海戦本格化 ――仲間との連携―
港には怒号が飛び交っていた。
「東側の防波堤が危ない!」
「船を下げろ!」
「子どもを避難させろ!」
海面は荒れ、次々と魚型魔物が港へ押し寄せてくる。
その数は数十体。
「……多いな。」
セレンは剣を抜いた。
「ルク、ガルド、カイト!」
「「「おう!」」」
「今回は単独じゃない。連携で行く!」
三人は力強く頷いた。
そして――
ユキも前へ出る。
「クゥッ!」
(右から三匹来るよ!)
「了解。」
「右を任せる!」
「了解!」
ルクが一気に駆け出した。
狼の獣人らしい俊敏さで魚型魔物へ飛び込む。
「はあぁっ!」
一体。
二体。
素早く斬り伏せる。
しかし――
「ギャアアッ!」
海からさらに五体飛び出した。
「増えた!」
カイトが叫ぶ。
「ユキ!」
「クゥ!」
(左にも来る!)
「ガルド!左!」
「任せろ!」
巨大な斧を振り上げる。
ズガァン!!
魚型魔物がまとめて吹き飛んだ。
その隙にセレンは前へ。
「魔剣強化。」
淡い光が剣へ宿る。
派手ではない。
だが切れ味は一段上がる。
「行くぞ!」
魚型魔物へ斬り込む。
一閃。
二閃。
以前より明らかに剣が通る。
「やっぱり便利だな。」
魔剣強化。
派手な技ではないが、こういう戦闘では十分役に立つ。
すると。
海面が大きく揺れた。
「また来る!」
兵士が叫ぶ。
今度は十体近い群れ。
「囲まれる!」
その時。
「クゥ!」
(後ろの岩場!)
ユキが吠える。
「なるほど!」
岩場まで下がる。
「全員こっち!」
四人も後退する。
魚型魔物は一斉に突っ込んできた。
だが。
岩場のおかげで前からしか来られない。
「これなら数の利を消せる。」
セレンは笑う。
「ユキ、ナイスだ。」
「クゥ♪」
(えへへ。)
ルクも笑う。
「ユキって頭いいな!」
「クゥ!」
(もっと褒めてもいいよ!)
「ははっ。」
思わずセレンも笑った。
「よし!」
「ここで迎え撃つ!」
ルクが前衛。
ガルドが中央。
カイトが左右を援護。
セレンは状況を見ながら隙を突く。
四人と一匹。
見事な連携だった。
その頃。
港の兵士たちは驚いていた。
「あの冒険者たち……。」
「息が合いすぎてる。」
「まるで長年パーティーを組んでるみたいだ。」
魚型魔物は次々と倒れていく。
しかし――
巨大な黒い影がゆっくりと動いていた。
「……やっぱり来るか。」
魚型魔物は囮だった。
本命は――
あの巨大な魔物。




