燃え尽きた男
メルと赤子は孤児院に送られた。そしてエリオルが捕縛され処刑されてから8年後、メルは17歳になった。
魔導士とは、法的に大魔法を使用が可能な治安維持隊の総称である。
メルはその第7隊隊長に就任、これは異例の若さでの就任だった。
「おそらくだが、すでにこの街は何かしらに侵略されている」
「どうしますか隊長」
赤い髪のオールバック、鋭い目つき、右頬には火傷跡を残した男。メル•テルデール隊長だ。
そして彼を支える副隊長、水色の髪にロングヘア、丸い瞳の少女ミリミリ。
「ミリミリ、魔物なら処分。人なら手足を落とせ」
「了解です隊長」
ミリミリの腕には魔術用杖を埋め込まれている。これにより呪文詠唱無しで魔法を発動できる。
『千里眼』
『空間操作』
千里眼による索敵、その後に空間操作で時空ごと敵らしき人物の腕を抉り取る。空間操作を熟練させた彼女にこそできる重ね技。
「1人捕えました。ここから北東に向かって142mです」
「分かった、『フレイア』」
魔法は一つの魔法を極める事で威力や性能を上げ続けることができる。これに上限はなく、故にこれがエルフ族や魔族が魔法に長けている理由の一つである。
フレイアは炎の魔法。足裏から飛ばした炎を使い空を飛ぶメル。すぐさま腕を抉られ苦しむ中年の男を取り押さえる。
「お前だな。この街から通報があった。エリオ信者を発見したと」
「くそぉぉ! 俺はまだ死ねん!英雄エリオルの意思を俺が叶えるのだ!!」
「エリオルは処刑された。大人しく連行されろ」
「彼は正義を実行したまでだ! 滅びろ魔導士!!」
男は袋から取り出した爆発魔道具を起動する。彼の自爆も虚しく、空に飛んで爆発から逃れたメル。
「クズが、英雄気取りが調子に乗るなよ」




