森の強敵
音のしたと思われる場所に着いた瞬間、俺たちは足を止めた。
「……なんだあれ」
そこにいたのは巨大な魔物だった。
全身が硬そうな皮膚で覆われていて、まるで鎧のようだ。
「あれは、アーマーベアだ」
三人が固まる。
「アーマーベアって、強いの?」
「ああ、かなりな」
アーマーベアは森の中でも上位の魔物だ。
普通の冒険者なら数人で戦う相手。
ルクが小さく言う。
「どうするんだよ……」
「俺がアーマーベアをやる、お前らは危険だから逃げろ」
俺は腰に刺していた短剣を抜いた。
「鑑定」
すると、頭の中に情報が浮かんだ。
アーマーベア
Lv30
森に生息する大型魔物。
硬い皮膚を持ち、通常の攻撃では傷をつけにくい。
「マジかよ…」
想像より強いな。
「ひとりで戦うような敵じゃねぇけど、やるしかねぇか」
⸻
戦いはすぐに始まった。
だが――
「ぐっ……!」
流石に強い。
爪の一撃が重い。
俺は必死に攻撃に当たらないよう避けながら戦う。
だが突然――
ザシュッ
「ぐっ……!」
肩を切られた。
思わず膝をつく。
アーマーベアが腕を振り上げる。
「……終わりか」
覚悟した、その瞬間。
「セレン!!」
誰かが俺を引っ張った。
ルクとカイトだった。
「大丈夫!?」
「ちょっと離れるぞ!」
二人に支えられて距離を取る。
「なんでお前ら来たんだよ…」
俺は苦笑する。
「俺は、お前らに危ないから逃げろって言っただろ」
ルクが怒る。
「友達だろ!」
カイトも頷く。
「そうだよ、友達が困ってたり、傷ついてるときは、助けるの当たり前だよ!」
俺は小さく笑った。
「……ありがとな」




