森の不穏
森を歩きながら、三人が次々と話しかけてくる。
「ねぇ、セレンは一人旅なの?」
ルクが聞いてきた。
「今はな」
俺は肩をすくめる。
「前までは仲間と旅してたんだけど、別れて一人になった」
「なんで別れたの?」
今度はカイトだ。
「特に理由ってほどでもないんだけどさ」
少し空を見上げる。
「俺だけでどこまで行けるのかなって思ってな」
「へぇー」
ガルドが腕を組む。
「動物好きなの?」
ルクが興味ありげに聞いてくる。
「まあな」
「だから動物の場所探してるの?」
「触れ合いもあるけど、俺の場合は、仲間探しだ」
「仲間?」
三人が首を傾げる。
「俺の職業、テイマーなんだ」
「テイマー?」
「動物とか魔物と一緒に戦う職業」
ルクが不思議そうに言う。
「でもセレン強いじゃん」
「動物いらなくない?」
「俺の場合は戦うためってより」
少し考える。
「行動するための仲間って感じかな」
「行動?」
「例えば鳥とかがいれば、敵の位置を教えてもらえる」
「なるほど!」
そんな話をしているうちに、森の奥へ着いた。
ルクが周囲を見渡す。
「そろそろこの辺なんだけど」
俺も辺りを見る。
「……動物いなそうだな」
カイトが首をかしげる。
「あれ?いない」
「いつもはもっといるのに」
ガルドも困った顔をしている。
「どこ行ったんだろ」
「一匹でもいればいいんだけど」
しばらく探していると、ルクが指をさした。
「あ、あそこ」
「こっちに少しだけいるよ」
そこにいた小動物に近づく。
俺はしゃがみ込んだ。
「ちょっと聞いていいか?」
動物に話しかける。
テイマーのスキル――
動物言語理解のおかげで会話は可能だ。
すると返ってきた答えは――
《森の奥に怖いやつが来た》
「……やっぱりか」
「どうしたの?」
カイトが聞く。
「この森に魔物が増えてるらしい」
三人が驚く。
「え?」
「しかも結構強いやつ」
俺は森の奥を見る。
「原因がいるな」
「原因?」
「群れにはだいたいリーダーがいる」
俺は立ち上がる。
「そいつを倒せば群れは散る」
ルクが言う。
「じゃあ倒すの?」
「まあな」
するとルクが手を挙げた。
「俺も行っていい?」
「いや」
俺は首を振る。
「みんなはここで待っててくれ」
「なんで?」
「ちょっと危ないかもしれない」
カイトが言う。
「僕たちも戦えるよ!」
「それでもだ、万が一がある」
ガルドがため息をつく。
「……わかった」
「よし」
俺は森の奥へ向かった。




