19.劣勢
それは突然やってきた。
スキー旅行に行った事が、私の両親にばれてしまった。
隠していた訳ではないが、
あえて言う必要はないと思い、話していなかった。
すみれが言うはずはないので、
従兄弟の方から漏れたのだろう。
従兄弟は、旅行のキャンセル料の事を、気にしていた。
だから、私が今、お付き合いしている人が、
代わりに行く事になったので、
心配はないと、話していたのだ。
両親は、激怒した。
「子どもがいるのに、子どもを置いて、
自分だけ旅行に行くとは、どういう事だ!
父親としての自覚がない。」
「だって、従兄弟が急に行けなくなったって言うから、
キャンセル料を払うより、良いかと思ったんだよ。
それに、透さんのご両親の了解も得られたし、
すみれも一緒だったんだよ。」
私が、いくら説明してもだめだった。
私が誘ったのに、悪いのは透さんになっていた。
透さんが、
「確かに、自分もまいさんと、
スキーに行きたかったので、
軽率な行動をしてしまいました。
すみません。」
と謝っても、両親の怒りは止まらなかった。
そこで、透さんは、
髪の毛を丸刈りににすると言い出した。
そんな事をする必要はないと、私は止めた。
でも、透さんは、
「自分が悪かった、反省しているという事を、
どうやって表していいのか分からない。
だからせめて、丸刈りにする事で、
自分の気持ちを表したいんだ。」
と言って、丸刈りににカットした。
その髪を見て、私の両親も、びっくりして、
少し怒りは収まったが、
だからといって、許すはずもない。
その丸刈り頭は、透さんの職場でも、注目されて、
「いったい何があったんだ?」
と、様々な憶測が飛んだらしい。
私は、ただ申し訳なくて、
透さんの為に、ニット帽を手作りして渡した。
続きは、6月8日(月曜日)に投稿する予定です。




