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25.セレモニー

 私達は、お金があまりなかった。

でも、ウエディングフォトを撮りたかった。

何処に行けばいいのか分からなかったので、

とりあえず、レンタル衣装のお店に行った。

ウエディングフォトを撮りたい、と相談すると、

値段表を見せられた。

値段によって、選べるドレスが違うのだ。

しかし、ウエディング用はどれも高価で、

とても頼める額ではなかった。

「お金がないので、もっと安いのはありませんか。」

困った様子で私が聞くと、

スタッフの優しそうな方が、ううーんと考えた後、

「以前は、ウエディングドレスとして、

 貸し出していたもので、

 型が古くなり、

 普通の貸し出しドレスに変更したものは、

 どうですか?

 それだったら、安く貸せます。」

と、言ってくださった。

「それでいいです。」

私は飛びついた。

安く借りられるのなら、なんでもよかった。

だから、自分でドレスを選ぶという事はなかった。

一択だった。

少し不安はあったが、

もとはウエディングドレスだけあって、

フリルがいっぱいの、可愛いドレスだった。

私の衣装は、

出されたその白いドレスに決まった。

透さんは、

前の結婚式の時、白っぽい衣装だったので、

今度は、黒っぽい衣装がいいと言っていた。

男性の衣装は、女性の衣装に比べると、

それほど高くはない。

だから、好きな物を選んでもらっていいと思っていた。

それなのに、透さんは、私に合わせて、

一番安い、黒の衣装に決めていたのだ。


 撮影は、結婚式場だった。

それぞれ、メイクとヘアアレンジをして、

衣装に着替えた。

姉達の結婚式では、姉達はすごいメイクをして、

誰だか分からないくらい綺麗になっていた。

当然私も、そうなるものだと思っていた。

ところが最近は、

ナチュラルメイクが流行っているらしく、

いつもとさほど変わらなかった。

二人で、撮影場所に向かおうとしていた時、

「二人は、結婚式は挙げないんですよね。」

と、案内のスタッフの方に、聞かれた。

「はい。」

と答えると、

「それなら、式場に、二人だけで入れてあげる。」

と言って、予定になかった式場に、

二人だけを入れてくださった。

二人だけになった私達。

私達は、部屋の前方に進んだ。

透さんは、そっと私の手を取った。

見つめあった。

「私達は、今から夫婦になります。」

透さんが、宣言しれくれた。

それからそこで、指輪の交換をした。

神前でもない、仏前でもない、人前でもない、

二人だけの結婚式。

これが、私達の結婚式だ。

そしてその日が、私達の結婚記念日になった。

続きは、7月20日(月曜日)に投稿する予定です。

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