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ミアのお仕事_3

事務机の前に、閑談などをするために備え付けられたローテーブル。

それを挟むようにして置かれた二人掛けのソファに、

俺とミアは腰を下ろしている。


向かいのソファに座っているヒゲのお爺さんが、

「ミア殿ぉ。例の魔法書を早く見せてくれんかの?の?」

とウキウキしながら目を輝かせている。


「ジイさん。ちょっと落ち着きなよ。」

そう言って、ミアは俺の肩に手をおき、

「まずは紹介させてほしいんだけど、

隣にいるのは付き添いで来てくれた冒険者タロっていうんだ。」

お爺さんに紹介してくれた。

「はじめまして。タロです。」

俺はソファから立ちあがり会釈する。

お爺さんはじっと俺の目をみつめ、すこし間をおいてから

「…おぬし、何者じゃ?」

と小さくつぶやいた。


「何者…いや、ただの冒険者です。」

凝視してくる目に戸惑いながら答えると、

ミアもいぶかし気に俺とお爺さんを交互に見る。

「どうしたジイさん。何かタロさんに変なとこでもあるの?」


ゴホンと咳ばらいをひとつしたお爺さんは

「すまん。次はこちらが名乗る番じゃな。

ワシは王立魔法研究所の研究長を務めておる『ワイズ』という者じゃ。」

と自己紹介をしてくれた。


「ワシには『魔力探知』という能力があるのじゃが、

おぬしから溢れ出てくる魔力にドン引きしておったのじゃ。」


ワイズはミアに目を向け、

「ミア殿。このタロという者はこれほどの魔力を持つ冒険者であるのに

なぜワシの耳に名が知れ渡ってこなかったのじゃ。」

不思議そうに質問する。


「まあ、タロさんはちょっと変わった事情で

最近この世界にやってきたんだよ。」

「変わった事情?」

ワイズがこちらを見る。

「あの…なんというか、別の世界からこちらの世界にやってきた者でして…」

と俺が答える。

「別の世界?」

ぽかんとしたワイズに、俺がこの世界に転生された経緯を伝えた。


話を聞き終えたワイズは難しい顔をして「ふむ」と考え込む。

「たしか古い文献にそのような話が記載されていたと思うのじゃが…」

「えっ?過去にも俺のような境遇に遭った人がいたんですか?」

「うむ。そのような者を『迷い人』と呼んでおった。」

「迷い人…」

昔の時代にも転生者がいたのか…

その転生者にすこし興味がわいた。


「そうじゃタロ殿。魔力測定をしてみんか?」

「魔力測定?」

「そうじゃ。おぬしの中にある魔力を可視化できるんじゃよ。

おぬしのそのあふれ出る魔力に興味がある」

「いいじゃんタロさん。見てもらったら?」

ミアは嬉しそうに俺の背中を叩く。


魔力測定。ワイズさんが言うには、

俺には魔力があるらしい。

もしかしたら魔法が使えるかもしれない!

そんな期待を抱いていた。

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