずとは云わんから可能な範囲でだ。こんな馬鹿らしいことで心が崩落したら後々困るからな。これが。
んなうぬは。ぐ、無駄な問答か。良いであろう、なら話してやろうか。だが現在話せる感情までだ。
いや、今は話さなくて良いぞ。まあこれで聞けることが聞けるという約束ごとみたいな。
う、うぬ。は。
それの関連で聞きたいことがある。
ふん。好きにせい。
爺の考えでだ。この世界に浸透した崇める宗教。その原因たる根幹はもしかしなくても。
くく。いつか誰が云ったかしらぬが、察し良いものは怖いな。
なんだ、それじゃあ爺の目的。排除した一つは加えても良いかもな。
ぬ。それは我は拒絶する。一つに定めたからこそ向けられる歩みがあろう。路を増やしてしまえば重要度の高い瞬間に迷いが生じてしまうというもの。当初の通りに目標は一つじゃ。
そか。ぶれるかと思ったが意外と固いな。
んな。貴様。
お、素が出てるぞ。じゃあ。速いとこ壊して崩して殺して。終わらしたいな。
それはうぬの願望かそれとも。
いんや、些細で矮小な願いだよ。叶わぬ夢なんてことにならないことを思うよ。
そうかでは始めようか。この地に流れる長き時を崩壊させるための。
お。反射の儀式だったかね。まあ成否は問わないし痛くもないしな。
我の言葉を取るでない。
仕方ないだろ。暇なんだから。体力回復するには此処に潜って肉体を休めないと。
必要だと理解できるが深く居すぎればいざという時に間に合わぬかも知れぬぞ。
はあその言い分だともうか。
そう。来るまでもう掛からんじゃろう。時間を掛ける理由などあの者らに猶予を与えるだけ。それは向こうにしてみれば損しかない。でどうする。昇るかねそれとも止まって完全までおるかね。
さあ、気分次第。今は無理。簡単には動けない。てか動く気もしない。
そうか、好きにせい。ワシはこれを調べにゃならんからな。まあ何かあれば呼べば送ってやろう。
そうか。はは。大丈夫かな。
何が。
いやな、なんか。嫌な感覚に近い何かを感じるんだが。
まあ現状でそれを悩んでも無意味。止まって休みそして回復に努めよ。では行く。
おお。
て見送る意味はないよな。でだ。俺もどうしようかね。時間はまあ、無いに平等。なら可能な事から手を着けていくか。その内に表からの影響で浮上するだろうし。気長に待つか。
鼻歌を交えながら空間を歩いていく。その姿は多分見るものが見てしまえば狂気を感じていたろう。
どの様な眠りでも、ふとした切っ掛けで現実に戻されるが常なり。
耳に届く突き刺すような音、それは事態の変化を知らせていた。
良い方で。なんてのはない。
そう悪い方へと向かっている。
軽く腕を伸ばして足を縺れさせながらも立ち上がり部屋を揺らす感覚を何処か楽しみながら部屋を出る。
と足を貫く何かが視界に入ると停止した。
ふいぃ。危ないな。なあどうしよう。
少しは気を付ける事を覚えてもらいたいな。
仕方ないだろ。出た第一歩であの状況だぞ。回避しろといわれて簡単には無理だろ。なら仕方なく受けるしかない。
ほっほう。その物言いだと。
ん。まあ避けられるんだけど思ってたより体力の消耗が激しすぎて、これは無理だなと。
それで。
そうだな。あのまま瓦礫の下で酷い状態に成ってるだろうけど、時間を掛けたらなんとかなるだろ。と。考えた。
ほふ。楽観視は徳か罪なのか。はてさて。で本当の居所でどうするのじゃ。始まっているのなら時間はない。
そして、目的地での事象も始まっているなら。まあ頑張って貰って、後は流れに委せるしかないよな。
まるで。
他人事に決まってるよな。いや極ってるか。何故なら事の収拾が本来の目的。拡大したのは知らないし、関係ない。と言いたい。で世界の無限に連なる戦かな。
ほはっ。理解しておるな。そう。ヌシの行動は世界の無限たる分岐を無作為に進んでおる。はてさてヌシの思いは何処に有り様かな。
くふ。くふは。くふははは。そうか腐り堕ちても元は最上位次元たる存在。だけど理解できるが深層へは至らぬ。てな。さて俺は何をどう向かうのか。笑いを堪えて怒りさえ霧消する。
霧のように消えるか。散らぬだけまだましなのかのう。
で接敵するまで何れくらいかね。
さあ、世界は思考通りとは行かぬ。そして個々の行動を抑制と計算による稼働であっても全ての統制まで無理だろ。なので無謀な方法は推奨できぬよ。
それはそうしろ。という事になるよな。まああの時と同じとは限らないし上下左右おまけに四方の斜を含めて誰に合うかは。
その語は語弊だろう。む、合っているのか。では殺は可能な範囲で回避して痕を残さぬように心掛けることだ。
へいほい。まあ箱庭の蓋を開けてからだな。
それは侮蔑にならぬか。
さあな。この言葉を侮蔑に含まれたらまあ引くわな。普通に。箱庭なら幾つもの歴史に存在するし。今更感。
確たるもの無くば論争の種かの。
反れる反れる。
何の話かの。
現世に戻った時にて話だろ。たしか。
そうか。だが目的は忘れるでないぞ。
目的は爺の誤解を解くこと。だろ。これが繋がるかは、知らんけど。
ふん。これが何の因果かは現在の状況では判断できぬ。だが、あの時と同様なれば。もしくは、だ。
それらしいモノなんてのは見なかったな。上に無かったらなら後は下かね。
む、では無かったらどうするのじゃ。
さあ、なんとか、成るんじゃね。成ればなるし成らなかったらそれはそれで、気負って崩したらそれこそダメだろ。まあ軽く行こうやな。
くく。では流れに逆らわず進むのか。
ん。そんなわけ無いだろ。それこそ何もないに等しい。
ならどうするのだ。
簡単だ。
おいおい。あまり暴走は進めんぞ。
心配するねぇ。大丈夫。なにせ事は進められ動いている。どの道筋を選んだところで終焉が訪れるもの。なら俺の目的の一つを探すだけだ。
む、そうか。それで検討は先程の地下かの。
さあな。無かったら別の手を考えてるが。有った方があの彼方にとっては幸いだろうな。
それでどうする。まだ完全には遠いが歩くことは可能なまでには。
ん。ならそろそろ昇るかね。どうせ遅くとも遭遇するだろ。早くに越したことはなし。
なら行くがよい。これより先で何を見、何を感じ、そして何を手に入れるのか見ものだのう。
楽しいのか。それより哀しみを覆い隠すために笑ってるのか。
ふほ。さてさてどうかの。それとな。
なんだよ。
知らぬ間に設置しておるあれはなんじゃ。
ん。ああ、そうか。爺が別の所で調べてる時に設置したんだよ。暇な時にでも調べて使えるなら何かに使えるだろ。
内に何を。
今は言うこともないだろ。差し迫ってるし。
そうか、では送るにしても、だ。起きて即命の切断とは虚しいであろう。なので我の力により器をある場所に移動させる。その場から容易には出ることが出来ぬかもしれぬが、まあ頑張れ。
て無関係みたいな。
そうでもないぞ、我も居住しておるのだ、器たる肉体は大切にせんとな。それゆえ内から出来ることをしておるわ。
そうなのか。
出来ることは限られているがな。
それ、居ても無くても良くね。
そういうな。我も暇なのでな。
渡した物の調査は。
進んでおるよ、しかし欲しい物は中々に、な。
気長に調べるしかないのかねぇ。
さあ、情報とは得てして珍妙なもの欲すれば欲する程に遠退き。無駄と諦めてしまったら其までの苦労が偽りのように手元に届く。世界とは不可解にして楽しきことなり。
はっ。されど世界は不平等なり。力は必ず集約し傾き大地を無情に焦がす。焦がし乾いた土地から命は消えていく。残りは酷な時間。
それは確かに。だが大地の息吹がそう易々と死に絶えることはない。
時間を掛けて少しずつ回復する。世界を見渡しても確かに証明されている。でもな無情な事にはかわりない。何処かで誰かが幸福を当たり前のように享受している一方で誰かが不運にさらされているという世界を均衡しているかのように見えていて事実は違う。必ず見合った対価が其々に支払われる。人生を謳歌し尽くして幸福のままで命を終えられる者など何人居るのかね。極僅か一握りにもいかないだろう。
かかっか。知ったように見てきたようによく言う。一つの答えだとしてもそれは極端だろう。ウヌは何時も何かしら答えに偏りがある。少しは自身を見つめ直したらどうじゃ。
時間が在るならそうするよ。無いだろ。そんなの特に今はな。
だから時間のある時と言うとろうが。
ふう。行くか。
む、なら奥に用意したモノを持っていけ役に立つやもしれぬし。
成らないかもしれない、ね。そんな情況にならないように立ち回るよ、上手く行くかは保障できないけど。
ほほ見もせずに答えを導きだそうとする。それは悪い癖だ。直すことを進める。
ん。善処する。行くわ。
おお。
浮上し意識が肉体に合わさると目を開ける。が開けていて何もない。いや暗闇に覆われてさらに身体が動かせない。言葉を出しても虚しく反響せず吸収されている。自然に汗が流れる。
口に出した言葉は隠って誰にも届いていないのだろう。
『不味い。不味い不味い不味い。本当に時間も、うおっ、揺れるくの、この。ふんんんんっ。』
身体の奥に溜まっていく。沸き立つ感情の一つが。ふつふつ。クツクツ。ぐらぐら。ボコッッッ。弾ける轟音を契機に浮遊感を感じ直後に強烈な痛みと空気の流れに手を伸ばす。
「ぶはっ。あ」
袋の外に出られた。
「何処だよここ。」
出たとしても真っ暗だった。




