7.味方
久しぶりにすみれに会ったすみれは、松浦君に
告白して、見事に玉砕してしまっていた。
でも、私の話を聞くと、
「何とか、バスの運転士の知り合いを探して、
大島透さんについて、聞いてあげる。」
と言ってくれた。でも、そんなに都合よく
知り合いなんているのだろうか。
ところが、しばらくしてすぐに、すみれから連絡が
あった。すみれの知り合いの同級生に
バスの運転士がいたのだ。さすがすみれだ。
「大島透さんには、彼女はいないけど、子供が2人
いるそうよ。」
「えっ。」
すみれの調査結果は、私の予想の上をいってしまった。
まさか、そんな答えがあるとは、思ってもいなかった。
すみれの返答を聞いて、進むのか、戻るのか決めようと
思っていた。
彼に、奥さんか彼女がいたら、きっぱりと諦める。
もし、どちらもいなければ、もっとアプローチする。
そう思っていた私は、前にも後ろにも行けずに、
立ち止まって、動けなくなってしまった。
それから2週間が過ぎた。
いくら考えても、答えは出ない。「やはり、会ってみる
しかない。会ってみたら嫌な人かもしれないし、いい人
だったら・・・その時考える。」と心を決めた私は、
すみれの人脈を使って、大島さんと会えるように、
段取りをしてもらうことにした。
最初は2対2で会おうかという話もあったが、それは、
私が断った。クリスマスパーティーの時みたいに、
複数人になってしまうと、聞き役になりがちな私は、
結局うまく話せなくなってしまうからだ。
そこで、二人が休みの時に、私が朝、通勤で乗車する
バス停に、大島さんが、自分の車で迎えに来るという
話に決まった。
そういえば、バスの営業所の近くを通った時、
バスの運転士さんの自家用車かな、と思われる車が、
たくさん止まっている所があった。
一番目を引いたのが、黄緑色の普通自動車だった。
あの車が、大島さんの車だったら、嫌だなあと思った。
その隣に、黒い軽自動車があって、あれが大島さんの
車だったらいいなあ、と思った。いったい大島さんは、
どんな車で来るのだろう。
続きは、3月16日(月曜日)に投稿する予定です。




