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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん/えんとつ畑@雑記


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第663話 帰ってくると妻との寝室で男の声がします!?

 愛しのわが家へ手土産を持って帰ってくる。

 秘密の場所にある自宅に帰ってくると知らない男がいたりするって話はよくある話で。


 そーっと家に入ると、男物の靴がおいてある。

 2人はいない。

 寝室のほうから『大きい』『穴が』など怪しい声が部屋に響いてる。

 そっと近づくと「ロウよりもうまいなのじゃ」ってメルナの声が……いや、俺は興奮しないからね!?


 そう! 俺は純愛が好きなのだ。

 だから、この気分の高まりは絶対に違う。



「メルナ! 俺が悪かったから何とぞ別れないでください!! 夜の方も弟子に戻って頑張りますから…………って何やってるの?」



 寝室をあけると、頭にタオルを巻いたクウガが壁の穴を塞いでる所だ。



「お、ロウよ帰ったのじゃ」

「え!? うわっクロウベルさん!? これはあの違くて……壁の穴を修理して欲しいと……あの、勝手に寝室にすみません」

「いや、いいけどさ……そこの穴。メルナが俺を蹴飛ばして開けた穴だし。何がでかいとか」

「…………壁穴の話じゃろ」



 何時かはちゃんと直そうと思っていた場所だ。

 俺が木の板を張ったけどでこぼこしてる。と文句を言われた場所でもある。


 玄関のほうからアリシアの声が聞こえてくると、俺の靴をみたのだろう。名前を呼んで走って来た。


 そのまま抱きつくので、思わずクウガに見せつけてみる。



「………………あの、わざとしてますよね。また殺意が出たらどうするんです」

「俺はクウガを信じてる!」

「じゃぁけしかけるの辞めてもらえません? どうでしたヒノクニ」

「ん? ああ……良かったよ。ってか知ってたの?」

「用事で来たら、ヒノクニだよ。と教えてもらいました」

「そっか」



 ちょっとの時間であるけど、カナデ母さんに会えた。

 俺の正体を言えるわけじゃなかったけど結婚の報告も出来たしな。

 孫も紹介したかったけど、俺が死んだらあの世で報告するか。



「あれクロウ君…………かっこいい顔」

「…………珍しく優しい顔付ですね」

「…………きも……なのじゃ」



 それぞれの感想を貰う。

 最後のは酷くない!? 俺だって優しい表情ぐらいするよ!?

 本音を言えばもっといたかったし、その病気も少しでも和らげる薬とかメモしてあげたかったとか細かい所は沢山ある。



「結局どうなったのじゃ? 近藤との話は」

「え? ああ……色々はしょるけど最終的に4神家の3つを半壊させて来た」



 成長した黒子が朱雀家乗り込んで建物を滅多打ちにした。その様子を見ていた朱雀家当主はなぜか黒子に惚れて、嫁に来たら朱雀家の手下にしてやる。という斜め上発言。


 嫌悪した黒子はそのまま4神家の約定の紙を破ると、あれやこれやで結局他の家を巻き込んで。家を全部瓦礫と……いやぁ凄かったね。


 一番儲かったのは近藤で『おや……君、この地下に金庫がありそうな匂いがするんだよ』と言っては隠し財産探しを手伝わされた。俺の懐が温かいのも近藤のお陰である。



「僕に話が来なくて本当に良かった……まさか家を潰してやり退けた優しい顔をしてるとは思ってもみませんでした」

「ワラワもじゃ」

「クロウ君らしい話だね」



 それとこれは違う話だ。



「ちがっ! 君達は勘違いしてる! 俺が感情に浸っていのは違う事で。別に他人の家を潰して微笑んでいるわけじゃない!」

「ドアホウよ。ではその優しけな笑みは別の理由なんじゃな? 新しい女でも出来たのじゃ?」

「本当!? 家を増築しないとね」

「違うし! ………………さっお土産があるから」



 アリシアが「話そらしたよ!?」 と、クウガも怪しいですね。と言ったりしてるけどさ。亡くなったカナデ母さんに、あった話は別に皆にしてもしょうがないもんな。


 母さんと言えば。レイアは酷かった。

 俺に対して『ねぇねぇ若い母親を見て興奮した? ねぇその赤い下着は鑑賞するの? 嗅ぐの? 煮るの?』とかマジキチな提案してくるし。


 『皆のお義母さんレイアママは娘の後でもいいのよ?』など倫理観どうなってるんだ。と……まぁ長寿族だしな。


 ちなみに赤いふんどしは色々考えたけど、結局燃やしました。

 興奮もしなければ大事な遺品でも手元に置いておきたくないし。



「それよりも珍しいなクウガがこの家にくるだなんて」

「一度は来ないと。と思いまして、前の家を壊し……いえ、クロウベルさんの家ですけどアリシアの家でもあるので」

「確かに。何か気を遣わせて悪いな」

「来たのは丁度昨日ですけどね、聖都のホテルに泊まって帰る前に壁を直して欲しいと」



 本当に悪かったな。



「あっ僕からのお土産もあるんで」



 何か慌てているようにも見えるけど、クウガはアリシアの前ではいつもこんな感じだもんな。



「何か礼を……あっ。アリシアの下着でもいる?」

「ぶほっ! げっほげほ……ゲホ……」

「喘息か? 一度見てもらったほうが良いぞ。俺の身内は咳が酷く亡くなってるからな」



 下を向いたクウガがブツブツと何か言っている。

 お前の……ふざ……やっぱ殺す……とか。うん。からかいしすぎた。



「じょ。冗談だよクウガ! いやクウガ君」

「クロウ君、クウガ君がそれで良いなら1枚あげたほうがいい?」

「辞めて」

「辞めて」



 俺とクウガの声がはもる。

 メルナに馬鹿やってないで休憩デモするなのじゃ。と言うので4人でリビングに行く。俺のお土産はヒノクニの特産品。干物シリーズ。

 マジックボックスがあるとはいえ。一部の人間しか持って無い物だし、魔石や魔法で移動させるのにもコストがかかる。で、そうなると干物が喜ばれるわけだ。



「何ていうか……ロウよ。お土産のセンスが古いなのじゃ」

「メルナに合わせました、干物ですし」

「ほうほうほうほうほうほうほう」

「家! ここは一家6人が暮らす家です! 壁の穴が増えるから」



 杖を構えたので俺も防御の構えを取る。

 ちっ。と舌打ちして攻撃態勢を辞めてくれた。


 まったくもう。



「これだから」

「ああん?」

「先生落ち着いてください、クロウ君の愛情表現ですって」

「家族って楽しそうでいいね」



 クウガが笑顔で場をまとめた。



「だったら結婚すればいいのに」

「それなんですけど、その……数ある女性と子供までいるのに今さら結婚したら男としてヤバく無いですか?」

「別にいいじゃろ……人生短いのじゃ後悔をしてもしらんなのじゃ」



 メルナはそう言うけど、確かにちょっとヤバい気もする。



「まぁその話はクウガが考えるとして、別に面倒な話持って来たら俺は受けないよ」

「別にいいですよ。久々の休暇ですし、その休暇中もクロウベルさんと一緒にいたいわけじゃないですし」



 中々言う奴だ。



「古代遺跡にあると言われている、ミエーユの水晶を取りに行こうと思ってまして」

「…………え。まじで?」

「ええ。もしかして……『また』ですか?」

「クロウ君物知りだもんねーねぇ先生」

「え? ああ……そうじゃな」



 俺がこの世界をゲームとして遊んだ事がありその知識を持ってる。と唯一打ち明けてるメルナは曖昧な返事をする。



「いや。それどうする気だ?」

「スミレ君が自由研究に欲しい。といってましたし。それほど熱心なら休暇中に取りに行こうかなって。思ってましたけど……まずいですか?」

「不味くはない……ええっと。メルナは……」



 メルナは先に首を振った。



「ワラワとて何でも知ってるわけじゃないしの。あれなのじゃ? もしかして未来が見える水晶球とかいうのじゃ?」

「いや。そうじゃなくて……ええっと」

「クロウ君何かな? 凄い気になるよ」



 言うべきか。

 水晶を使うと敵のステータスが見れるアイテムで、使い放題。

 ここまではよくあるアイテムなんだけど……鍛冶師メーリスに頼むと『ミエーユの眼鏡』が作れる。そうちゃくすると、あの子やその子の衣服が透けて見える。というアイテム。


 他の効果?

 そんな物はない。



「じゃぁ言うけど、その水晶を使った眼鏡をかけると衣服が透ける……まさかスミレはそれを」

「神アイテムですね」

「神アイテムだろ」



 俺とクウガの意見が一致すると、周りの気温がちょっと下がった気がする。



「だめなのじゃろ。いくら人生が短いからといっても根暗過ぎるじゃろ」

「うーん。さすがクロウ君の子供……ううん。私達の子なんだけどスミレ君には早いかなぁ……」


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