24.ダイヤモンド
家探しと同時に、私達は、結婚の準備も進めていた。
入籍のため、婚姻届けを役所を取りに行って、
二人でサインをした。証人が二人いる。
私の親に頼む事はできないので、
それぞれの親友に頼む事にした。
もちろん、私の証人はすみれだ。
快く承諾してくれて、サインを書いてくれた。
透さんの証人は、和樹さん。
小学校からずっと仲良しの大親友だ。
私たちの実情をよく知っていて、
陰ながら、いつも応援してくれていたのだ。
和樹さんは、お花屋さんをしていて、
小さな花束を持って来てくれた。
「おめでとう。」
と言って渡された、その可愛い花束は、
まるで、ブーケみたいだった。
そして、証人の所にサインしてくれた。
和樹さんが、丁寧に書いてくれた文字は、
見たこともないくらい美しくて、
今までの透さんの苦労を知っているだけに、
本当に喜んでくれているように感じた。
結婚指輪も買いに行った。
プラチナでできていて、
上下のふちに、細いゴールドのラインが入った、
指輪を選んだ。
サイズ合わせと、
日付・二人のイニシャルの刻印を、頼んだ。
「まいに、ちゃんとした婚約指輪を
買ってなかったから、買ってあげる。」
と言って、透さんは、ダイヤの指輪を選び始めた。
私は、前に買ってもらった、
サファイアのリングで十分だったので、
ダイヤの指輪が欲しいと、考えた事もなかった。
でも、透さんは、
「どうしても、買ってあげたいんだ。」
と言って、ある指輪を選んだ。
「これは、粒は小さいけれど、
品質が良いので、これにするね。」
それは、0.3カラット・カットExcellent・
カラーD・クラリティVS1という、
一粒ダイヤのプラチナリングだった。
私はそれまで、ダイヤモンドは、
大きさで値段が決まると思っていた。
カットの違いは分かるが、
カラーやクラリティという基準がある事さえ、
知らなかった。
透さんは、アルバイト時代に、
宝石関係の仕事をした事があるらしく、
その時の知識を活かして、指輪を選んでくれたのだ。
そして、なけなしの貯金をはたいて、買ってくれた。
透さんの思いが詰まったその指輪は、
私の宝物になった。
続きは、7月13日(月曜日)に投稿する予定です。




