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Heart of 6 〜赤と譲渡〜  作者: 十ノ口八幸
序章~戦地にて回想。後に夢での回想~
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序章~其処までに至る回想~6

ふあ、眠い。

さて、ふう。寝たけど。まだ眠い。


惨たらしい現場を連絡した先に託して、僕は港に留まらせていた人達と共に目的地へと移動しました。

何処からか丸投げじゃん。とか言われそうですけど。

そんなの知ったこっちゃないです。


これまでと異なって大規模な人数だったために船一艘では足りなくて二艘用意して乗り分けました。

もちろん交代での夜間哨戒は怠らずですけど。


「で、どうするクソガキ。俺達に旨味はない。そうだろう。成功しても手柄は全部クソガキ共の物だ。俺達には一切何も残らないだろう。違うか」

「ええと。そうですね。敢えて言うなら、ですけど。僕の仕事は制圧後の事後処理のみです。あの人達は僕に付いているだけで減刑されるとかなので仕方なくいるだけです。」

「何が言いてえ」

「ようは、ですね。まあ、そうなるでしょうね。」

「だから何が言いたいんだ。」

「要は僕の仕事内容に進行形のそれも、戦闘行為は含まれてないんですよ。そんな事は痛く苦しみだけしか残しませんからね。ですから島に着いたら戦場が広がっているでしょう。絶対とは断言出来ませんけど。そういったのは僕の仕事には含まれていないので。あなた方にお任せしたいのです。その事に関しての報告は嘘偽りなく依頼主に報告させて貰います。誓いましてね。それから発生する報酬も全てあなた方の物です。僕やあの人達は一切手を出しません。あ、だからと言ってあの人達や僕以外が。てのはありませんよ。心配なさらずに。」

「ほう、それでクソガキに何の旨味がある。」

「それはですね。楽ができます」

瞬間の間。

「ははは。それを言うかクソガキ。臆面もなく」

「取り繕っても無意味でしょ。それにこれは僕からの依頼ですし誠意を持って言わないと恥です。」

「そうかい。なら反論はこれ以上野暮だな」

「有難うございます」

「なぜ礼をいう」

「いえ、受け入れてくれたので」

「そうか。で、俺の。いや俺達の仕事は」

「ええ。そうですよ。だから存分に働いてください。あ、そうだこの品を漏れなく全員に渡しておいて下さいますか。」

「なんでいこれは」

「何分。報告書だけでは説得力に欠けますからね。此を全員の頭部か腕、もしくは、使用武器とかに装着させてください。」

「これは、そうか」

「はい、動かぬ証明にします。これなら依頼主も反論できないでしょうね」

俯き、小さく振るえたかと思ったら、

「はっははははははははは。ここまでやるかクソガキ」

「ええ、こうすれば大丈夫。と確信してます。」

「そうか、なら俺からの反論は。無い。これから先はクソガキ、いや隊長。と、言ったほうが良いか。」

「それは好きに呼んでくれてかまいません。僕は人の上に立つ器ではないですから」

また、今度は盛大に笑ってました。

これが僕と窃盗団頭領との契約の(くだり)ですね。

簡略にですけど。

本当はもっと細かく決めたんですけど。それをこの場で云うのは意味が無いように思いますから省きますね。

そう言えば総主の口調が変わっていましたけど、後で聞いてみると、そういう言葉使いをしろとの指示なのだそうで、全部が破綻したので口調を戻したとか。


「で、お姉さんが代表で本当に良いんですね。あの時にも言いましたけど伝達諸々を全てお任せですよ。それと統率もしてもらいますから。基本的に僕やあの人達が直接命令する事はありません。緊急を要しない限りはですけど。お姉さんで絶対に間違いない。ですね。」

「ええ。そうね。間違いないわ。あの子達を集め、鍛えたのは私よ、だからね。で、現実的に報酬を」

「ええ、お支払いしますよ。」

「そう。でもその前に良いかしら」

「どうぞ。」

「ほんとうに私を含めた全員をその」

「雇うのか。ですか」

「ええ。そう。私達全てに対して、それも私の子供達だけでなくあの集団の分までなんて可能なの」

「それはまあ、僕が払うわけではないので」

「依頼主とかいうのに払わせる気なのね」

「はい。僕が払うのも一つの手ですけど今はその時ではありませんから」

「何か引っ掛かるわねその言い方は」

「気にしないで貰いませんか。事が本当に全て終わったら話しますから」

「それで、今は納得しろ。というのね」

「はい。それでお願いします。」

ため息をはくと、

「まあ、現状論戦めいたことをしても何も産まないわね。なら従いましょう。」

「有難うございます」

「でも一つこの場で、ハッキリしておきたいわね」

「何をですか」

「坊やは何者。なのかしら」

ほくそ笑んでその場を濁しました。

「話せない事があるのね。まあ、私の、いえ私達の人生に坊やの生死は関係ないから別に構わないわ。それよりこの提示した金額は」

「誓いまして。それには依頼主に書面報告をしますが、もう一つの保険としてこれを」

僕とお姉さんの間にある。大きな木箱。それに見本として一つの品を見せました。

「これは、なに」

「お姉さん含めて全員にこれを腕か頭部か、可能なら使用武器に取り付けてください。心配なさらずに、物理的な証明のためのものですから。人体的影響はありません。そうですね、こうした物が無理ならば、此方を使ってください」

先に出した品の横にもう一つ並べるように出したのは、

「距離に関係なく望遠撮影が可能な品でして、これでも結構大変なんですよ、用意するのは。どちらを取るかはお姉さん次第です。強要はしません。」

「そう。ねえ、少し時間をくれるかしら。皆と話し合いたいし」

「構いませんよ。まあ、余り長い時間は待てませんけど。ううん。そうですね、なら今日の夜、鋭気を養ってもらうための宴会、みたいなのをしますから、その場で返答をお願いします。」

「判ったわ。ならその時に」

こうしてお姉さん率いる襲撃団とも交渉して人員を確保しました。


宴会の席でのお姉さんの回答は、両方でした。


到着したのは本当の目的地にして最初の属島。ハン・レイファ。

それは到着前から気づいていました露骨に嫌でした。

全く、鎮圧されていないのです。

完全に劣勢。

ははは。誰に向ければ。この感情。


下船して第一声が悲鳴というのも一興か。と言ったのは誰でしたっけ。

そうですね。本当に、悲鳴で迎えられました。

まあ、実際は助けを求めてきた数人が僅かな距離で惨い死に方をさらしていました。

「はは。獲物、ハッケーン。別に喰っても問題ないよね。久々の胸高鳴る獲物だしさ。」

「余り無茶をするなと云われてたろ。少しは自重しろ」

「へいへい。ごめんなさいね。」

反動を付けて高い所から軽く飛び降りて何事も無いかのように地面へと着地してました。

「ようよう。ねえ、随分な大所帯だねえ。」

知らない内に僕達の横に三人目がいました。

「なあに警戒しなくても無駄さ。何故なら」

構えると横に一閃、縦に一閃。

その前に僕は距離を取るようにお願いしました。

「あっれえ。神速の一閃を交わされるなんて。ふんふん。腹、立つな」

云うや否や三人目から凄い嫌な空気が放たれていきました。

「本当は何人か捕まえてさ。暇潰しに使おうかと思ってたけど。止めた。こんなんじゃ楽しめないし。うん。即殺即滅即決定即後悔はさせないから」

反動も予備動作もなく真上に跳躍すると近くにいた数人に目掛けて武器を放ちました。

まあ、避けられなくて、肩や太腿なんかに深々と刺さってその場で踞っていました。

声を上げなかったのは対したものでした。

「ううううん。悲鳴が、無い。つまらん。ねえ、全殺していいか」

「はあ、仕方ない、そこの餌以外は許可する。好きにしろ」

「いえええい。大将、だからあんたは好きなんだよ話が判ってるね。じやあ、始めようか。赤い雨を降らせる。抗いの躍りを」


餌とは僕を含めた全員の事を指しているらしかった。

んで、そこの餌以外は、というのは僕以外というらしく。どうやらこの時に僕が三人目の動きに反応して見えていた。というのが判ったらしく興味で捕らえて尋問するつもりらしかった。

軽く何人かはこの時に負傷してしまい使い物にならなくなったのでこの島に放棄、次の島に向かいました。


え、どうやって切り抜けたのか。そう言えばどうやってだったかな。

思い出してみよう。


思い出していくと、そうだ、たしか僕の体が意識に反して勝手に動いたような感覚を覚えて、気がつくと一人目と二人目の攻撃を全て交わしてからもう機能を果たすことの出来なくなっていた施設。管理施設へと歩いていました。

なんせ仕事内容が全然違いましたから。

「はあああぁ。鎮圧。事後処理。なんですかそれは。どう見ても失敗処か、全然手を出してないでしょこれ、ねえ、皆さん。どう思いますか。この現状を。これ今から断れますかね」

期待した返答はもちろんありませんでした。

代わりに肩に、足に痛みが走りました。

小さな傷でしたけど。

この傷を付けた相手の検討は何気に付いていたので視線を向けると、まあ、なんですか、ね。怒りあらわとかそんなものが生易しく思うくらいの表情をしてました。


まあ、その人は自然な動きで得物を抜いて、僅かな動作で投げてきました。

「あぶ、危ないですね。何するんですか。」

当然の反論ですが、後から後から投げ放たられる得物を少し、避けるのが億劫になってきたので、どうしたんだっけ。

あれ、記憶が、飛んでる、かな。

いやいやいや、ようく、思い出してみよう。

そうだ、危ないな。と思いながらそれら全部を受け止めて、全部返してあげました。

なんでか、驚いてましたね。どうして、かな。

そんな事を考えていたら別の人が襲って来ました。

この時、このままじゃ話が進まないなあ。とか思ったので早々と進めるために、向かってきた相手に合わせて頭を打ち抜きました。

乾いた鈍い音と一緒に地面に落ちて、動かなくなりました。

息は有ったのでよかったですけど。

それで、最後に残った三人目に質問し回答をもって沈めました。


「では、何故この様な事態に成ったのか。説明できますか。」

質問が反響していき、消えていきました。

気絶させた二人を更に動かなくして、一人を全員で動けないようにして廃墟となっていた管理施設に入りました。警戒のために外には何人か残してですけど。

質問を打つけた相手。

名前はリトゥルスと言ってました。

「知らないね。俺は上から、正確にはあの大将に命令されて外周を見回ってたんで。」

ぶっきらぼうに言い放ったリトゥルスは先生の質問にこんな風に答えました。

「それじゃあ、さ。現在の島の統治者に会わせてください。て言うか、会わせろ下さい。かな。」

「そこをどうして疑問符」

「気にしないで。では、教えて下さい。知らない。てのは無しの方向でお願いしますっ。」

深く頭を下げてお願いしました。


教えてもらえていれば、また、違ったのかな。とか思ってもなかったり。

余りに教えてくれないので、全てを奪っても良かったのですが気分が悪い方にいくと理解していたので敢えて、そう敢えて、ですけど三人を条件付きで解放してあげました。

それは、憎らしい視線を僕だけに向け、動けない二人を庇いながら警戒を解かずに睨んでいたと大将さん。

この場合、さん付けでいいのかなあ。

その背後で喚いている二人は、はっきり言って人としての自我が無くなっていました。まあ、そうしたのは僕なんですけど。

虚ろな眼と閉じる事のない口、その端から垂れ流される涎。

今でも思い浮かぶなあ、普通ならあんな怨嗟の籠った視線を向けられたら逃げ出すか、卒倒するかでしょうか。

まあ、実際、それに充てられて何人かは気絶してしまいましたけど。

先生が用意していた気付け薬で直ぐに処置して貰いましたけど。


港区画を出ると更地に近い風景が広がってました。

建物が有った、と云えるくらいの痕跡が見受けられました。でも、悉くが根こそぎ剥ぎ取られていて地面に跡を残しているだけでした。

「端末によると、この島の反乱は五十程も昔に始まり、数日で中央が陥落、その後は当時の世界府庁がこの島を完全放棄して、現在まである一族が管理していると、こう記されていますね。」

「へえ、そんなのまで調べたんならなんでもっと早く動かなかったんですか。」

「それは、まあ、」

「知らんのか。」

「何をですか」

「数年前、世界に公表された事は当時の記録にも残っているんだぞ。それも公式に閲覧できるように管理もされている」

「で、なんですか。」

「ふひひひひひ。この島を含めてそれらを煽動し、資金や情報提供全ては当時の幹部達だとさ。」

「へえええ。そんな話があったんですね。知りませんでした。」

皆から呆れた顔を向けられた。

「ボウズよ。本気で言ってんのか。それが本当なら正気を疑うぞ」

その視線は憐れみか、畏怖か、それか侮蔑か。

「で、そんなのは今は置いておけますか。置けるのなら後にしましょう。現状を見るとその当時の幹部が世界中でなんですか、私腹を肥やすために起こしたんですか。ああ。何時の世も、居るんですねそんな方達が」

「何を」

「まあ、それは良いですよ。どうやら終わっている様ですので。ならば今はどうなってんですかね。」

「ちょいと、良いかな口を挟んでも」

「え、はい。どうぞ」

「聞いてるとなんだね。今の島の情報元は別なのかい。」

「ん、別。とはなんですか。引っ掛かる言い方ですね。お姉さん」

「いやね、アタシとそこのお頭さんの情報元の根幹が同じなんだ」

「それで」

「その根幹てのが」

「現世界府庁。という事ですか。ならば、端末を奪えと依頼したのも、もしかすれば、ですか」

「想像だけで推測の域から出てないですが、まあ、何か有るんですね」

僕はなんでそんな事をするのかを考えて、それで答えが出ることはありませんけど。


更地を進んで、僕達はある、不可解な物を見ていました。

それは一つの死体。

ええ、ハン・レイファのこの時までの事は覚えてました。

納めているとか言っていた一族。それもわかっていました。

でも、そう、云えるとすれば。

その死体は、異常な姿をしていました。

背丈をみても尋常じゃない長さをしていました。

それでも頭は常人と同じ大きさでしたけど。

その死体が、五体満足なら大きすぎる不可解な死体。そんな言葉で終わらしていました。

でも、欠けていたんです。

腕の肘より少し手前から先と頭部の一部が。

それ以外は、そうですね。

奇妙な事にその死体をそんな状態に至らしめた相手かは分かりませんが、でもそのような相手がいた。という痕跡は有っても可笑しくないでしょう。

それなのに、無かった。

僕以外の誰かが事後処理をしたように。

それと、その痕跡はそれ以外にはありました。

戦闘で抉られたであろう大きな穴や何処までも続く細長く深い溝。

それだけはこの場で戦闘が有った。という事を示していました。

皆さん首を傾げて、思い当たる知識を言っても僕から見ればですけど、的外れではないかと。


まあ、触れていれば何か判ったかも知れないですけど、得体の知れないモノに触れて、死んでしまう可能性も有ったので上から大量の土を盛って埋葬しておきました。

合掌。


さてと、とかそんなのは口には出していませんが、区切り、みたいなものが着いたと思ったのでこの辺りで整理を兼ねて情報交換、的なのを開きました。

「それで、余り情報がありませんが、何か気づいた事はありますか。」

「そうだなあ。俺は何とも。」

「私も今のところは同じかな」

「全員同じですね。」

「この島の現状は何かの意図があるのかなとか思うんですけどどうですかね」

「それはない。なぜなら先程も言いましたが、現在この島を統治しているのはある一族ですから現在の世界府も干渉は避けるほどです」

その場の皆さんに視線を向けると一斉に頷きました。

「そうですか、ならあの光景とかはなんですかね」

「なんですか。とはなにかな坊や」

「いえ、あの無駄な、かは理解しかねますけど。建物なんかを徹底的に殆ど破壊してますよね。あれには意味があるのかな。」

「そうですね、あれは私見ですが目印なのかも知れません」

「目印、ですか」

「はい。そうですねお二方」

「そうだな。俺達も犯行を明確にするためにあえて印を残す。てきなのはしているな」

「私も同じね。」

「それには何の意味が」

「決まった印はそれだけでそれまでの行いが関連付けされ泊が付く。」

「もしかして」

「はい。例のアレですよ」

「うっわ、下らなすぎて引きますわ」

「それでも、その道の者ならば嬉しいものですよ」

「そんな物ですか」

「そんな物です。」

眉間を抑えて悩むような仕草を。

「じゃあ僕から提案というか誰でも思っている事だと思うかも知れませんけど」

僕は情報が無いことは判っていてあえて休息を取ることにしたんです。

「各々の特徴とかを。あ、僕達の説明はしませんよ。」

「判ったわ」

「しゃあねえな。」

「では、アナタから」

「ああ。ちょいと待ってもらえるか」

「なんですか。」

二人は頷き合って。

「私達は各々の部隊としているわ」

「そうですね」

「でもな。俺達は部隊であって個だ。個だけなら動けるが群れになれば動けるもんも出来ねえ。なら」

「なら群れを統べる者を置く必要があるわね」

「それなら元船長。お願いしますね」

「うお、俺かい。」

「ふむ。何故君ではないのか聞いても」

「簡単です。僕は人に命令するのがなんとも苦手なんです。特に群れになれば尚更です。ならば上と繋がりのある元船長が適任かと」

「へへ。ガキ。自分を解っているのは良いことだが、それを克服するのも人生の勉強だぞ」

「ええそうですね。でもこの状況では年長の元船長が適任です。人生をこの場の誰よりも長く生きていますから。その知恵を貸してください」

「くはははは。ここで反論しても時間を無駄に消費するだけだしな。今回に限って俺が群れとやらを統率してやろう」

「有難うございます。では、二人の率いる人達とこれ迄の経緯を話してください。余り長くなりすぎないようにお願いします」

二人にお辞儀しました。

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