0033 過去
「やっぱり、シグマの魔力量は膨大で、結界士として最大出力を出すと天才らしい!存分に暴れてこいよ!」
「シグマ、食べたい物は持つ無いか?私が作ってこようか?」
「今日はパーティーだって!国立の結界士に受かった人がこの村から出たんだ!しかも一発で!」
「みんな、大袈裟だな。」
シグマはみんなに祝福され、幸せそうだった。
それは、3日間続いた。
3日後だった。
「おーい!魔人の群れが村に近づいているぞ!」
「皆で避難したほうがいい!みんなで谷を越えるぞ!」
シグマはこう言いきった。
「オレが結界を村全体に作る!足の速い者は町まで兵士の応援を呼んできてくれ!」
しかし、兵士が来たのは5日後で、村に結界を張り続けていたシグマは3日間で魔力切れになった。
影に隠れて、震えながらシグマは思った。
「オレのせいだ。オレがこんなこと言わなければ皆避難出来たのに!」
炎に蹂躙されていく村。
誰かがシグマの首根っこを捕まえて、走り出した。
片手には、今魔物を屠っていた刀剣。
「ちんたらするな!走れ!」
シグマを引きずって、少年は刀剣を振るう。
「でも、オレは!」
後方から弾かれた魔物を刀剣で突いた。
「とにかく走ってくれ!」
その少年は教会の中に入ると、シグマにこう言った。
「ここはふさぐ!入口に結界を厚く張ってくれ!」
自分ほどの丸太を軽々掲げると、入口に切り株を置いた。
「何してるの?」
「早く!」
5日後、教会の中に入っていた兵士たちは、集中して結界を張るシグマとその後ろで豪快に寝るミストラを生存者として、帝国の冒険者として招き入れることとなる。




