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元勇者パーティーのテイマー、魔物スキルを集めながら気ままに旅する  作者: 時雨りと


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共闘と遭遇

結局は、戦うしかない。


「ルク!横から行け!」


「了解!」


ルクが素早く横へ回り込む。


アーマーベアの注意がそちらへ向いた瞬間――


「今だ!」


俺は地面を蹴った。


短剣で斬りかかる。


だが。


ガキン!


「……硬っ!」


刃が皮膚で止められる。


まるで鎧だ。


アーマーベアが腕を振り上げる。


「避けろ!」


ドンッ!!


地面が大きく揺れる。


ガルドが後ろから叫ぶ。


「俺が行く!」


斧を振り上げ、思い切り叩きつけた。


ズドン!


だが、それでも深くは入らない。


「くそっ、固すぎる!」


カイトが叫ぶ。


「目とか狙えば!?」


「なるほどな」


俺は頷く。


アーマーベアがルクへ突進する。


「うわっ!」


「ルク、しゃがめ!」


俺は短く詠唱する。


「ファイア」


小さな炎の弾が飛ぶ。


威力は弱い。


だが――


目の前で弾けた炎に、アーマーベアが一瞬怯んだ。


「今だ!」


ルクが横から斬りつける。


ガルドが背後へ回る。


そして――


「これで終わりだ!」


ガルドが斧を振り下ろした。


ズドン!!


斧が首元へ深く食い込む。


アーマーベアは数歩よろめき――


ドスンと音を立て、巨体が地面に倒れこみ、森が静かになる。


「……勝った?」


カイトがぽつりと呟く。


「勝ったー!!」


ルクが飛び跳ねる。


ガルドはその場に座り込んだ。


「はぁ……疲れた……」


俺も息を吐く。


その時、肩の痛みが走った。


「……そういえば」


さっき斬られたんだったな。


俺はアイテムボックスからポーションを取り出す。


蓋を開けて傷口にかける。


ジュッ……


傷が淡く光り、痛みが引いていく。


「おぉ……」


ルクが覗き込む。


「すげぇ」


「ポーションだよ」


「便利だなそれ」


「まあな」


軽く肩を回す。


「よし、動くな」


カイトが笑う。


「回復早いね」


戦闘の後、少し森を歩く。


すると――


木々の隙間から光が差し込んだ。


その先には、大きな湖が広がっていた。


「うわ……」


ルクが声を漏らす。


「綺麗だな」


水面がきらきらと光っている。


俺達は湖の近くまで歩いた。


その時だった。


「……ん?」


湖のほとりで何かが動いたのが見えた。


その小さな影に近づいてみる。


そこにいたのは――


白い狼の子供だった。


「……狼?」


だが普通の狼じゃない。


毛並みは白銀。


体からうっすら魔力の気配がする。


俺は静かに言った。


「フェンリルの子だ」


三人が驚く。


「え!?本物!?」


よく見ると、足を怪我している。


血も出ており、警戒している。


だが弱っていた。


俺はゆっくりしゃがむ。


「大丈夫だ」


回復薬を少し傷にかける。


狼の子は逃げなかった。


じっと澄んだ青い瞳で俺を見ている。


まるで、こちらを観察しているみたいだ。


ルクが小声で言う。


「……懐いてない?」


「まだだな」


俺は首を振る。


「でも逃げないってことは、俺達のことを完全に敵とは思ってないみたいだ」


フェンリルの子は小さく鳴いた。


「クゥ……」


その声は、どこか弱々しかった。


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