二章~準備~終
とくとく。とくんとくんっ。なんだこの音。理解したくないし関係ない。現行、必ず迎えるあの時間を越えるために。
うくんくごくっ。ふはぁ一仕事終えた一杯は美味しい。はぁでこれ準備は整ったと考えられますけど。さてさてどうなるのでしょう。填まれば良し。填まらなかったら。その時にでも考えますか。
余裕あれば良いけど。
であれをどうしようかな。
それはまあまだ良いのです。ええ。その時に。ですから。
問題は考えなしに連れてきたけどまだ目を覚まさないあの存在。もう少し様子見、かな。それでだめなら別の方法を考えて。ん。え、そうですか。目覚めたのですね。良かった。これでしなくて。ん、いえ独り言です。ええ。では直ぐに向かいますええ。では。
ふう。ホントにどうして事が運ばないのでしょう。融通を利かせたからって誰も損はしないでしょうに。
はあ。行きますか。
ひとりごちても虚しくなるだけですし。
さ、切り替え切り替え。
て。どうしてこうなっているのか。検討もつかないとはまさに。なんて言っても虚しいだけ。さて。どうしようかな。
何かしたかな。
で、どうしてこんなに唸ってるのだろうか。何かしたかな。ホントに。
到着直後高速で通過する物を無視し、対峙する存在。
殺意悪意戦意。
向けられるは負の感情。
入手した品を搬入した先は。
隔離部屋。(後に命名)
特別に特殊に特段に拵えた、頑強に頑丈に頑なに拒絶するよう設計した部屋。なのだが。
目的地である隔離部屋。
自身に割り当てた部屋を出た時から点々と続く通常なら発狂ものである肉塊を見つけてしまう。
どうしてか思考と感情が湧き踊る。
それらは全てが彼の警備に当たらせていた者達の変わり果てた姿だった。
到着するも部屋の扉は破壊され、警戒しながら内部を覗くと巨大生物三つ分もの壁すべてが抉られ通常なら吐いてしまう赤と肉が無情を畳み掛けるようにこびりついていた。が、目的である存在はいない。
元から解っていたことだが廊下には続いている点々と転がる肉塊。
目印を頼りに歩いていく。来た道とは逆の方向へと。
反響する音がその確実性を実証している。
そう悲鳴と吠えと
辿り着いた場所は地上から長距離という深い大穴の底。見上げれば空が遥か彼方。
変わることなき転がる肉塊。
屠る為だけの行い。
その行為を止めるために掛かる時間は無限に近く。無駄に浪費するためにしか見えず。
到着してもまだ続いていた。
なので大声と停止を力ずくで行い、中心にいる者を注視しながら撤退指示。自身を残し完全封鎖を敢行させた。
誰も止めようとは考えない。
反論など無意味と思っているし、無駄とも理解していた。
なので最後の一人が撤退した事と閉鎖は同時であり、記録装置も破壊した。
対峙する二つ。
巨大な四足歩行者。
動きはなく視線を外さず一定の距離を保ちながら唸っている。
対しての態度は微睡むような両目とここ数日の片付けに追われ髪は汚れ衣服も少し臭いが。思考も鈍っている。正常な判断ができるか否か。
短く言葉を紡ぎながら危なっかしくも二歩三歩進めるも、やはり距離を保つために動く。
同じ行為を繰り返し、視線を外してないにも関わらず、その視界から消える。
その直後に四肢の付け根が衝撃を受け、破壊される。まったくの同時にである。
力を入れようにも壊された四肢再生ができず這いつくばるような格好で恥辱に心がなぶられる感覚が浸透していく。
が唸りは止めず、見上げる格好だが相手を視界に入れるよう努めていた。
また消えて、四肢の一本から更なる激痛が全身を駆け抜ける。
吠えという絶叫が反響する。
激痛の根元に視線を移してもその場所は何もなく、恐怖を煽るような言葉が耳元で囁かれ、精神が削られていく。
こうして自身の威嚇たる唸りは無意味と理解したが止めない。
二つの視線が交わる。敵意と無意。
唸りやまず。しかし無視して額に手を置く。
瞬間。全身に言葉に出来ない。出来ようはずない感情。
唸りは次第に小さく儚くすぼんでいく。
縦に首を軽く振る。その仕草にどうしてか安堵する。
視線を外した直後に閉鎖された全てが解放されると大きな荷台を引きながら多数の者が雪崩のように入ってきた。
声を掛け合わせ荷台へと載せ運び出していく。
残った者は疲れた顔を見せるが隠し軽く解し穴の底を後にした。
はあ。やっと大人しくなった。
さてさて潰した付け根の治療をすると同時に交渉といきますか。
ん、なんのでしょうか。
ま。良いでしょう。一つの懸案は潰しましたし、後は何とか、成りませんよね。はあ。疲れる。
はてさてこうして各地にて暗躍する微笑む者達も含めて計画は始動する。




