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Heart of 6 〜赤と譲渡〜  作者: 十ノ口八幸
二章~交渉決裂と戦争準備~
53/111

二章~強襲~終

事後処理。といっても事が事だけに複雑に絡まる思考と思惑。疑念と疑惑。

各場所から届けられる殺伐とした抗議の言葉が聴こえてくるようである。

心底気分の良いものでは無かったが、目の前に広がる逞しくも愚かしいその行動に少しは。

そういうものを考えてしまう。


さてさて。なんの因果かこの犯罪者の巣窟と言われていないかも知れない島。レンゲリース・リシャンスに連行され軽く数日経過したろうか。無駄な時を過ごしているわけにもいかず回収した端末をいじくりまわす。

正確には調べているのだが、進捗は芳しくなく。

さらに何かしらの視線を感じていたが無視して次は端末を並べてみる。

自分の持っていた端末も一応に出してみる。

「はあ。」

言葉を紡ごうとも何も思い浮かばないし、自分で起こしてしまったことなので誰かを責めると言うことも出来ない。

むしろ、事態を悪化させてしまったという不安しかないこの現状を浮かない表情で抱えて軽く振り、混ぜられた色々な事を整理しても次々と新たな問題が浮上してくる。

見上げても良かったのだが、それは一種の逃げ。のように感じられ。端末達を眺めているだけだった。

破るは。

「あの。宜しいでしょうか。」

という声。

あえて無視。

ため息をして項垂れる。

「最悪ですよ。」

ため息。

「あ、あのですね。お隣。良いですか。」

ため息。

「なんで何時も素直に行かないのでしょうか。はっ。もしかして呪い。嫌々。ないない。ないですよ。」

隣に気配が移動する。

「どうなってるのでしょう。残りあるにはありますけど、時間的にも終わっている筈なのに。どうしてですかねぇ。」

「そ、それはその。ご免なさい。上手く言えませんけど。でもどうにかふべぇ。」

「はあ。なんで判らないかな。いや解っていて行動しているのでしょうか。なら」

「い、いふぁい。どうして。」

「もう理解してくれないでしょうね。はあ。」

「どうして殴ったのですか。」

「じゃあそろそろ無意味な事を止めますか。」

顔を上げ視線を合わせる。

「どうしてもなにも僕の態度で解りませんか。1人になりたいので今は構わないでください。」

「嫌です。」

「おふうっ。即答ですか。なぜ。」

「伝えたい事とお訊きしたい事が。」

ため息。

「拒絶しても。」

「聞き入れるまで付きまといます。」

諦めが肝心だろう。

手で促す。

途端に笑顔。

「質問はいっぱいあります。でも始めに。聞きたいのは。」

瞬。

瞳に何かしらが宿る。

「どうして、艦隊を全滅させたあぁああああああ。という質問です」

「おう。ギャップが。んん。簡単に言いますが、語弊がありますよ。なぜなら全滅でなく、撤退を数回促してます。まあ最終段階で強制的にお帰りしてもらいましたけど。」

「もう少し。」

「あるわけないじゃないですか。何せ此方の警告全てを無視されたのですから。あ、もしかして届いてない。のかな。それなら失敗かなあ。」

「あ、あら素直に認めますね。」

「拍子抜け、ですか。」

頷きで返答する。

「で、次の質問は。」

「何故あれだけの抵抗が可能だったのか。です。」

「ふむ。まあ簡単に言えば所有物を貸し与えました。予想外に率が高かったのか、個々の威力が島一つを消し炭にする。というのが意外でしたけど。」

「ふ、ふうん。じゃあ、あれは不可抗力。そう言いたいの。」

「いえ。それを込みで貸しましたからね。まあ言葉的には矛盾しますね。」

何か納得しずらい表情を浮かべるも、すぐに収める。

「次に良いですか。」

「どうぞ。」

「《蠱惑の世界》へ誘われない状態で拘束を素直に受け入れ。そして厳重な倉庫へと納められた。そうですよね。」

「うん。そうですね。否定のしようがありません。自身で証言しましたから。」

「そう。では《蠱惑の世界》へと誘われなかった間の記憶も」

「ありますよ。まあ疲れてましたので眠ってましたけど。いやぁ色々と心労が溜まりに溜まって直ぐに落ちましたよ。」

「それではこちらの正体にいつ頃お気づきに。」

「さあ何時かな。判らないかな。」

見せられた物を一瞥して視線を逃がす。

睨むようでも納得したというのでもない。視線を向けるが諦めの吐息をして仕舞う。

それでは。

という質問から更に幾つか続き。

これが。

「最後の質問です。」

「なんでしょうか。はあ。」

「お疲れは察しますが。本当に最後で」

「いいですから早くしてください。」

言葉を切られて不満な表情を浮かべるが直ぐに押し込める。

「では、んん。」

何か言い淀む。

「言えないこと。それか確信が持てないから聞けないのでしょうか。」

確信過ぎてたじろいでしまう。

「内容によりますけど、ね。」

「では最後、です。守護のシンイキに住まう方々を、ご存じでしょう、か」

怯える表情。

少し考える。

「さて、その神域が何を意味し指しているのか知りませんけど。知りませんね。詳しく教えてくれますか。可能であれば。」

「え、ええと。ね。」

この答えを聞いて初めは理解しがたかったが、途中で心当たりを探り当て最後には納得した。

「で、それが何か影響でも。」

「大・有り・です。」

「詰め寄られてもねえ。」

「ご免なさい。でもあの森はこの島の禁忌でありそして敬いの対象。でも先日の調査で。」

「は、ははあ。その対象。即ち。世落ちがなくなった。それも一つ残らず。肉のいえ全て処分、したかなぁ。」

聞いて何時から居たのか、殴られ蹴られ最後には手足を串刺しにされた上に意識を飛ばされた。


暗い道を揺れながら進む。

何を聞いても返答などなく。

見える道のりは既視感を覚える。

はあ。という色気もない音が虚しく響く。

見上げる。

この行為に意味はあるのかないのか。


はあ。正直、何を選んだところで無意味な事を挿入されてしまう。ならばと従いはしますが、無意味極まり無味となりますか。そうですか。

ああ゛叫びたい。


続く道の先は広い場所。その先は扉。

1人が歩み出で腰に下げていた鍵を差し込み離す。

直後回転し解錠と同時に扉も開け放たれる。

奥へと進まされる。

一定の場所で止まると付随していた全員が音もなく姿を消す。

残されても遣ることないのでとりあえず首を回してみる。欠伸も自然と出てくるので任せてみる。

口を動かして筋肉を解す。

幾度目の吐き出しだろうか。

突如として闇から一斉に光を点され。眩しさに目を閉じる。

耳に届くは静寂。

ではなく。轟音と等しき怨嗟の声。

文字通りの全周囲から発せられる言葉の羅列は、一言一句理解する気はなかった。

激しく乾いた音が乱打される。

諌めの羅列も収まらず。

次々に浴びせられる動かない言葉。

と音を潰すような事柄により漸く。静寂が満たされる。


若いですねえ。それも女性。いえ、子供に等しいでしょうか。それでもこの場を一言で収める。ふふふ。本当に。

ああ。本当に。

本当に。何だろう。


口を開けば音が出ない。

出さないだけだろう。

だが形として紡がれる。

「むなしい。ですね。そう思いませんか。この場の支配者。」

向けた音なき言葉を拾うは誰あろう。

「そうですか。では簡易でありますが、被告の罪状を読み上げるのは時間的に掛かり過ぎますので最も重い罪を読み上げましょうか。」

何かため息が漏れている。

「罪状。自然島レンゲリース・リシャンスへの工作と破壊。及び現在、島に居る人々への暴行と殺害。これにより被告には特殊殺人罪及び幇助と無用な破壊工作の罪。陳びに多数の罪状。届けられるさらに。」」

「それではこれより審問に入らせてもらいます。」

驚く。

何時から居たのか。真横に二人が立っていた。

「ではこれより簡潔且つ簡略的に進行させていただく。先ずは此方を観ていただこう。」

示された方には大きな画面が複数。

そのどれもが此れから詳細なあらましを映し出していく。のだろう。


数時間後に、すべての証言と証拠を証明された。

乾いた音が響きわたる。

「これより判決を言い渡す。」

変な声が出たことを自覚しても言えずにいられない。

「どうして。ですか。普通なら審議とかに入るんじゃ。」

「証拠と証言の綿密な調査は終了している。これはただの君への確認だ。」

事実。これらに関して全て認めてしまっている。今更ながらに否定しても無意味。

「そうですか。」

力が抜けたのか。観念したのか。俯いて。

「くくっ。くかかっ。たかたかたかたかたかたきたきたかたかたかたか。」

狂笑(きょうしょう)をして声を轟かせる。

だが。

再び俯く。

「さて、これで僕に対する貶めの証拠は終わりましたか。先の事を踏まえても僕を罰するには少し足りないですね。それでも。」

顔を上げるその表しは。悲壮にして悲観。

そして最後には。

「おらああああぁぁぁ。突貫完了。」

1人の侵入者登場につき。

「な、なななな。」

「うええええぃ。ふん。なんだ依ってたかって幼気(いたいけ)とは。ああ程遠く言いがたいが、子供1人を吊し上げて情けねえぇなぁ。」

恰幅の良いそれでいて覗く隆々なる筋肉。

「な、何者だ。」

懐から何かを取り出し見せる。

「此方、南西方面軍所属特殊観察203部隊。当該観察対象を捕獲しに来たので引き取らせてもらう。これは正規の手続きなので悪しからず。ではこれにて。」

拘束していた拷問を備えた椅子を片腕で担ぎ上げ肩に背負う。

制止の言葉には一度の踏み込みで黙らせる。

「実在問題。抗議するならば受け付けますがねぇ。その場合には島全ての生き残りを根絶やしにしなければならないのですよ。これは機密の存在なのでね。」

肩で揺らされる。

力を示されることで反論が出来ない。


だがこの状況で傍観席から1人が乗り出してくる。

「待ってくれるかなぁ。」

振り返りと同時に撃ち抜かれ壁に埋め込まれる二人。

「ふふふ。興味はあれど。あまりに不愉快極まりない。さてそれ相応の対価を支払って貰おうか。」

向けられる視線の先には大きな穴と、その先に居る存在。

暗闇に支配された穴向こうから響く破壊の音。

「がはっ。まっっったく。素直に行かせてくれねぇなあ。」

「はっ。それが運命だろうに。」

「確かにだがよう。はあ。で、何を求める。」

「簡単さ。あの残された実験の破壊の責任を」

「知らないな。実際あの時は勝手に向かってきたから対処しただけだ。譲歩を示して受け入れを拒否された結果が処分という帰結しただけだぞ。責任を取る義務なんてないと思うが。」

「ふふん。そうだ言うろうね。でもさこの島の者達には関係ないよね。」

「それこそ関係ないよな。世落ち(あれ)を上位次元の存在という下らないものにして崇めさせていただけだろうに。まあソレを込みで研究対象として調査していたようだがな。結局あの森に離されたのは過去の実験で失敗した個体の廃棄場所でしょうが。」

「驚いた。どうして知っているのかな。表向きの伝播は兎も角として、裏でもそう易々と知られないはずなんだけど。」

「調べたんだろ。色々と。時間も有効に使わないと損だろ。それであの森での世落ちの行動も説明できる。何時でも出ることが出来て出ないのは。」

「ああ。そういう思考装置を組み込んだからね。」

「なら処分した方がお前にとっては好都合なんだろ。」

「はあ。ならもういいよ。勝手に行けばいい。この島での事は此方で処理させるよ。あの艦隊も含めてね。」

「はっ。やはりお前の仕業かよ。」

「まあ想定外に君が居たのは意外だったよ。お陰でこの島を陥落させることができなくなった。それもこの島の力を示す形での終結だ。」

「なら覆して、てのも出来るよな。」

「いや手続きに時間がかかるからもう諦めるよ。惜しいことだけどさ。」

「はっは。全然惜しいという顔をしてないぞ。どうせ手に入れれば上々。否であればそれまで。て考えていたんだろ。」

「ふふ。そうだね。でもまあしょうがない。この場は素直に諦めるよ。」

「なあ。一つ聞いても。」

「何かな。」

「本体はどこに居るのかね。」

「さあ。ね。それだけかい。」

「んんん。そうだな。それだけだ。」

「ならこれで。」

糸が切れたように体を崩し床に倒れる。


騒めきが一挙に押し寄せる。

軽く驚くもあの記憶の補完により状況での事を考えて事に至り、深く深く溜め息を吐くしかなかった。

小さく呟くも言葉として届くことはない。

穴から出ると仰々しく腕を広げる。

もう一つおまけに倒れているモノに足を乗せる。

「さて、お集まりの諸君。ご覧の通り(わたくし)はこのように何時でも自由に行動できる。そして貴殿方は本当に運が良い。何故なら。」

注がれる視線は突き刺さる。

「私に課せられた権利は現在停止中。そしてこと此所に至っては貴殿方には何の咎めもない。それを幸と運として今後より一層の安寧と繁栄を。ではこれにて失礼します。」

倒れたモノを雑に扱い、小さくお辞儀して落ちていた瓦礫一つを足で跳ね上げ手に掴むと穴へ投げつける。

乾いた音が反響し、出てくるは侵入者。

「痛いだろうが。たっく。もう少し自重出来ねえのか35番。」

「それは良いですので行きますよ。貴方が来た。と言うことは粗方終わっているのでしょう。」

頷く。

「では行きましょうか。これから先を考えないといけませんから。」

二人して壊した扉へと姿を消していく。

裁判(強制的に)終了。


痛む両腕から流れ出る血がいつの間にか止まっている。

「はあ。疲れた。で今後はどうなさいますか。護衛の皆様。あ、元護衛ですか。」

数々の想いが込められる視線を涼しく受け流し、質問を向ける。

「何か言いたいようですね。」

1人が前に。

「聞きたいことは多数だが、今はこれだけ答えてほしい。」

「なんでしょうか。」

「お前、いや君、違うな。そう貴方は神を欲しますか。」

「・は、何を云いたいのか理解できませんけど、あげる。と云われて拒絶し手で叩き壊しますね。それも神を関するのなら尚更です。」

「そうか。」

「それだけですか。」

「ああ。済まないな変な時間を取らせてしまって。」

「いえ、別段気にはしませんから。では。」

歩き近づく。向けられる視線に居心地の何かを感じてもいない。

だから横を通る時に向けられる一層の込められた想い。

自然と体が硬直する。

焦る。動かない足も腕も力を入れているのに動かせない。

視線の先には何事も無かったように進んでいく者。

慌てて声を出そうにも。出ない。

思いながらも通じず、その背は遠退いていく。

「で何時まで突っ立ているのですか。ほら速くしないと置いていきますよ。」

瞬間、それらが嘘であったかのように体が自由を取り戻す。

「むぐ。動ける。お、待て待て置いていくな。」

二人は何事も無かったように出ていった。

残されし元護衛。

振るえるしか出来ない。


潮風を懐かしく思う。

同時に虚しさも奥へと染み渡る。

海面には色々な藻屑が浮いている。

昨日の戦禍の爪痕。

思っていたより多いことに。

なにも感じない。

用意されていた大型船。

どうやって調達したのかは聞いてダメなのだろうと。

なので、無言で乗り込んだ。のだが。

「いまだにお二人が同乗するのは理解できます。で・す・が。何故ゆえに貴殿方が乗っているのですか。船は無事なのですよね。ならこの時をもってお別れでしょう。どうして。居るのですか艦長以下。」

向けられた言葉には。

「お、ああ。そうだねぇ。確かに我々の船は無事だ。だから大多数の部下には送り届けるという任務を与えたまで。それだけだよ。」

答えになっていない。

「いえ、だから僕達を送り届けるのが役目でしょ。でもこの様に高速船を調達してますから必要ないでしょう。それに料金も払っているはずですよね。」

「それはそれでだ。なに貯まりに貯まった権利を一気に消化しようかと。」

「いえ、知りませんよそんなの。はあ、厄介な事にならないと良いけど無理なんでしょうね。」

「ふふ。諦めた方が存外楽ですよ。」

「ん、そう言えば。貴方は誰ですか。」

あの場では見知った風を装ったが初見である。が、言葉遣いが違っていた事と一気に押し寄せる嫌な気配。

「ん、おお。そうでした外すのを忘れていましたよ。」

切るような音をして恰幅の隆々なる筋肉が萎んでいく。纏っていた布も縮んで最後は小さな瓶に収まる。

「ふう。意外に窮屈ですね。この変装装置は。」

現れたのは元宗主にして黒眼鏡の男。

「ん、どうされましたか元主よ。」

「ふえぇ。どうして。」

「ふふ。どうしてと聞かれましても、一番近い私が迎えにというのがお三方の提案でして。まあそれ意外にも色々と事情が込み合ってまして。」

「そうですか。でそれにしても良くもまああの場に居たと判りましたね。どうしてです。」

「いえ、貴方の事ですから。絶対に何事かに巻き込まれているのしょう。とそう思いまして、かれこれ数ヶ月の間に貴方が担当した地区や大事になっている区域を調べましたら、彼の島に行き着いたのですよ。」

「はあ。そうですか。納得です。では話は切り上げて、本題に入りましょ、おゎふぅ。」

全身を刈り取るようなましてや命すら危ぶまれる感覚が背後から向けられている。

振り替えるが瞬間で消失し、数人が状況の推移を見守っていた。

傾げながら向き直すと何故か構えていた。

当然のように質問するが、言葉を濁してしまう。


「はあ。世界はなんて綺麗なんでしょう。ほふう。」

窓から見える何処までも何時までも続く海面と飛び散る飛沫。

持っていた飲み物を数口流し喉へと送る。

「はあぁ。し・ふ・く。」

もう一度口に運ぶが、柔らかいものが当たるだけ。

「ふふ。ふふふ。」

唇を当て開き、一気に噛み締める。

皮膚の裂ける感触と鉄の味が口内に拡がる。

「気が済みましたか。元主。」

不適な笑いを続けるつもりだったが、遮られた。

「さて、現実を忘却しても事態は反転も好転もしませんよ。様々な要因と因果と謀略に小さな偶然を装った必然が現状へと至りました。ゆえに収束と言う名の終息へと帰結させましょう。」

長々と言っているが。

「はあ、要は。」

仕事に失敗したので後始末を頼みたい。

「と言いたいのでしょ。ええ。ええ。ええ。ええ。解りましたよ判りましたとも。はあ。素直に愚直に。そして簡単に終わらないのが世の、いや僕の常なら。進みますよ。それが最善手にして誰かの望みなんでしょう。」

机の上に多数の端末を並べる。

「これは。」

「襲撃した艦隊の工作員から拝借した物。さて、これだけありますから。ねえ。」

一つを起動させる。

操作すると他も同じく。

「では初めて回って転んで起きて落ちた先の終わりへと向けましょうか。」

視線を相手に向ける。

頷きが何かを理解して。

画面を軽くなぞる。

開戦(作業開始)です。」

画面を叩く。


そう言えばあの世界。《蠱惑》とか言ってましたか。まさかあれの発動条件という原因が錆びて元が何なのか判らない、小さな塊。だったなんて笑えないですね。

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