第8話 【承④】
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部屋の中に入ると、如何にもな成金趣味の部屋が、アタシたちを出迎えた。
なんとなく、出発前に見たフェルナーの自室に通じる雰囲気がある。
光る銀色の調度品にアンティーク。
古いくせして、大して使い込まれていない、無為に日々を過ごしたような豪奢な机。
ローゼンヴァルトの屋敷にあるものは、同じ年月を過ごしたとしても、もっと使い込まれたものだ。
尤も我が祖先には、敵の大軍を前に怖気る部下に対して、徹底抗戦の意志を示すために、机を手刀で叩き割った逸話を持つ者もいる。物を大切にはするが、机を後生大事にする文化はない。
その趣味の合わない豪奢な机の上に、おそらく目的の『忘れ虫』の容器はあった。
光を遮断するための布のかかったガラス瓶。
遮光布を除けてやると、果たして瓶の中に、『忘れ虫』の姿があった。
大きさにして、成人男性の平均的な親指くらいの乳白色のイモムシ。
イモムシと言っても、蝶の幼虫より、甲虫の幼虫に近い見た目だ。
その身体は、ただ白いのではない。古びた羊皮紙のように黄ばんだ乳白色。
腹の節の奥には、黒い筋や、喰い溜めた紙片めいたものがいくつも、幾層にも重なり、うっすら透けて見えた。
紙片のようなそれも、喰ったそのままではなく、概念的なものだろう。
瓶の底には、乾いた粘液の膜と、繊維の崩れた紙くずのようなものが少しだけ残っている。
口の辺りには、透明な膜が薄く張りつき、光の加減によっては、濡れた糊のようにも見えた。
「……これが、『忘れ虫』か」
思わず、そう漏らす。
生理的な嫌悪を催す見た目だ。
『忘れ虫』が、紙や帳面、果ては石板まで。記録を喰い、偽装する虫だという知識はある。現物を見たのは初めてだった。
アタシの漏れた独り言に、背後から、シンが答えた。
「ああ。それだ。しかし、どうするかな。……瓶の中に入れていても、運ぶときに刺激を与えたくはないし」
内部はいくつも記録の断片が重なっている。
繊細な虫に見え、その懸念はアタシにも理解できた。
「私が、仮契約で運ぼう」
言った瞬間、背後の気配がわずかに止まる。
「……できるのか」
「仮契約だ。力を通すわけではない。ただ仕舞って運ぶだけだろう」
「それでも、3つ目だぞ」
低い声だった。責めるでもなく、ただ本気で意外そうな響き。
「ん?」
「お前はすでに組織との契約がある。ネズミとも契約しているだろう。その上に、さらにもう1つだ。そんな話は聞いたことがない。成立するのか」
「本契約ではないと言っている。浅く留めるだけなら問題ない」
聞いたことが無いと言われても。
余裕があると言うか、出来る感覚はある。3つの契約が出来ないという話だって聞いたことがない。
……出来ると聞いたことも無いが。
「む……」
シンはしばし逡巡した。
振り返ると、瓶の中の『忘れ虫』ではなく、アタシを見ている。
「心配するな。魔法で火を呼ぶのとそこまで変わらない。深く結ぶのでなければ、こう……互いに触れて留めるだけだ」
「まあ……そう言うなら。任せるとするか」
なんだか、こちらを気遣うような態度を見せるシン。
同行ではあるが、評価者兼監視者のくせに。
構わず、アタシは準備を始める。両の手から、革の手袋を脱いだ。
右手親指の爪に、肉体を強化する魔力を通す。その爪で左の手の平、下の部分を切り裂いた。皮膚が裂け、血がにじむ。
ガラス瓶の蓋を、ほんの少しだけ開ける。
途端に、中の『忘れ虫』が、ぴくり、と頭をもたげた。
目があるのかも分からないその顔。だが、血の気配を感じたことだけは、反応で分かる。
気色の悪い虫だ。
その上へ右手を近づけ、魔力を少し込めた血を垂らす。
赤い滴が、『忘れ虫』の頭部であろう場所へ落ちる。
ネズミのように舐めるのではない。口の辺りの膜がふるりと震え、奥の柔らかな器官が開いて、血を包むように取りこんだ。
アタシ自身が虫に包みこまれるように錯覚し、肌が粟立つ。
ぞわり、と。
生理的嫌悪とは別に、指先から腕へ、薄く冷たいものが這い上がる。
『忘れ虫』との仮契約が結ばれた証だ。
本契約ではない。力を通し合うためでも、深く結ぶためでもない。ただ一時、血で留め、持ち運ぶための浅い繋ぎ。
血絆の形をとる、仮契約。
『忘れ虫』が血を取りこんだ瞬間、その小さな身体が淡く光った。
乳白色の輪郭が、ほどけるように揺れる。
次の瞬間には、光とともに、宙へ沈むように消えた。
ただし、契約の内側へ退くほど深くはない。
薄い膜の向こうへ、無理に押しこまれるように。ぬるり、と輪郭だけを滑らせるようにして、『忘れ虫』の姿は消えた。
仮契約の成立と同時に、契約の表層へと。
物理的には、もう瓶の中には何もない。
だが、内側の浅いところに、気色の悪い気配が引っかかるように留まっているのが分かる。
契約者にだけ分かる感覚で、外から見た様子は何も変わらない。
「よし。済んだぞ」
「……本当にやるとはな」
シンがつぶやく。
ため息をつきながら、シンは続けた。
「後は引き上げるだけで良い。楽な仕事だった。……正直、かなり見積もりを誤っていたらしい。お前、貴族より泥棒の方が向いているんじゃないのか」
その軽口は、軽口とわかっていても、少しだけアタシを苛立たせた。
「馬鹿を言うな」
「む?」
「こんな泥棒など、その気になれば誰でも出来る。なんでも出来て、どんなことも意のままである者が、民のために尽くすから貴族なのだ。――我が家ではそう教わる」
〇
『忘れ虫』を手に入れたアタシたちは、速やかに脱出する。
扉の渡し棒を戻し、錠前を掛け、裏口の鍵も守衛の鍵束もきっちり元通り。
支部へ戻ってフェルナーに渡す時のため、瓶とそれを覆う遮光布もいただいて。
――警備が全員眠りこけたことと、部屋に『忘れ虫』の瓶が無いこと以外は、侵入したときと何ら変わりなく。
心の奥に残る、泥棒という負い目。
……『忘れ虫』なんぞという、悪事に使えなさそうなものを大事にしまい込んでいた者なぞ、きっと悪党に違いない、ということで納得することとした。
今日のアタシは義賊だ。悪いやつを懲らしめる盗賊、そんな英雄譚だって読んだことがある。
いくつもの路地を抜け、富裕区から貧民街へ戻り、さらに何度も路地を通り、表通りを横切ったりして。
アタシたち夜の中を、この町へ来た『門』からの出口――と言っていいかわからない、小さなゆらぎ――のある倉庫へ戻ってきた。
夜の中だと、明かりの無い倉庫の中は、昼にここへ着いたときよりも真っ暗だ。
アタシは、視覚強化の魔法をこっそり使っているが、魔法が使えないはずのシンは闇の中を何も迷わず進んできた。
夜目が利くとか言うレベルではない。
「じゃあ、帰るか」
シンがそう言った先、小さな、門の向こうで見たゆらぎがある。闇の中でも、その部分だけがなんだかゆらめく黒があるのが分かる。
尤も、そこに何かあると知らなければわからないかもしれない。
アタシも、シンの隣に並んで立つ。……が。
「……随分と小さいぞ。どうやって入るんだ?」
門から入った時のゆらぎは、門に合わせて人が2人並んで通れるくらいの幅があった。
アタシの胸くらいの高さにある、目の前のゆらぎは……アタシの大きく広げた手の平で4つ分くらいか? 頭すら通りそうにない。
「ああ、説明してなかったな。ネズミと契約しただろう。下級工作員はそれを使うんだ。オレは別のやり方で出入りできるが、お前は1人でも出来るように覚えたほうが良いだろう。まずはネズミを呼んでみろ」
「む……」
不潔な生物で、極力呼びたくはない。屈辱すら覚える。
だが、門を通る手段だと言われては仕方がない。
小さく、手早くそれを呼ぶ。
「――『顕現』」
左手首のタリスマンの宝石が、ぼう、と黒っぽい灰色に光り――。
――少しの闇のゆらぎとともに、アタシの足元に、汚らしいネズミが現れた。
アタシの脚に軽く、おずおずと頭を摺り寄せてくる。――が、受け入れる気にはなれない。
衝動的に、今すぐ蹴り上げてやろうか、と、ちらと頭をよぎる思考。
ああ……。……黄金竜に会いたい。
「そいつを、その門へ通せ。力を通して、命じるというか、頼むようにしろ。門の向こうへ行って、お前が通れるようにしてくれる」
「む……」
仕方がない。
少し屈んで、左腕をネズミに差し出したところ、素直にそれに乗ってくる。
長袖の上下と革手袋がなければ、不潔で絶対にやりたくない行為だ。
それを、かかげるようにしてゆらぎに向けて腕を伸ばす。ゆらぎに通せと言うなら、この無力な小動物にはそうしてやるしかあるまい。
呼んだ瞬間から、すでに薄く感じていたネズミとの力のつながり。それを太くするべく、力を通す――。
「ぐあっ……あああぁぁぁ……」
「サキ!?」
力を通した瞬間、頭がガァンと殴られたように、その後ズキズキと痛んだ。
思わず、右手で頭を抑える。左腕をそのままに堪えたのは我ながら大したものだと思う。
シンがアタシの両肩を支えるように持った。
黄金竜を呼び、力を通して契約に痛めつけられた時よりは、ずっと弱い。
だが、同種の痛み。頭だけではない。体もあちこちが、弱い雷撃魔法を通され続けているように痛い。
「ぐっ……なぜだ……別に、貴様らに逆らおうとしているわけではないのに」
痛みの中、アタシを支えるシンに向かって悪態をつく。
「あ、ああ……。すまん、理由はおそらく見当がつく。後で説明してやるから、まずはネズミを通せ。通した後で、門を広げるように」
「……わかった」
脂汗を流しながら、ネズミに、ゆらぎの向こうへ行って、それを広げるように命じる。
力の流れる感覚上の話だ。言葉ではない。
ネズミはアタシの腕を伝い、そのまま、ぴょん、と飛んで、ゆらぎの向こうへ消えた。
とたん、ネズミとの力のつながる感覚が消え、身体の痛みも消える。
「ふう……」
一息ついて、前方を見たところ、ゆらぎが見る間に広がった。
ちょうど、アタシたちがここへ来た門の大きさ、それよりは一回り小さいだろうか。
「先に入る。付いてこい」
そう言い、アタシを支える手を離したシンに続き、ゆらぎへ入る。
一瞬のふらつき。馬車に揺られて酔った時のような。
眩暈のような感覚の後、アタシは出発した、門が立ち並ぶ空間へ戻ってきた。
ネズミはいない。アタシがゆらぎを抜ける間に、契約空間に戻っている、そういう感覚があった。
つるりとした不思議な石で組まれた、高い天井。何本も並ぶ柱。広大とすら言える底知れぬ空間の部屋。
壁や床のところどころに青く光る明かりが埋め込まれていて、うすぼんやりと、部屋全体を照らしている。
後ろを見ると、出発前に見たアーチ状の石の門が立っている。
円環紋の溝にごく弱く脈打つ、青白い線。不思議な仕掛けだ。
先に門から出たシンは、アタシを振り向くと、言った。
「さて。まだ夜明けまで時間がある。フェルナーへの報告はそれからだ。昼までに、と言っていたしな。それまで、お前のさっきの痛みを説明してやる。お前の部屋かオレの部屋か……外か。どこにする」
「こんな夜更けに淑女の部屋へ入るだと? 冗談ではない。逆もごめんだ。話は外で聞く」
〇
支部の敷地内、円形の大聖堂の前には、石畳の広場がある。
宗教施設であったのなら、ここで人を集めて説法でもしそうな雰囲気だ。
花の匂いがするし、夜更けなのに、冷え込みがない。穏やかな地域のようだ。
夜空を見上げる。星の形がローゼンヴァルトや学院とは違う気がする。詳しい者なら夜空を見るだけで地域が分かるらしいが、アタシに知識はない。もう少し、真面目に学んでおけばよかった。
そう言えば、ネモラは星占いが好きだったな。
残してきた友を思い出す。無事にいるだろうか。問題ないと言うシンの言葉を信じるほかない。アタシがいなくなった学院は、きっと大騒ぎだろう。
「お前の先ほどの痛みだが」
つらつらと、思考を夜の空気と星に漂わせていたところ、少し離れたところに立つシンが話し出す。
星あかりの中に、虫や鳥の声はない。静かで、声が良く通る。
「契約の影響であるのは間違いない。だが副作用のようなものだ」
「……もう少し詳しく話せ」
「お前の契約は、反抗の恐れがある構成員と、『完全なる秩序』との間で結ばれる、奴隷のような契約だ。違背すれば、まず現在の力を奪われる。あの竜が亡くなったのが、それだ」
「……私の魔法も剣の腕も、奪われてはいないではないか。奪うなら、別の命であるグラファリエルではなく、そちらではないのか」
「現在持てる最大の力、その象徴を奪うことになっている。あの竜が、お前の魔法よりもよほど力のある存在と判断されたのだろう」
「……そうか」
剣が使えなくなっても良い。魔法が使えなくなっても良い。
黄金竜を奪われるくらいなら、そちらを奪って欲しかった。
シンは、アタシの心の内には気づかず、話を続けた。
「現在の力を奪われた後だが、それでも違背すれば、次は、過去、最後は未来の力を奪われる。構造は単純だが、だからこそ逃げ道がない」
「……過去、未来だと? どうなるんだ?」
「オレもそこまで詳しくはないが、過去を奪われた者は、故郷や帰るべき場所を奪われるらしい。そこにいても、家族や知り合いの記憶が消えたようになる。生きてきた記録や痕跡も消えるのだとか。自分の家にも入れなくなる、と聞いた。どうやっても故郷の村へ帰れなくなった男の話もある」
「……それは」
目的は帰還と、自分で決めた。
それすら果たせなくなっては困る。契約に逆らう形での脱出は当面無理のようだ。
「家を、随分と誇りにしているらしいお前にとっては致命的だろう。最後の未来だが、……これはオレも知らん。そもそも、過去を奪われた時点で、生きていける人など一握りだ」
「……だろうな。……いや待て、本当にそれだけか? 今の話に、私の身体に走る痛みが出てきていない」
「ああ、それは……」
シンは、一拍、すう、と息を吸い込んで。
なんだか、首をひねるような、自分でも少しの疑問があるような態度で言った。
「副作用だ、と言っただろう? お前の身体には常時、我が組織との契約の力が流れている。絶対服従、違背を防ぐ監視のようなものだ。そこに、別の契約存在との力を通せば、その力と契約の力がぶつかり合い、反発する。強大な契約存在であればあるほど、その反動は大きい」
「……反発。……副作用。なるほど」
そう言われれば合点がいく。
ネズミと力を通した際の痛みが、黄金竜と力を通した際の痛みより、かなり小さかったのも、そのせいだろう。
と、アタシの脳裏に、疑問がわく。
「いや待て。だとすれば、『完全なる秩序』と契約を結んだものは、他の契約存在をほとんど使えないと言うことではないか」
「そうなるな」
「契約存在を回収する組織が、それでいいのか?」
「別に構わないんだ。そもそも我が組織の現場運用は、強大な契約存在や、大きな契約の器――お前のような――を管理下に置くことだ。だが、協力者や構成員は、それを回収する工作員よりも無数に市井に潜んでいる。その中で、主に信用できない者に結ばせる契約だからな。お前のように、3つも契約を結んで平然としている者に、結ばせるのは見たことがない。我が組織との契約下にありながら、強い契約存在と力を通す者も、どうなるか知識はあっても、俺はまず見なかった」
無数の協力者。学院にもいたのだろうか。
パーティーを襲ったやつらは関係があったのか、無かったのか、どちらだろう。
「そうか」
短く答え、思考を巡らせようとする。
よく考えてみれば、シンは最初の襲撃時も、大聖堂で対峙したときも黄金竜を呼ぶな、力を通すなと言っていた。
本気の警告であり、その行動は組織都合とはいえ、言っていることはアタシのことを最初から考えていたことになる。
だが……シンの口ぶりがどうも気になる。
アタシのような大きな契約の器。管理下に置く。それは分かる。
『結ばせるのは見たことがない』
まるで、アタシの今いる現状、それ自体がイレギュラーだと、シンはそう言っているように聞こえる。狙いはわからないが。だが、少なくともシン自身の中でも、何かが引っかかっているように見えた。
「確認だが、お前やフェルナーは『完全なる秩序』と契約は結んでいないのか?」
「必要ない。組織の構成員は、そもそも利益の方が大きい。好きで所属しているやつばかりだからな。そして、裏切れば死ぬだけだ。逃げても、追手がいずれ派遣される」
「ふむ」
「まあ……オレの今話せるのはこんなところだ」
「わかった。現状を教えてくれて感謝する」
まあ、アタシのやることは、何らかの突破口を探すことだろう。
と、シンが、誘拐犯とその被害者たるアタシの間に、妙な空気が流れだしたのを嫌ったのか、声の調子を明るく変えて言った。
「そうだ、夜明けまでは時間がある。お前の言う家、ローゼンヴァルトに興味がある。それと、そこで育ったお前がどんな人間なのか、じっくり教えてくれよ」
軽い調子に、少しだけイラつく。
「淑女を相手に、根掘り葉掘り聞こうとするとは。しかもそんなにあけすけに。これだから下賤の輩は嫌いなんだ」
「いいじゃないか。大体、淑女淑女と言うが、夜は大いびきをかいて眠る、ただの子供だろう」
「なんだと? 昨日から失礼だぞ。子供扱いするんじゃない。こう見えても、舞踏会でダンスの相手に困ったことは無い、立派なレディだ。社交界では『ドラッヘンマウル渓谷の黒百合』と謳われる私だぞ」
「舞踏会と言っても、どうせガキのおままごとだろ……。大体、ドラッヘンマウル渓谷って……。噂だけだが、草木1本生えない、魔獣の住処じゃないか」
「我が誇るべきローゼンヴァルト領の大事な資源、そして私の子供のころからの遊び場だ」
ふふん、と鼻息荒く誇るアタシに、シンはやれやれとため息をつく。
「だからまだ子供だろうって……。『ドラッヘンマウル渓谷の黒百合』……間違いなく、良い意味だけじゃないだろ」
「む……。だが、まあ、我が偉大なる家に興味を持つとは、下賤の輩にしては、中々見どころがある。それでは、王国で最も誇り高く、最も厳しい土地に住む、最も強く、王家と並んで最も古い一族、我がローゼンヴァルトの話をしてやろう」
見慣れぬ満天の星降る夜は、まだまだ夜明けまで遠い。
〇
故郷は遠く 夜は深く 終




