17.離婚
両親の先制攻撃を受けた私は、
透さんと作戦会議をしなければ、と思っていた。
その矢先、透さんと両親が対面してから3日後に、
母から言われた。
「あの人は、離婚していないらしいよ。」
いったいどこにどう手を回して、調べたのだろう。
私は、透さんから離婚したと、はっきり聞いている。
しかしやはり、少し心配になって、
確かめることにした。
「離婚してるって、本当?」
「本当だよ。」
「うちのお母さんが、どこかから、
透さんは離婚していないんじゃないか、
と聞いてきたんだけど。」
透さんは、少し考えてから答えた。
「前の妻には、お姉さんがいて、
凛より1つ上の従姉妹がいるから、
洋服のお下がりを、よくもらっていたんだ。
だから、離婚後も前の妻は、お下がりを持って、
時々俺の実家に来ていた。
それを見た、近所の人達が、離婚していないと、
勘違いしていたのかもしれない。
また、離婚後に、
凛の小学校の入学式があったんだけど、
俺が、仕事の都合で、
どうしても行けなかったので、
前の妻に、行ってもらった事がある。
だから、そんな誤解が、
生まれたのではないかと思う。
でも、俺たちは、湊が生まれたあたりから、
お金の事での言い争いが増えて、
もうどうしようもなくなって、離婚したんだ。
もちろん、子ども達は可愛いから、
お互いに親権を取るために、
家庭裁判所にも行って、話し合った。
一人ずつ分けようか、という話もあったが、
それは、俺が嫌だったので、話し合いを重ねた。
今は、俺の収入も安定しているという事で、
やっと、二人を引き取れる事になった。
詳しい面会の取り決めを、していなかったので、
前の妻は、自由に、子ども達に会いに来ていた。
けれどこれからは、子ども達がまいに慣れて、
いい関係を築いていくためにも、
前の妻に、子ども達とは、
大人になるまで、会わないでくれ、
と頼むつもりだ。」
透さんの話は、私の心に素直に入ってきた。
透さんは、若くして結婚し、家族のために、
アルバイトをしながら、資格を取ったり、
経験を積んだりして、やっと正社員になれた。
それなのに、壊れかけた家庭は、
元に戻らなかったんだ、
と他人事のように考えている、私がいた。
続きは、5月25日(月曜日)に投稿する予定です。




