第672話(他人視点)スミレは最後に床を叩いて絶叫する
女性がいた家。と、スイカ侍は言っていたけど、これは何かの施設だ。
1人と1匹で歩きながら移動する。
まずは地下を探してスイカソードを手に入れる事。
「しかし、ご子息は凄いでござる。文字が読めるとは」
「ああ、古代文字……これでもメル母さんから習ったから」
「ますます凄いでござるな」
「いや、それにしても助かるよ。魔導書を探してこいって言われたけどバッグなかったし」
何冊かの本をどうやって持ち帰ろうか考えていたらスイカ侍が口の中に入れてくれた。
「とりあえず、あの紙に書いていたソードを手に入れたら帰るよ」
「嬉しいでござるな」
深追いは禁物だ。
その意味を込めて行ったんだけど、転がっていたはずのスイカ侍の姿見えない。
「マジかよ」
不味いな。
このまま帰ったら怒るのはサクラとアリシアママと親父。
親父も普段なら怒らないだろうけど、今回はスイカ人間になるかならないかだし、でもメル母さんは怒らないはず。
ノラ姉さんは中立と言うか親父よりになるはずだ。
「………………探すが、あの魔物に罪はない。重要そうな本も預けてるし。そもそも!! 剣を食べたのは親父のせいだしな、《《親父みたいな無責任にはなりたくない。》》 いくらスイカバーと言うアイスに見えたからって食べるか普通」
落ちてる物は食べるな。とアリシアママから教わってるんだけど。
頑丈そうな扉をゆっくりと開ける、見た目は金属に見えないのに音が金属っぽい。
スイカ侍が転がってこっちに向かって来た。
「なんだ、先に行ったのかと……スイカ侍?」
「ギャ!」
ギャ? ござると言わない? しかも。
「あれ……多くないか?」
突進してくるスイカ侍が1匹ではなく2匹、4匹、8匹。ぐらいいる。
「ギャ!」
「ギャ!」
「ギャ!」
不味い!! 本物のモンスターだ!!
あれも本物のモンスターだったけどさ! 友好的なスイカ侍の顔? がちらつくけどしょうがない。
「って!? 武器が無い!!」
親父じゃなんだし、武器なんて携帯してるわけがない。
飛んでくるスイカ侍Aを殴ると割れた。真っ赤な果汁が飛び出ると顔にかかった。
思ったより弱いし、甘い?
「まずは1体!! 次に2体!! うっ……蹴ったら足が痛くなる奴だこれ。次!」
「ギャ!」
「ギャーー!!」
「甘いって。悪いけど……あれ? 思ったよりもオレの体が動く、あれかなぁ過去に飛んだってのと関係あるのかな」
襲ってくるスイカ侍を倒しきると奥からさらにスイカ侍の群れが転がってくる。
嘘でしょ!?
弱いからと言っても大量に来ると面倒。
こんな状況じゃなければ火薬弾を持って来たのに。
「ああ、もう!! 俺は親父と違うからな! 戦術的後退」
必死で逃げる。
重たい扉を閉めると、反対側からドンドンと音が聞こえ扉が歪んで来る。
「嘘だろ」
建物を出ようかと思うも、外はまだ嵐だしござるのスイカ侍も気になる。
あと数発で扉じゃなくて周りの壁が壊れそう。
「まずい!」
とりあえず走る。
背後でゴロゴロとスイカ侍の群れが走ってくるので角を曲がった瞬間にあった部屋に駆け込んだ。急いで扉をしめると廊下の向こう側でゴロゴロと音が大きくなり遠ざかる。
「はぁはぁはぁ……まいた? って何かの実験場かな?」
円形のガラスが5本ぐらい並んでいる部屋。
手前には机があり古代文字で書かれた紙が置かれている。
「ええっと。──アセリア歴350年。無限兵士を束ねた兵が完成した。S・K・Sウィルスとなずけよう」
先ほども見たかな。
次の紙を見る。
「──アセリア歴380年。長く封印していたこの場所も最後の1人になってしまった。私が死ねばこの可愛い子達は暴走するだろうか? ジョンのお気に入りは絵本の真似をしている。『ござる。ござる』と可愛らしい」
…………ござる。
「──アセリア歴385年。S・K・Sウィルスを私自身に打ち込み3日目、体に縞模様が出来た。ああ……ジョン……もうすぐ一緒よ」
本国っての無くなってから30年後? 体に縞模様って親父と一緒か。
スイカ人間になったって事か。
無人島の秘密の研究所。
外は嵐で帰る事も出来ない、まるで図書室に置いてあるホラー物語ようだ。
まずは武器、何時までも素手は厳しい、壁に設置されてる脱出ようの手斧を掴んだ。1枚の紙が落ちてくる。
「ん……? 古代文字で何か書いてる『地下への扉を開けるにはスイカとリンゴとモモのメダルがいるようだ』」
何で?
思わずしゃがみ込む。
いや、どういう作りの建物? え、地下に行く人って毎日メダルをはめ込むの? 鍵でいいよね。
じゃぁそのメダルはどこだろう。と机や周りを見るとスイカの絵が付いたメダルが出て来た。
「後の2つは? いや、ここにこれあったら地下にいる人はどうやって外に出てたんだ」
──
────
「スイカ侍!!」
「お? ご子息よどうなされましたでござるか? 迷子になったご子息を探しに行こうと思っていた所でござるよ」
「どっちが迷子!!」
「何を怒っているでござるか?」
「ここに来るのにメダル3枚。メダルをあつめるのに複数の鍵。襲ってくる果物モンスター。鍵をあつめるのに隠し扉や絵の裏側。何ここ!」
「某に関係ないでござる」
…………そういわれると。
「おなごは何時もお茶目でしたでござる」
「…………スイカ侍はどうやってここに?」
「横穴でござるよ?」
転がり見せてくれて、転がったほうには人が通れるほどの横穴が開いていた。
ああ、そう言う事。
「それよりも戦う準備をするござる」
「何で? 試し斬りでもしたいのか?」
「ウリマザーでござる……ウリマザーの種でもあれば某の刀の呪いも解けるかもでござるよ」
「え?」
驚くと同時に壁が破壊された。
人の2倍はありそうな大きなウリ。きざきざの口が開くと攻撃を仕掛けて来た。
「待て!」
あれって所長じゃないのか? って事はスイカ侍の母親だろ?
いくら魔物になったからからって、こんな悲しい話あるかよ!
「スイカソード真打を試し斬りでござるよ」
「攻撃した駄目だ!」
「何を言うでござるか?」
それはその……だって本当の事を言うのか!?
いや、強いぞこのウリマザー。
こっちの攻撃が当たっているのにびくともしない、純粋に防御が強いのか。
「まて! 君の戦ってるスイカ侍はジョンだ!!」
一瞬ウリマザーの体の動きが止まったように見えた。が……口が開くと閃光が見えた。あっオレ死んだかも。
「ごめん、シンシア……」
「まだでござる!!」
閃光とオレの間にスイカ侍が割って入った。
「このような某に対等に付き合ってくれた礼でござる!! ビックバンスイカアタック!!」
技名はともかく、閃光を押し返しウリマザーの口の中に入っていく。
ウリマザーと一緒にスイカ侍もはじけて飛んだ。
辺りに散らばるウリマザーとスイカ侍の種。
「何だよ、この終わり方って……何なんだよ!!」




