第四章⑤ 秀才の青年
ルキフェルはコリンを抱えたまま、甲板に足を踏み入れた。海風が頬を撫で、波のさざめきと帆のはためく音が混ざり合う。初めて見る広大な海に、コリンの瞳は驚きと興奮で大きく見開かれていた。
「す、すごい……! こんな場所、初めて……」
コリンはルキフェルの胸に顔を寄せながら、恐る恐る尋ねる。
「これから、どこへ行くの?」
ルキフェルは少し肩をすくめ、笑みを浮かべて答えた。
「ウェールズだってさ。俺たちもよく知らないんだ」
ルキフェルがコリンを抱きしめたまま、エドガーの号令が甲板に響く。
「出航!」
帆に風が乗り、船体がゆっくりと動き出す。波しぶきが甲板に打ち付け、潮の匂いが鼻腔をくすぐる。コリンの小さな胸は期待と緊張で高鳴った。ルキフェルはコリンをそっと降ろした。
「波、すごい……」
「そうだな。でも大丈夫だ。俺たちがついてる」
船は次第に港を離れ、青い海原へと滑り出していく。風を切る音、帆が膨らむ音、波が船体を撫でる音が新鮮で心を震わせた。コリンは甲板の手すりにしがみつき、遠くに広がる水平線を見つめていた。
「行く先には、きっと新しい出逢いが待ってる」
ルキフェルは自分自身にも言い聞かせるように呟いた。帆は風を受け、波が高く立ち、海面が光を反射して銀色に輝く。コリンは初めての航海に目を輝かせながらも、荒波の迫力に少し身を縮める。
「大丈夫、怖がるな」
ルキフェルが囁く。コリンは小さく頷き、しっかりとルキフェルの腕にしがみついた。船は荒波を越え、次第に落ち着いた海域へと入り、天候も穏やかになっていく。航海の疲れを微塵も見せず、船員たちは帆の整備や船体の点検に忙しく動き回っていた。ルキフェルは彼らの様子を見て、改めて彼らの腕前と団結力に感嘆する。
やがて、ウェールズの海岸線が視界に入った。カーディフの街は遠くに見え、港には近づかず、少し離れた入江にエドガー海賊団の拠点があることが分かる。海面の色は穏やかで、波もやわらかく船を迎え入れるかのように揺れていた。フランソワが甲板の先端に立ち、ルキフェルたちに声をかける。
「もうすぐだ。ここからは陸が見えるぞ。お前たち、気を抜くな」
ルキフェルはコリンの肩に手を置き、頷いた。コリンもまた初めて海を越えて新しい土地に到達する高揚と、不安とを同時に抱えながら目を輝かせた。船はゆっくりと入江に接近し、荒波の脅威を越えた安心感の中で、エドガー海賊団の拠点が視界に収まる。そこには木製の波止場と小屋、整然と停泊する数隻の船が見え、団員たちの生活が始まっていることがうかがえた。
「ここが、エドガー海賊団の拠点か」
ルキフェルは呟きながらコリンの頭を軽く撫でた。コリンは置かれた手に対して不満げに目を細めてルキフェルを見上げた。
「イングランド海軍の奴らがオレたちを飼い犬だと思ってるなら、そいつは大間違いだ」
エドガーは甲板の中央で言い放ち、右手に握った羊皮紙を高々と掲げた。それは王室から下賜された私掠免状——海賊行為を合法化する代わりに、王冠へ忠誠を誓うという契約の証だった。
「オレはこれを、ビリビリにしてきてやる!」
エドガーの声に船員たちは「おおっ!」と雄叫びを上げ、どよめきが起きた。フランソワはいつもの軽口も見せず、真剣な顔でエドガーの背を見つめている。
「お前、本当にやるのかよ。戻ってこれなくなるぜ」
「戻る気なんざ、最初からねぇさ」
エドガーは笑い、外套の裾を翻した。その後、エドガーは雇われ用心棒のふりをするフランソワと護衛としてジャスパーを同行させた。
残されたルキフェルとマテオは、コリンの面倒を見ながら拠点で待機することになる。入江は険しい岩壁に守られた天然の要塞のような場所だった。波打ち際には木製の桟橋が延び、そこから細い道が崖の中腹へと続いている。崖の上には数棟の小屋が並び、煙突からは白い煙が立ちのぼっていた。潮風に混じって、焚き火の香りが漂う。船から降りたルキフェルは、深呼吸をして潮の匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。
「……ここが自由の入り江か」
マテオが笑いながら肩をすくめる。
「ま、名前ほど綺麗なもんでもねえけどな。あっちの小屋、寝床になってる。奥は倉庫。飯は焚き火のそばで自炊だ」
コリンはきょろきょろと辺りを見回した。粗削りな木造小屋の間を、海賊たちが笑いながら行き交う。中には大きな樽を担いでいる者もいれば、船板の修繕をしている者もいる。荒々しいが、そこには秩序と活気があった。ルキフェルとマテオは拠点の端、海がよく見える崖の縁に腰を下ろした。下では波が岩に砕け、白い飛沫を散らしている。
「なあ、マテオ。あの人、本当に海軍相手にやり合うつもりなのか」
「さあな。でも、あいつならやるさ。たぶんもう逃げ道なんて考えてねぇ」
「……だよな」
二人の会話を聞いていたコリンは、焚き火の前で膝を抱えて小さく呟く。
「ルキフェル……あの人、フランソワ、帰ってくるかな」
ルキフェルはゆっくりと笑みを浮かべ、コリンの髪を軽く撫でた。
「帰ってくるさ。あの人が海を裏切るわけない」
彼の手の温もりが、コリンの頭に少しの間だけ留まるが、コリンは小さく手を伸ばして、ぺしりと払いのけた。驚いたルキフェルが目を瞬くと、コリンは膝を抱えたまま、炎の揺らめきの向こうでむっと口を尖らせる。
「子ども扱いしないでよ。こう見えて十二だから。頭だって悪くない」
マテオがくつくつと笑い声を漏らした。
「おいおい、こいつは筋金入りのガキだな」
「ガキじゃない!」
すかさず言い返すコリンにルキフェルは苦笑しつつ、肩をすくめた。
「悪かったよ。ただ……そうだな。お前の歳を聞いたの、これが初めてかもな」
「言ってなかったし」
「なるほど。言わない主義か」
「……別に隠してたわけじゃないけど」
焚き火の明かりが、三人の間に淡い橙色の影を落とす。マテオは火に串をかざしながら、肉を返した。香ばしい匂いが辺りに広がる。
「ま、歳なんて関係ねえさ。ここじゃ誰だって腹が減るし、誰だって働く。なあ、ルキフェル?」
「ああ。生きてる限り、やることは変わらない」
ルキフェルは穏やかな笑みを浮かべながら言い、再びコリンの方を見た。
「お前も明日から少し手伝ってくれ。船の上じゃ年齢関係ないからな」
「……手伝い?」
「そう。ロープの結び方から覚えようか。あれは頭が良くないと覚えられない」
コリンは小さく瞬きをし、それから炎の明かりを反射させた瞳でルキフェルを見上げた。
「……いいよ。やってみる」
「お、やる気だな」
マテオが笑い、肉を皿代わりの木板に乗せた。
「まずは腹ごしらえだ。船の訓練は満腹じゃないと始まらねえ」
コリンは小さく笑いながら木板を受け取った。焚き火の炎がその横顔を照らし、彼の頬にわずかな生気が宿る。入り江には潮騒と笑い声が混じり、初めて兄弟に似たぬくもりが生まれていた。
夜は思いのほか穏やかに過ぎる。焚き火がいつしか消え、三人は寄り添うようにして眠っていた。マテオの背にもたれるようにしてルキフェルが眠り、コリンは二人の間に挟まれて、かすかな寝息を立てていた。夜明け前の空が白み始める。
潮騒と共に吹き込む冷たい風に、ルキフェルが目を覚ました。目をこすりながら外へ出ると、水平線の向こうにはまだ帆影ひとつ見えない。おかしい。もうとっくに帰ってきてもいい頃のはずだ。彼は無言で外套を羽織り、フードを深くかぶった。その気配に気づいたマテオが半目を開けたまま低く呟く。
「……ルカ、どういうつもりだ?」
「行く」
「行くって、どこに?」
「フランソワたちのところだ。いくらなんでも遅すぎる」
マテオは寝ぼけ眼のまま身を起こし、髪をぐしゃぐしゃにかきながら呆れた顔をした。
「はあ? いやいや、あいつらを信じてここで大人しく待とうぜ。それに、どこへ行ったのかも分からねえだろ」
ルキフェルは息を吐き、フードの奥から冷静な声で言い返す。
「分からないなら、探せばいい」
「おいおい……つまり計画性ゼロってことかよ」
マテオは頭を抱えながら苦笑する。
「頼むから、もうちょっと考えてから動けよ。オレの胃がもたねえ」
「心配性だな」
「お前が無鉄砲すぎんだよ」
二人のやり取りを、まだ寝ぼけた顔のコリンがぼんやりと見ていた。
「……もう朝?」
「悪い、起こした」
ルキフェルが言うと、コリンは小さく首を横に振った。
「いいよ。どうせ寝てても、なんか嫌な感じしてた」
少年の言葉に、ルキフェルはわずかに眉をひそめる。風の匂いが変わっていた。海の向こうで、何かが起きている。
「マテオ、悪いけど付き合ってくれ」
ルキフェルが短く言うと、マテオはため息をつきながらも立ち上がった。
「ったく……お前が行くなら、オレも行くしかねえだろ」
「助かる」
二人のやり取りを見ていたコリンは、きゅっと拳を握った。
「ぼくも行く」
ルキフェルが驚いたように振り返る。
「お前はここで待ってろ。外は危ない」
「分かってる。でも、じっとしてるほうが落ち着かないんだ」
コリンの声はまだ幼さを残していたが、その目には強い意志が宿っていた。ルキフェルはしばし黙り込み、やがて頷いた。
「……いいだろ。ただし、危なくなったらすぐ俺の後ろに隠れろ」
「うん」
三人は最小限の荷をまとめると、外に出た。まだ太陽は海面の端に沈み、世界は灰色に染まっている。潮の匂いと、昨夜の雨が残した湿り気が肌に纏わりつく。拠点の裏手にある岩壁を抜けると、小道が港へと続いていた。足元に散らばる貝殻を踏みしめながら、三人は無言のまま歩く。遠くではカモメの鳴き声がこだまし、眠りの浅い街の気配が次第に動き始めていた。
「ルカ」
マテオが低く呼びかける。
「お前、どこまで行くつもりだ?」
「とりあえず港の方へ。エドガーがあいつらと会ってるなら、あそこしかない」
「なるほどな。……で、もし何かあったら?」
「その時は戦うだけだ」
あっさり言い切るルキフェルに、マテオは苦笑した。
「ほんと、お前のそういうとこ嫌いじゃねえけどさ……胃が痛え」
コリンは二人の後ろを歩きながら、二人の背中を交互に見つめていた。やがて三人は港沿いの石畳に出た。朝霧の中、係留された船のマストが並び、その間を海風が通り抜けて帆を鳴らす。波止場には早起きの漁師たちが網を引き上げ、魚の匂いが漂っていた。
「この先に行けば、きっと何か分かる」
マテオが呟き、コリンは少し背伸びをして歩くと、ルキフェルが歩調を合わせて彼の隣に並ぶ。
「コリン、あんま離れるな」
「危ないからって子ども扱いしないでよ」
ルキフェルが苦笑する。
「はいはい、立派な十二歳だ」
「そう言いながら頭撫でるのやめてくれない?」
コリンにぱしり、と手を払いのけられて、ルキフェルは肩をすくめた。そのやり取りを振り返って見ていたマテオが吹き出す。
「ははっ、いいじゃないか。ルカが人を撫でるなんて滅多にないぞ?」
「うるさい」
「ルカがそう言うってことは、気に入られてるってことだな」
「……べつに、そういうわけじゃ」
マテオは満足げにニヤリと笑い、ルキフェルは小さく息を吐いた。束の間、三人の間にあたたかい空気が流れる。だが、その和やかさは突然、港の奥から響いた怒号によって断ち切られた。
「おい、待て! 逃げるな、この野郎!」
「鎖を持ってこい、逃がすな!」
乱暴な声とともに何かを叩くような音が続く。三人は反射的に顔を見合わせ、物陰に身を潜めた。
ルキフェルが荷積み用の樽の陰から覗くと、数人のイングランド海軍の兵士たちが、鎖や棍棒を手に一人の青年を取り囲んでいる。青年は身なりこそ粗末だが、まだ少年の面影を残す顔で必死に逃げようとしていた。マテオが息を呑む。
「なあルカ……あれ、もしかして……」
ルキフェルは険しい目でその光景を見つめ、低く答えた。
「ああ……徴募隊だ」
彼の脳裏に、エドガーが話していた港町の噂がよぎる。
イングランド海軍は人手不足を補うため、酒場や路地裏で若者を攫い、無理やり船員として連れ去る。抵抗すれば鎖で縛られ、容赦なく殴られる。
潮風の中で、鎖が打ち鳴らされる音がやけに冷たく響いた。マテオの拳がわずかに震え、コリンは息を詰めて青年を見つめている。ルキフェルは状況を見極めながら、次に取るべき行動を考えていた。
取り囲まれた青年は金髪に碧い瞳を持つ、どこか品のある顔立ちをしていた。まだ十代の終わりか、二十になる年齢。必死に抵抗してはいるものの、数人の兵士たちが鎖を絡め、腕をねじ伏せようとしていた。
「離せ! 僕は──!」
青年の叫びは荒波にかき消され、鎖の音が鋭く響いた。兵士のひとりが唇を吊り上げた。
「逃げられると思ったか、坊主。船に乗りゃあすぐ慣れるさ、海の地獄にな」
棍棒が振り上げられる。青年が顔を顰めた瞬間、物陰からルキフェルの低い声がした。
「……なあ、マテオ」
マテオが眉を上げる。
「久々に暴れたいか?」
一瞬の沈黙のあと、マテオの口元に不敵な笑みが浮かんだ。
「もちろんだ。お前と一緒なら、なおさら」
ルキフェルもまた片唇を吊り上げて笑った。
「じゃあ決まりだな。ただし──血は流すなよ」
言葉が終わると同時に、二人は影の中から飛び出した。兵士の一人が振り返るより早く、ルキフェルの足が地面を払う。流れるような動きで相手の重心を崩し、手首を取り、肘を極めて倒す。身のこなしは舞うようでありながら、太極拳特有の柔と剛が絶妙に混じっていた。一方のマテオは、義手の拳を容赦なく振り抜く。鉄のような衝撃音が響き、兵士が二人、三人と吹き飛ぶ。殴るたびに金属の軋む音が混じり、周囲の空気を震わせた。
「ルカ。手加減しすぎじゃないか?」
「お前が荒っぽすぎるんだ」
「だからバランス取れてんだろ?」
「……確かに」
あっという間に鎖を持った兵士たちは地面に転がっていた。ルキフェルは淡々と立ち上がり、服についた砂を払い落とす。マテオは肩を鳴らし、義手の表面を軽く叩いた。
「……で、次は?」
「まずは、彼に話を聞こう」
そう言ってルキフェルは、なおも荒い息をつく金髪の青年のもとへ歩み寄る。鎖を払いのけ、青年は地面に膝をついたまま荒い息をついていた。
ルキフェルは彼の前に立ち、じっとその姿を観察する。服は粗末で、旅の埃にまみれてはいたが、肩口や袖に施された細やかな金糸の刺繍がどこか上流の趣を感じさせた。素材もまた、この辺りの漁師や労働者が身に着けるものではない。
「……この辺の人間じゃないな」
ルキフェルは低く呟き、慎重に言葉を選びながら口を開いた。
「俺の言葉、分かるか?」
青年は一瞬目を見開き、ぽつりと呟いた。
「あ……カスティーリャ語……」
その声には懐かしさと安堵が入り混じっていた。マテオが眉を上げて笑う。
「お、オレたちの言葉が分かるのか。お前、頭良いんだな」
青年は少し戸惑いながらも頷いた。
「すこしだけ……聞き取りは、できる。君たち、海の……ひと?」
ルキフェルは一瞬だけマテオと視線を交わし、答えずに微笑む。
「名前を聞かせてくれ」
青年は一瞬、何かを迷うように視線を伏せ、唇を震わせた。遠い過去の、まだ血の匂いが残る記憶が脳裏を掠める。やがて、彼はゆっくりと息を吐いた。
「……ニール。ニール・セイルハート」
その名を口にした瞬間、彼の瞳に浮かんでいた迷いがすっと晴れた。ルキフェルは口の端をわずかに上げ、手を差し出しながら言った。
「いい名だ。……風に向かって進みそう」
青年——ニール・セイルハートは微かに笑った。その笑みはどこかぎこちない。彼の髪を揺らす潮風の中に、微かな再生の匂いが漂っていた。ニールは少しの間ためらってからルキフェルの手を取った。
「君たち……何者なんだ?」
「海の連中さ」
ルキフェルは肩をすくめて言う。
「俺たちも、海で生き直した奴らだ」
ニールは驚いたように目を細め、しばらく黙ったままルキフェルを見つめていた。青い瞳の奥には、言葉にならない共感が宿っていた。失った者同士にしか分からない、静かな痛みの共鳴。その時、港の奥から聞き覚えのある声が突如響いた。
「あ、おい! ルキフェルたちじゃないか!」
ルキフェルが声のする方を向くと、赤髪を風に靡かせながらジャスパーが駆けてきた。足取りは軽快だが、声には怒気と焦燥が混じっている。
「バカちんが! なんでここ来ちゃったの!」
ジャスパーが息を切らしながら怒鳴ってくる。
「おお、生きてたか。どうしたんだー?」
マテオが手を上げて応え、笑みを浮かべた。
「お前ら、今すぐ戻れ! エドガーの野郎、宣言通りイングランド海軍の奴らの目の前で私掠免状をビリビリに裂きやがって! ほら、すぐ出発だよ!」
ジャスパーとマテオが先行して港沿いに駆け出した。ルキフェルはしばし物陰に立ち、息を整えながら周囲を見渡すと、物陰で縮こまっていたコリンに目を向けた。
「走るぞ。ついてこい」
コリンは頷き、ルキフェルの後ろについた。二人が港に向かって走り出そうとした瞬間、二人の背後から慌てた声が響く。
「待って!」
ルキフェルが振り返ると、ニールが少し息を切らしながら立っていた。
「僕も、ついて行っていいかな?」
ルキフェルは微笑みを浮かべ、力強く答える。
「もちろん。ここで会ったのも何かの縁だ。ついてこい」
ニールは頷き、ルキフェルとコリンの後に続く。
三人は港を駆け抜け、港の喧騒や兵士の声を背にしてカーディフの入江を目指して走り去った。




