続・ミアのお仕事_5
さて、俺たち3人はピラミッドの
さらに奥深くへとやってきていた。
途中、ぶにゅぶにゅしたアメーバのようなものや、
大きな花に生足が生えた気味の悪い魔物が襲ってきたが、俺とミアだけで十分対処できた。
カルボナは虫の魔物がいなくて少し悲しんでいた。
「ここがピラミッドの最深部らしいな。」
俺は手に持っている光石を頼りに周りを見回す。
最深部の部屋…つまりワイズに渡した古代魔法書が見つかった場所だが、
周囲は暗く、光がなければ先が見えないほどだ。
ちなみに「光石」とは、暗い場所で発光する石である。
基本的にランタンのような器具に取り付け、
持ち運びやすいようにしている。
「たしかこの辺に隠し部屋があるみたいだけど…」
ミアは手で壁をさすりながら周辺を探索する。
「おやっ。」
ミアが立ち止まり視線の先へ光石のランタンを近づける。
「なにかあったのか?」
俺の質問にミアが頷き、
「ここに窪みがあるんだけど…」
と言いながら壁にある窪みを押したり、ほじくったりしている。
ガコンっ
何かの仕掛けが解除されたような音がした。
ゴゴゴ…と音をたてながら壁の一部分が動き出した。
壁に奥へと続く階段が現れた。
「お、おぉ~」
カルボナはパチパチと拍手をしながら
感嘆の声をあげた。
「すごいな!まるでダンジョンみたい。」
「タロさん。ゾララ遺跡はダンジョンだよ。」
「あ、そうか…」
感動していた俺に水を差してきたミア。
しかし、初めてのダンジョンを体験している俺にとっては
胸を躍らせるには十分なシチュエーションだ。
「さっそく行きましょうか!」
俺は内心ワクワクしながら階段を降りて行く。
歩き出した俺の後ろをミアとカルボナもついてくる。
真っ暗な階段を一段一段、ゆっくり降りていく。
降りていった先には、ぽっかりと開けた広場が広がっていた。
周囲を確認しようと、光石で暗がりをぐるりと照らし出す。
整然と造られた広場の中央には、およそ不釣り合いな
大きな岩がゴロゴロと無造作に転がっていた。
「怪しすぎる…なんでこんなに岩が転がってるの?」
ミアはじっと岩を見つめながら、中央へと近づいていく。
「で、でもすごく綺麗な広場です…」
カルボナは壁や天井を照らし、刻まれた彫刻を眺めている。
しかし、俺はこの広場の異様な雰囲気に警戒感を高めていた。
「これ、岩なのかな…?」
岩を観察していたミアは、靴の先でコツンと岩を蹴る。
その瞬間、地響きが鳴り、転がっていた岩がぐらぐらと揺れだした。
中央にあったひと際巨大な岩が宙へ浮き上がり、鈍いワインレッドに光りだした。
その光に吸い寄せられるように周りの岩が集まり―――
やがて巨人のような人型へと変貌を遂げた。




