二章~準備~3
見える。だが瞬間的に風景を閉ざしたいと思考するが実行できず見続けることしか出来ないとはなんと歯痒いのだろうか。
乾いて数時間。いやもっと経っているだろう。時を何度も見続けて声を荒げてでも叫びたいのに叶わない。
何もかもが叶わないのだ。そうこれ迄は願いを考えるよりも全てが叶ってきた。
それが此より何日。違う。
もう二週間は経過しているか。感覚としてだが。
正確には十三日と十七時間五十四分三十八秒。
閉じたい眼は、瞼を取り除かれ、四肢も其々を三ヶ所固定され、視線を大きく損なわないように頭蓋を貫いて固定されていた。
この場に運ばれ、苦痛の中で命令されたことは。一つ。
そうたった一つのみ。
それは〈正面の時を刻む物を見続けること。〉
笑いたいのにもう笑えない。
何かの力で感情を封じられたのだ。
笑いがなければ残るは苦痛。
云わば拷問だ。
どうにか数日はして久方ぶりに声を聞いた。
最初の声とは異なるとして一方的な言葉を並べ立てる。
一通り話終え、退出する。
気分次第で出してあげる。
そんな言葉を最後に残して出ていった。
口は塞がれ言葉は紡げずとも思考は保っている。
あれの次なる命令は。
身の振り方。
次に現れたのは最初の者だった。
何を命じられるのか心で身構えていたが液体をかけられ苦痛が全身を刺し潰す。
拒絶のような言葉と懇願の言葉に怨嗟の言葉。
次々に紡がれる言葉に反攻するように縫い付けられた跳ねる四肢から赤が流れる。
慌てなくその者は次々に液体をかけ続け、収まったのは体力が尽きたとき。
なぜか盛大に笑っていた。
固定していた道具を取り外して薄布一枚を用意し投げ捨てるように寄越した。 言葉はなくとも着ろという事だろうが体力も尽きている。
僅かに動かすこともできないのだ。
呆れるように吐き捨てると転がしながら着せていく。
終われば腕を掴み引きずって部屋を出ていく。
乾く反響が廊下を埋める。
くかっ。幾人目か。よもやと思わないが、交渉を始めようか。なあ凡人に馴れない天人。
ふはっ。この言い方には語弊があろうか。まあ気にしても致し方なし。ではこれを見てもらおう。なに悪いものではないとかなんとか。
三つ目。
弄ぶように道具を弄っている。
大海の中。島すらも視認できぬほどの位置にて周囲には敵視。という隠すこともない殺意。
思い当たる節が多々有りすぎることで何が該当するのかは、答えられない。
そう即ちも決断もないのだ。
なぜなら。
全てを。
滅ぼしの対象だから。
が問題があった。
単純なことで。
「対応できる重火器がない。はあ。どうしようか。なあ諸君。」
振り向くと白けた表情。
「そんな無駄をいうなら降りさせてもらうが。」
「お、どうぞご自由に。我々、特に私には貴殿方を拘束も強制もできないのでね。」
「だが困るのはお前だろ。何せろくな対抗法方がない。我らが下船すれば一人で海の塵。違うのか。」
「ふむ。それも困るが貴殿方も困るだろ。何せ彼女の顔に泥を塗る行為に等しい。それをしてしまえば、どうなるか。それも私には愉快なものだが。」
「へぇ。それならどうする。」
「こうしてみた。」
驚愕の言葉を発するより周囲。というより海が変化していた。海面は穏やかで波一つたっていない。
立たないことのない波。現在の位置を考慮してもあり得ない状態。
警笛が響く。
驚いて音の発生源を探すがその必要はなく。
「な、なんで」
「おいおい。なんだよあれは。」
他にも驚愕の言葉を呟いたり叫んだり。似たり寄ったりであるから割愛しよう。
立たない海面から囲む船目掛けて異形の存在が容赦なく絶えなく襲っていた。
その突進は船体に穴が空くほど。
簡単には船体に傷を付けられるよう加工されているのにだ。
まあ例外は幾つもあり、その情報を元に更なる向上計っていたが。
「あれは旧式か。」
「いえ、旧旧式ですがそれでもあれより数百年。簡単には穴を穿たれるなど通常あり得ない。」
「ならどうしてああも簡単に。」
「おいっ。どうなっている。あれはなんだ。どういう事だ。」
「んふふ。」
「ひっ。」
胸ぐらを掴み事の元凶である者を詰問しようとするが。
その瞳の奥から覗く得も云われぬ感情が怯ませる。
「なあに、只の実験。そう実験なんだよ。先日手に届いたので早速調合し試してみたまでだよ。思いの外、くく。効き目が有りすぎたか。やはり原液は今後控えよう。そうだねぇ。二百倍くらいで薄めようか。」
「な、んな。それでは。」
「まてまて。あんたら。そんな時間の無駄は仕損じるぞ。なあ兄さんよ。いや《先生》。」
「ん。お、おおそうですね。では簡単な説明を。なに。変容させ変化させ進化させたのだよ。滅してなければの話だが。」
「まてまて。判るように言ってくれないか。」
「ふむ。では簡潔にいうならあれらは全て、現代に海底で生きるか弱き生物に力を付与された場合の姿かな。まあ一つの進化の果て。かもしれないな。」
「それは」
「ああ一定の海域を実験場にして時を越えさせた、と云えるか。今この海域は未来の姿を我々に見せていると思ってくれてかまわない。」
「ちょっと待て。では私達は。」
「あぁ大丈夫です。あれは時限式。一定の、とも言いましたよ。我々の船の周囲は干渉外です。時か若しくは彼方が頑張れば元に戻りますから。」
案の定、敵である船は抵抗し、怪生物と化したものを相手に奮闘していた。むろん標的である一行には構っている余裕などない。
「では目的地点まで進みましょう。その先はまあなんとか成るでしょう。では、準備が完了次第、出航。」
返事がない。事態を完全に把握した者達は準備に掛かるがそれ以外は彼を見ており、そして不安を混じらせた眼で海を見ていた。
が許さず急かすように手を叩く。
「ほらほら時間は無限にあるわけではないのですよ。早く準備してください。でないとほら。」
指し示された先には獰猛かつ飢えた物が数体向かってきていた。
「い、急げええぇあああぁぁ。」
慌てながら準備し短分で完了しその海域から離脱した。
離脱してから長距離を進み、あの戦闘域とは違い微かな波が船体を打つ。
一時だけ警戒を怠らないように監視。
終わりは短い音。
『ではこれより目標とする施設へと入ります。が人数制限により全員は無理なので移動の間に決めさせてもらった。』
選ばれたのは。
簡易に造った筏数台。其々には太い紐で繋がっており簡単には切れないように施されていた。
「んじゃあこれから行きますが。一つだけ約束を。あ、固唾を。とかは止めてください無駄な時間となりますから。では。大切なので忘れないように。そして絶対です。」
集まる視線。
「簡単だ。何、急がず私の後を追ってくれればいいのだよ。では行こうかな諸君。」
取り出したのは蓋された入れ物。
全てを取り出し蓋を外し縁に並べると一定の間隔で入れ物ごと海へと蹴り落とす。
変化は直後には表れず少ししてから船ごと覆いそのままで海中へと沈んでいった。
膜に覆われ海中を落ちていく筏一隻。
残りは海上での警戒と撹乱を指示してある。
一応だが。
しかし何かの違和感を感じていたのだが、通常なら不可能な海の領域へと進める柄もいえぬ感覚が至るまでを霞ませ停止させる。
深く沈み海上からの光が一切届かなくなった闇の中を沈んでいく。
全員声がでない。
でるのは激しくも静かなる息づかい。
「なんですか緊張してますね。ですが今しても気力が持たない。本番は例の施設ですからね。」
答えない。
気づいた。
「おや思っていたより少なかったですか。ふむ。ならばこれを飲みなさい。」
配った容器は内容物が見えない。
「危険な物ではありませんよ。なに。呼吸が楽になるものです。」
危険な状態だ。このままで何も手を打たなければ、いずれ命が消える。
「はっ。良いぞ。」
開け一思いに飲み干す。
「お、思いきりのよい。成る程成る程。では他はどうしますか。」
と質問は野暮だろう。堰を切るように全員が飲んでいた。
底の更なる底へとたどり着いた。
長時間といかないまでもさすがに疲労が溜まっている。
すかさず全員に投薬する。
「疲労回復です。副作用は多少なりともですが。諦めてください。お、見えてきましたよ。」
全員が見た先には何の代わりばえのない岩の塊にしか見えない大きなもの。
「さて、中に入りますが上で申しましたように私の命令には従って下さい。確実に命が消滅します。」
答えない。
「では行きますか。」
筏は直進する。岩の塊へ。
「そうだ先に言っときますが。施設に入ったら私の後を寸分たがわず着いてきて下さい。と到着ですね。では行きましょう。」
岩に当たる時に何か透過された感覚が通りすぎ、海底とは思えない人工の内部。筏は消滅し床に着地していた。
「なっ。」
響く言葉は簡単に反響し吸い込まれるように見える範囲の道へと消えていった。
「内部はご覧のように複雑にして死角が多数在ります。そしてあ、ほら。ご覧下さい。」
示された道は壁が動き床が沈み新たな道が出現する。
「秘匿研究施設。特号・連盟なる非道と外道の両立。その分室ですよ。知っていますよね。貴殿方なら。』
見ると不気味な物を着けていた。
『ようこそ我が元が付きますが居住にして巨像と虚像の実験場へ。』
表情は読めず一定の距離を保つ。
『では指定された部屋まで行きましょうか。なに。私は何もしませんよ。貴殿方が勝手に助かるかもしれないし、命を奪われるかもしれない。ふふ。楽しみですね。』
んで先を進むが、慌てて着いていく面々の第一歩で短くも響く音が鳴る。
『おや、これかは早速ですか。私の話を聞いてましたか。言ったでしょ。寸分たがわず着いてきて下さい。とね。ふふふ。』
施設の染みと化した、ソレを感情的にならず見ながら先を進もうとするが、次で二回の音が鳴り響く。
『む。仕方ないですねぇ。ではこれを着けてください。そして今度こそ私の後を寸分たがわず着いてください。』
が、やはり三度目の響き。
まったくという言葉を発し、その場から残りを見る。
『もう少しは読み取ってください。ではあの角をを越えたら次で入りますが、今度こそ着いてきて下さい。では。進みます。』
次に響くはなく。何とか目的の手前までたどり着いた。
入り口に設置された装置を操作し、扉を開けると後ろで疲弊していた者達は雪崩のように入っていく。
なにげに踊る感情を抑えながら続いて。
背後で閉まる扉。床に倒れる者達。
疲労困憊は見て理解できた。
『さてこれにて中間地点ですが先は長く更なる仕掛けが待ち受けていますので気を引き締めましょう。』
答えるものなし。
『それとこれより先はもう私の寸分違わずというのはありません。ご自由に動いてください。そして。』
「ぐかっ。」
『ふむ。確かに私は肉体労働に向いていませんが、向いてないだけで出来ない事はないと言っておく。』
背後よりの襲撃を片手で終わらせ。
『残しても後が大変だ。ん。』
「ぎっは。」
持っていた物を落とし弛緩し僅かに口を開け力が抜け落ち瞳に光が失う。
『やはり紛れ者。なればこそ篩に掛けた甲斐があったというもの。では進みましょうか。残りの皆さん。』
その両の奥から漏れる向けられる感情はまるで何かを楽しむような感情が乗っていた。
電力が死んでいないという事は誰もが理解していた。
侵入したときの感覚や壁の移動等。
部屋に入る前での装置操作。
その他にも、長年放置されていたであろう施設にこれ程の空気が充満しているのだ。関連した施設が働いていることを容易に思い至れるだろう。
だがそれ以外が死んでいるようで、見つけた扉は何をしても反応がなく、仕方なく目的とる場所へと進んでいく。
まあその過程で幾つもの酷い事が起こっていたのだが、先頭行く彼は一瞥もなく歩いていた。
疲弊するのは後ろを着いている者達。
同じ動作をしていても反応し、誰かが仕掛けに嵌まり消えていくのだ。
あの言葉は偽りだと思い知らされ、実は一回だけ彼を後方へと下がらせ言葉で先導させたのだが、虚しいかな。同様の結果を出してしまった。
教訓とし彼を先頭に立たせ、仕草を模倣しながら進んでいたが最後の手前で作動した仕掛けは、四方が乱立するように入れ替わり隙さえない速度。
躊躇するが一人が意を決し突入するも一瞬で無惨に刻まれ潰され千切られ最後は骨すら残さず燃え尽きた。
「えぇと。残ったのは君達二人だけか。うん。気概を見せてもう少しは多いかと思ってたが。ぬくく。」
選定した入手部隊だったがどうしてか先々で屍となり目的地手前で二人しか残らなかった。
「では行きましょ、目的の品が在るのはこの奥ですからね。」
しかし彼は二人を先に行かせるよう促す。
怪しむ二人を無視して奥へと行くが何も起こらない。
先々に進む彼を見て二人は足早に歩き彼を追い越し奥の扉へと辿り着く。
何かをすることもなく近づいただけで扉は開き、黒に彩られ、僅かな色を配した中は人感関知装置なのか電気が点る。
距離を開け後方で彼は二つ手前の扉の前で止まり壁の装置を起動させ中へと入る。
閉まる扉を聴きながら奥へと進み何もい場所で止まる。
床にへこんだ部分があり、強く蹴ると。
「へぶくっ」
別の床から突起が出現し突き刺す。
膝を着いて刺された箇所を擦る。
「くそ。必要なこととはいえ、出現箇所が毎度変わる仕様はどうにかならないのか。」
突起物の先端から滴る程ではない赤が内部に納められる。
《解析照合適合により当施設八割の機能を解放します。》
起動する。何もない空間に四方から機器が競り出し放出し直結し現状での完了する。
痛む箇所を労りながら全てを確認する。
「さてさて。俺の目標は。お、丁度いい具合に接触したな。」
一つの画面を見ながら手を動かし、ある空間の映像を最高画質で映し出す。
二人は目論み通りに目的の品を発見した。この場所までに多大な犠牲を払ったが、漸く報われるのだと。思っていた。
まあその通りなのだが。
二人は目的を果たすため其々が分割して所有していた装置を合わせ設置する。
点滅し赤から青。それから緑になり黄となり。白く終わる。
歓喜で騒ぐかと考えていたのだが、どうしてか二人は突然口論となり殴り合いの結果。
その場で命を果てさせた。
「なんだ。終わりか。まあ少し観察してから行っても文句は言うまいな、あの子供は。」
装置を操作し壁の一ヶ所を開く。
「はっ。こんな面倒に成るなんざ考えてなかったな。まさか。此を使うとは思わなかった。」
並べられた一つを取り着ける。
『さて。そろそろ時間だ。残った二人も反応はない。一つ仕掛けを起動させて反応無しなら解くか。』
画面に映る二人は動かず。しかし何かの拍子に起きるかもしれず。故に動かす。
『お、動いたか。ふむ、では行くか。、あ此も忘れていた。』
別の装置を起動させ室内を入ってきた時と同じように戻し出ていく。
『さて、やはりと言うべきか。偽りが我に通ると思っていまいな。諸君。』
読めぬ表情だが心を永久に潰し尽くす視線に射ぬかれ挙動が制止した。
『かっ、かかかか。やはりあの仕掛けを施して尚、か。恐ろしきことよな紛れ者共よ。さて、選別した甲斐があった。と話を聞くことなく。動かず動けず動かさず。終わりて壊そうか。』
全身から漲る力は動かずして終わっていた。
『あれに用意させた物と同等と思っていたか。ふふ残念なことにあれは紛い物。我の万分の一にも到達せぬ代物。お前らのように生きし人の形には触れたところで無駄と理解していた。それならとかはっ。撒き散らしたのだよ。あの時に。そして、もう終わる。』
言葉を終えると周囲には一つとして動く物。
『ほうっ。我の力をその身に受けて動けるか。最後まで残りて我を眩まそうとしただけはある。して何故か。聞いてもいいかな。』
「言いいたあいことは。りり理解してているら。」
「きゅきゅきゅ。ささささ先のつたつ紬ぎしししここ言とののの葉。すすすし全てを、ういうううあ。奪う。言葉の呪文。ぎかきききききききき、きいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ。はっあ。」
「自我を捨てたかバカが。」
『そうか。耐性持ち。か。面白きことなく。』
「そうだと。答えればどうする。」
『何も。せぬよ。もう終わる。』
「へぇ。強がり、ではないよな。やはり強化しているのか例の容器の内容物で。」
『ほ。そうか。そこまで読んでいたか。』
「強化してこれでは。俺達の勝ち。なんて言えるか。くそが。」
『ああ。終わったよ全てがな。』
「作戦勝ち。か。」
『ふふ。次に会うことはもう二度ない。』
「だろうな。くそっが。俺達は簡単だと。」
『思われても考えられても。上乗せして願っていたところで無駄な事だ。』
「はっ。思い上がるなよ。俺達が簡単でなかった。そうそれだけだ。全体を考えたなら無駄かどうかはこの先で理解するだろうな。ははははははは。ガリッ。ぐくっ。」
『自決か。分かりやすい。が、無駄な行いだと述べておこう。』
床を蹴り鳴らすと。全てが崩れ去り、闇一色の空間へと変わる。
着けていた物を外し、
「ではこれにて俺の方は捕獲完了する。」
と柏手の音が響き視界は多彩飾へと移る。。
その場には彼。
幻術使いのイルシオンが佇み、足元には這いつくばり、苦悶の表情一色な同行していた者達。
その内の選別した者達。全てが紛れ者である。
「では拘束し例の場所へ隔離。引き渡しまで厳重に監視してもらおうか。」
場所は海上の要塞島。
人工島の実験段階で破棄された寂れた一つ。
「これ迄、そうこれまで幾つもの思考混濁を引き起こしてきたが、一つの進行装置に動かされた紛れ者は簡単に騙しやすく、流されやすい。では一つを俺の部屋へ連れてきてくれ。くく。軽い尋問をする。期待はしないが。」
捻れるような表情には皆が嫌悪を覚えた。
廃島。
元々は人工島建造の際に起こるであろう問題点を検証するための実験島であった。
これらが多角的な視点からという理由で世界に幾つか建造されたのである。
完成後は役目を終え一部を隔離し一時的な居住区画として運用されたのだが、耐用年数を越える前に当時の人口を完成した人工島へと移住させ、完全破棄となった。
そうして立ち入りを禁止された廃墟の島からなる、それに準じるものの総称てある。
が現在でも厳密には人が住めるような環境の遺された島も多々ある。が全てが如何なる理由をもってしても立ち入り禁止である。
理由としては、過去の残骸の影響が現在も続いており、どの様な影響が出るか検討もつかない。
とか公表されている。
実際に生きる事の出来ない島も現存するし幾つかは過去に処理された島もある。
が手付かずに処理されない放置された島が大多数であり、世界問題の一つとして必ず議題に上がる。
が大きな問題が頻発した。
そう発端はある島の存在漏洩と同時に廃島となった島から始まる数々の重要島の連続した廃島問題。
人の。いや、如何なる生物であっても生存不可能なまでに徹した環境汚染。
そして時間と共に増大する空間断裂による収縮と増大の連鎖。
実は一つの島を処理する費用は最低でも小国国家予算四年分である。
そう世界に点在する廃島は数えられるだけで百を越える。それら全てを処理すれば何百年掛かるのか。そしてそれに掛かる費用合計も天文学的な数値を叩き出している。
それ以外にも様々な理由があろうが。主なものはこの辺か。
その一つの要因を造り出した張本人は知らぬ顔でこの時も何処ぞで何かをしでかしているのだろう。
話が逸れた。
彼らが現在駐留している島も廃島の一つであり、これは世界憲法を完全に犯している。
如何なる理由をも弁明など受け入れられず見つかれば。だ。
なのに知ってか知らずか。いや知っていてこの島を選んだのだろう。天体求負と云われた島。
まさに現在はそれに近しい状況となっているのだから。
『さて犯罪集団である貴様等には世界刑法を幾つも犯している。大人しく投降する事を推奨する。
だが抵抗するなら如何に限らず力付くで制圧させてもらう。』
と周囲の上から底まで敷き詰められた布陣のように展開された戦艦。全ての砲搭が向けられてる。
『ああ。こちらメトゥルキスカス。貴殿等が、犯罪集団と言われる者達である。正直に言おう。』
何か雑音が。
『ああ。なんでぇ。僕達が追われる身に。あんな奴の言うことを聞いたばかりにい。』
『およ。およよよ。そんな事を言うもんじゃあないよ。確かに美味しい話と思って飛びついた私達が悪いのようおおお。諦めなさいいぃ。』
『お、お前はそれで良いのか。騙されたんだぞ。あんな広告をこれ見よがしに見せられたら。誰だってぇ。』
『でも。でも。私達は逃げられないよ絶対に。だってこれを付けられてるんだからっ。』
『だ、だがな。上に。』
『それは無理でしょうぅぅぅぅ。』
『あ、あああああ。』
『そ、そうだった。これが、外れない限り俺達は、逃げられ、ない。』
『うっあああああああああ。な、なんでこんなことにいいいいぃ。騙されたんだ。ああ。騙され奴隷同然に扱われ。俺達契約者は。くそがああああ。』
切れる。
『と、まあこの様な事態だが正直な所、我々は一人を除いて一般人なのです。』
というものを信じられる道理などなく。一発の砲弾が放たれた。
『今のは警告だ。くだらない事で時間を稼ごうなど笑えない冗談だ。』
『そうかい。ならあんたらは全員が後々後ろ指を指される人生を歩む結果になるだろうぜ。何せその実験生物達の言ってる事は本当だからな。まあ思ったより集まらなかったが。お、失礼した。ワオはプレシャスレンミーニと言う。このメトゥルキスカスを統率する革命団体の首領をしているものだ。以後周知願いたいな。して今強制送信した映像はワオが引き連れた者共の隠し撮りだ。嘘も偽りもないと誓おう。そしてこれより直後が貴殿らの愚策が招いた結果として受け入れよ。』
通信が切れ直後に島の全周が沈み大きな壁が入れ替わりに競り上がってくる。
次に戦艦に対しての正面の壁が前に競りだし、上にずれる。内部から露出したものは。
長距離特化仕様電磁射出砲。
空間機銃。
この二つである。
正面に展開していた戦艦は長距離であれば電磁射出砲に抉り上部を貫通しその後続をも巻き込んで彼方へ消えていく。
短距離であれば見えない弾丸が無尽蔵に放たれ蜂の巣状態で沈没していく。
これが展開からものの数秒の出来事である。
すなわち、判断反撃反転など出来ようない。
短時間で海底へと沈み行く艦隊。
何故にこれ程の即座対応が可能だったのか。
それは。
島の中央に位置する灯台。その地下の最下層の一つ上に全ての制御を司る装置群が半分生きていた。
半分は壊れていたが優先度を決め防衛関連を修理した、その上で改造も施していた。
結果は全周を囲む壁と一時的な絶対防衛線。
一次艦隊を全滅させ、次の艦隊が押し寄せるには幾日か要する。
その間に更なる向上を済ませておくのだ。
防衛装置区画の下。
最下層の一室には一人と一人が向かい合っていた。
『では君の中身を見せてもらおうか。』
《クックく、俺をあの中での中心と良く》
『ああ、そういった物言いはいらんよ。時間は有限とな。で君の意識思考は関係ないのよ。まあ短くも長い付き合いになるのだ。気軽に行こうか。なあ。』
《ひっ。》
第二波を同じように全滅させ、次の艦隊迎撃を最終とし撤収の準備を進めさせる。
勿論、関連した資料の回収と廃棄を同時進行して。
2日後。
前の二波に比べて大規模艦隊が送り込まれていた。
どのように考えを巡らせても大規模艦隊を崩す術はない。
どう足掻いたところで島全てが火に包まれる事は必定である。
が、先頭の戦艦が近づくと間髪いれずに射撃が全方位へと無差別に開始された。
これを重くみた世界軍は即座に島の消滅を決定。
最終兵器とした全長数キロにも及ぶ殲滅専用戦艦投入。短時間で遠距離による殲滅作戦が開始された。
無情に壁が崩壊し島が抉られ無限ともいえる砲弾が削り続けていく。その中で逃さぬようにと狩人達が不発弾に偽装した箱からでると四散し獲物を狩っていく。
逃げ惑うその者達に成す術や反抗の意思はない。
簡単な仕事だろう。彼らにしてみれば、一方的な暴力なのだから。
半日後。巨大戦艦からの島直上への砲撃。
そして放たれる意思なき絶対兵器が島全土へと降り注ぐ。
消滅し何も残らず、一帯は海原と化した。
これをもって作戦は終了。艦隊は引き上げていった。




