21.強迫観念
次に打つ手もなく、八方ふさがりの感じがした。
私と透さんが付き合うことは、とっても悪い事、
という一種の強迫観念のようなものが、
私を襲った。
私は、会社の上司に相談した。
「私は、このまま会社を続けていて、
いいんでしょうか?」
「ご両親から責められて、悪い事をしているように、
感じているかもしれないけれど、
犯罪とか社会のモラルを壊している訳ではないから、
仕事は辞めなくて、いいんだよ。」
その上司の言葉に、ほっとした反面、
両親がこれだけ反対するなら、
透さんと結婚することは、無理なのかもしれない、
と思い始めていた。
だから、透さんが諦めないなら、私も諦めない。
もしも、透さんが諦めたら、私も諦めようと、
覚悟を決めた。私は、透さんに聞いた。
「あんなに反対されて、嫌じゃない?
私との結婚を、やめようと思はないの?」
「行っても行っても、話が前に進まないのは、
辛いけど、結婚をやめようとは思わない。
それは、俺はまいと結婚したら、
絶対に幸せになる、という自信があるから。
そして、年を取って、
お爺ちゃんとお婆ちゃんになっても、
手をつないで歩けるような、夫婦になりたいんだ。」
ドラマ等では、「君を幸せにする。」
と言うのが定番で、それが普通なのかと思っていた。
でも、透さんは違っていた。
よく考えてみれば、「君を幸せにする。」
と思っても、できないこともある。
また、幸せの感じ方は人それぞれ違うから、
自分では、「幸せだ。」と思っても、
相手にとっては、幸せだとは限らないからだ。
だから、ある意味、透さんの言っている事が、
正解なのかもしれない、と感じた。
私が不安になっても、
すぐにその不安を解消してくれる透さん。
私が好きなこと(スキーなど)にも、
進んで挑戦して、
一緒に楽しもうとしてくれる透さん。
そんな透さんと、ずっと一緒にいたいなと思った。
「いい家庭を作りたい。」という透さんの夢が、
いつしか私の夢になっていた。
それに、年を取っても、
手をつないで歩くなんて、とても素敵だ。
続きは、6月22日(月曜日)に投稿する予定です。




