0029 ランク
「ミストラ、魔物は冒険者ギルドに登録できるん、だっけ?」
「うなことオレに聞くな。」
「でもついてきてるよ!何か角生やした男の子と美少女が!」
「オレは前から角あったけどな。」
コクコクと津々良が答える。
どうすんだよこれぇ!と静かに自分の中にて突っ込むと、シグマが冷静に答えた。
「そういえば、名前、バンチスタはバレるんじゃないか。おまえ本に記載してたし。」
「どうすんだよこれぇ!」
「あ、じゃあ、簡単にバンチスタはチスタで、津々良ちゃんはツツラちゃんでよくね?」
「三文字にしただけじゃん。」
「津々良、いいか。ツツラで。」
フルフルと首を動かす津々良ちゃん。
「じゃあ、オレはチスタで、津々良は津々良でいい?」
コクコクと首を動かす津々良ちゃん。
「まあ、人になったんだから、魔物だってバレなくねえ?」
「そうだな。そういう法律はなかったはずだ。」
「シグマが言うと通っちゃうから怖いんだよ。」
私が涙目で言うと、シグマは少し考えて言った。
「アルトール帝国の法律事典でも、その表記はないな。」
シグマは魔法書を一暗記するぐらいの記憶力の持ち主で、今はユニークスキルに頼っているが、魔法士としてはかなりの実力だ。
「まあ、オレらSランクだから、そういうとこ通っちゃうし。」
冒険者ギルドのランクはSからGまである。一番低いのがGランク。全てはギルドへの貢献度で決まる。そこは意外とベタなのだ。
「え?じゃあ、私たちはGランクから何ですか?」
「行けばわかるよ。」
ミストラが入口についた。
「では、このガイドブックにしたがって、行動してください。お二人の職業は、チスタさんが魔法士で、津々良さんが結界士。レベル1からのスタートとなります。ランクを上げると、行ける場所もたくさんできますので、頑張って下さいね!」
ギルドのお姉さんが、二人に通行証を渡す。
アルトール帝国では、町も草原もランクで行ける範囲が違う。ランクが上がると、行ける店も広がるので、何かやりたい時はランクを上げるのが通行点となる。
職業別に範囲も違うので、一緒にいけない場所もしばしば。もちろん年齢は12才以上と決まっているのだ。このアルトール帝国では、職業がその年で決まる。
「えと、本当の年齢は?」
「レデイに年齢を聞いてはいけないとロクロスからきいています。」
チスタがぶっきらぼうに答えた。津々良は通行証を宝石を見るような目でみていた。
「まあ、説明は分かりました。で、津々良といける範囲を教えてほしいのですが。」
チスタが言うと、今度は津々良がガイドブックを開いて食い入るように見つめる。
「そうね、魔法士と結界士なら、そんなに違いはないわね。ちなみに私はDランク。剣士だけど、Gランクってものすごいいけるとこ狭いから。」
「ああ、じゃあ、ほとんど一緒にいけるんですか?」
シグマが言った。
「うん、とりあえず武具でも見るか?Gランクで行ける店なら知ってる。」
「さあ、津々良。冒険者の道を出発だ!」
チスタと津々良は手を取った。
ダンジョンに潜ったら、最初の難関に突入した。
二人が強すぎた。




