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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん/えんとつ畑@雑記


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第669話 それがし、不器用な性格なゆえ1体で行動してるでござる

 森の中にあるログハウスから外を眺める。

 買って来た果物などを食べ、音楽を流しながら自由な時間だ。

 現代社会にいた頃はこんなまったりした時間無かったなぁ……。



「クロウ君難しい顔してる」

「どうせ変態な事じゃろ」

「…………涙でそう」

「パパはい! ハンカチ!」



 サクラだけが味方である。

 いや、サクラは誰でも味方か? ハンカチを貰って顔を拭いて鼻をかんで返すと、サクラの笑顔がこわばった。



「お気に入りだったのに……」

「ふぁ!? いや、そんな大事なハンカチ渡さないで!? うわ、これだよ……周りが全員俺を悪者扱い」

「悪者なのじゃろ」

「うーん、援護は出来ないかな」

「サクラ。そのハンカチ買い取ろうか?」



 あの、俺よりもド変態な人いるんだけど、大丈夫か?

 俺がノラを見ると眉をひそめてくる。



「っ!? クロー兄さんそんな眼で見てるけど、ボクはそんな汚いハンカチなら買い取って新しいハンカチを買ってあげようと思っていただけだよ。汚いのは汚いからね?」

「うい」



 違った。



「まぁ俺が買い取るよ。良かったら新しいハンカチ買ってくれ」



 金貨を渡すとサクラはしぶしぶ受け取った。



「親父! オレにも!」

「いや、スミレに渡すのはおかしいだろ……まぁやるけどさ。差別はいかんと思うし……そもそも。俺の小さい時なんて差別されまくりだったしな」

「親父……ありがとう」

「どういたしまして」



 昼の残りを夕食にして後は寝るだけだ。

 なのに、ノラは難しい顔をして食料ボックスを眺めてる。



「腐ってるのか?」

「管理は完璧だよ。いや……クロー兄さんこれ何だと思う?」



 三角形に棒がついたもので、先端から赤い色のアイス。棒が付く部分は緑色で、スイカバーそのものである。



「スイカバー」

「だよね……買った覚えが無いんだ。サクラが言うにはバーベキューしてる時に箱の横にあったよ。って」

「ふむ……なら食うか」



 俺は摘まみ上げて食べてみる。

 うん、ちゃんとスイカバーだ。



「クロー兄さん!?」

「いやほら、俺は胃腸強いし。無かった事にすれば問題もないだろ」

「そう言う問題じゃ……でもまぁ、問題は確かになくなった……のかな?」

「だろ。おお方メルナが買ったんじゃないか? 食べたのは内緒な」



 後はダラッと過ごす時間。

 翌日になり男組の寝室からリビングに出ると何やら険しい顔の人達。

 


「おは……はぁ……ねむ」

「あっクロウ君おはよう」

「クロー兄さんおはよう」

「おはよ…………ノラにアリシアは早いな。メルナは? スミレとサクラもいないな」



 今日はスイカ割りでもしようかな。とやるなら全員がそろってから。

 食材ボックスに置いたスイカをポンポンと叩く、そのスイカが突然振り向いた。


 スイカにサングラスをつけたような眼。

 そのしたに笑顔マークの切れ込み。

 ハロウィンでカボチャが切り抜かれている事があるが、そのスイカ版だ。



それがし、頭は詰まっているでござる」

「へぇ……最近のスイカは喋るのか。まぁ割っちまえは味は一緒だろ」

「某、の事を見ても驚かないとは、その方実は魔物の親玉でござるな? これは大変でござる、食われるでござる! そこの貴婦人方助けてくだされ。ええい! 間に合わぬのならスイカ種攻撃でござる」



 口からスイカの種が俺に向かって発射される。

 滅茶苦茶痛い!!



「馬鹿辞めろ! いてええ!!」

「スイカ侍さん。クロウ君に攻撃したらだめだよ?」

「クロー兄さんも食べるのはちょっと待ってほしいかな……」

「ってかだ。何でスイカ侍がいるんだよ!? 君、常夏の魔物よだよね!? 俺が買って来たスイカどこいったの!?」

「ニンゲンに食べられそうな同胞、スイカ子は某が海に流したでござる」



 うん。割ろう。

 アンジュの剣を出して斬ろうとすると、なんとスイカから手足が生え白羽取りされた。きもいぞ。



「かわいい……」

「良いマスコットだね」



 剣をしまうと、スイカ侍の手足も引っ込む。

 そういえば昔からロボットアニメにこういうマスコットいたな。



「で……俺が寝てる間に何が……」

「まずはクロー兄さん……今日は外は嵐だよ」



 そんな事はない。

 昨日あんなに晴れていたのに……試しに玄関の扉を開くと暴風がログハウスの中に入って来た。慌てて閉めるようとすると水着の上にレインコートを着たメルナが帰って来た。すぐにノラがタオルを渡している。



「む。ロウよ……悪い知らせといい知らせがあるのじゃ。どっちから聞きたいのじゃ?」

「…………スイカ割出来ないほど悪い知らせが!?」

「まず『転移の門』周りの暴風のせいで魔力が安定しない起動し通った瞬間にどうなるかわからんのじゃ……ロウなら四肢が吹っ飛んでもいいじゃろうし、先に帰る事はできそうじゃの」



 よくはない。



「良い知らせは?」

「家族の思い出時間ががふえるじゃろな、嵐がおさまらん事にはなのじゃ」

「ようは帰れない?」

「某もありますぞ! ぜひ、某の魂。スイカソードを探してくだされ」

「やだよ」



 即答で終わりだ。

 魔物の武器を探すとか、そもそもスイカソードって何だよ、見た目がスイカバーにでもなって…………うん?



「ええっとノラ……確か昨日……」

「うん。アレ」

「ロウよ、ノラから仔細は聞いておるのじゃ。事情を知らぬサクラとスミレはこの嵐の中探しに行っておる」


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