港の攻防戦
「総員、配置につけ!」
兵士の声が港中に響き渡る。
漁師たちは急いで船を岸へ寄せ、街の人々は避難を始めていた。
海面では、魚のような魔物が次々と跳ね上がり、防波堤へと押し寄せてくる。
「数が多いな……」
セレンが短剣を握り直す。
《鑑定》を使う。
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シーファング
Lv18
鋭い牙を持つ魚型魔物。
群れで行動し、獲物を集団で襲う。
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「一匹一匹はそこまで強くない。でも数で押してくるタイプか」
ルクが剣を抜く。
「じゃあ、一気に片付けよう!」
「待て」
セレンは手を上げて止めた。
「バラバラに動くと囲まれる。」
「ルクは左、ガルドは正面を押さえてくれ。」
「カイトは後ろから援護。ユキは俺と一緒だ。」
「了解!」
狼獣人の三人は素早く持ち場へ散った。
ユキも「クゥ!」と鳴いてセレンの横に並ぶ。
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「来るぞ!」
海から十数匹のシーファングが一斉に飛び出した。
「ギャァァ!」
「ユキ!」
「クゥ!」
(うん!)
ユキが飛び出し、一匹へ体当たりする。
勢いを崩した魔物へ、セレンが短剣を振るった。
「はっ!」
《魔剣強化》で強化された刃が魚の鱗を切り裂く。
一匹撃破。
その直後、二匹目が横から飛びかかる。
「ファイア!」
小さな火球が飛び、魔物の顔に当たる。
大きなダメージにはならない。
だが一瞬ひるんだ。
「今だ!」
セレンは懐へ潜り込み、一撃で仕留める。
⸻
その頃。
「はあっ!」
ルクは素早い剣さばきで魔物を翻弄していた。
狼獣人らしい俊敏さで攻撃をかわしながら、一匹ずつ確実に倒していく。
「まだまだ!」
一方、ガルドは大きな斧を振り下ろす。
「どけぇ!」
ズドン!
一撃で二匹まとめて吹き飛ばした。
「さすが力持ちだな。」
セレンが思わず笑う。
⸻
しかし、海からは次々と魔物が現れる。
「まだいるのか……!」
カイトが叫ぶ。
矢を放つが、倒しても倒しても数が減らない。
兵士たちも苦戦していた。
「このままじゃ押し切られる!」
その時だった。
ユキが海の方を見つめ、耳をピンと立てた。
「クゥ……」
(なんか、へん……)
「どうした?」
ユキは海の沖を見つめたまま動かない。
セレンも視線を向ける。
波の向こう。
海面が、不自然に盛り上がっていた。
「……なんだ?」
次の瞬間。
ドォォォン!!
大きな水柱が上がる。
兵士たちが一斉に息をのんだ。
「まさか……!」
海の中から、巨大な触手がゆっくりと姿を現した。
それは、港に集まっていたシーファングたちよりも、はるかに巨大な魔物だった――。




