続・ミアのお仕事_1
俺とミアそしてカルボナの一行は、
ゾララ遺跡にやってきている。
遺跡と呼ばれるゆえんか、
そこは遥か昔に文明が滅び、そのまま
時間が止まったような空間であった。
あたり一面草木で覆われており、
石畳はあるが、石と石の隙間からは
草が長く伸び生えている。
視界の端々に見たこともない昆虫が
飛び回っている。
「草ボーボーで虫だらけ。
こんなとこに女の子行かすなよって話だよねー。」
ミアはぐちぐちと不満を垂れている。
隣を歩いているカルボナは「はあ」と
戸惑いながら返事している。
しばらく歩くと建造物が見えてきた。
台形ピラミッドのような巨大な遺跡である。
無数もの石を積み上げて建てられたもので、
壁面には古代文字らしきものや、様々な人間や
魔物らしき絵が一面に彫られている。
「このピラミッドは中に
入れるようになってるんだって!」
ミアが振り返り報告してくれる。
「この中にあの魔法書があったんですね?」
俺はカルボナに質問すると
「は、はい。そ、そのようです…」
おどおどしながら答えてくれた。
やはり彼女は人と話すのが苦手らしい。
道中もこちらからいろいろ話を振ってみたけれど
ぎこちない返事が返ってくるだけだった。
「ちなみにカルボナさんは、おいくつなんですか?」
「ちょいとタロさん。レディに失礼ですよ。」
ミアがすかさず苦言を呈する。
「あ。たしかに女性に年齢を聞くのは…」
「い、いくつに見えますか…?」
「い、いく…」
まさかの質問返しに驚き、言葉に詰まる。
ミアも驚いた表情でカルボナを見ている。
今までの会話はキャッチボールというより、
こちらが投げたボールを怖がって避けられていた
印象だった。
カルボナから初めてボールを投げ返してくれたので、
俺とミアは驚いてしまったのだ。
「え〜、ちょっと待ってね!
カルボナいくつぐらいだろうな〜!」
ミアは嬉しそうに隣を歩くカルボナを観察する。
会話ができてテンションが上がってるようだ。
「タロさんわかる?」
「いや〜俺たちと同じぐらいの感じだけど…
でもカルボナさん役職が主任だから年上…かな?」
「え〜?そうかなー?
カルボナ顔がよく見えないから難しいな〜」
ミアは上下左右からカルボナの顔を観察している。
「カルボナ、ちょっと前髪上げてみてよ。」
ミアがお願いした途端にカルボナは、
脱兎のごとくその場から跳び逃げた。
「ど、どうしたんですか?」
木の後ろに隠れたカルボナに質問すると、
「か、顔は勘弁して、ください…」
震えた声で答えてきた。
顔を見られるのは恥ずかしいらしい。
なんだか縮まった距離が
またひらいてしまった気がした。
そんなこんなでピラミッドの入り口までやってきた。




