第658話 この小旅行編には決定的なミスがある!! そうっ──
「選んだのは玉露でした」
「何の話だい?」
「いや。そういうCMあったなって……」
「しーえ? む?」
気にしないでくれ。と言って話を進める事にした。
大きな木製のテーブルに、座布団が4つ。
俺、近藤、黒子と座って。迎え側にレイアである。
「もう急に貴方から手紙貰った時は大変だったのよ?」
そういうとレイアは近藤を見ている。
「まて母殿よ。手紙を貰った……といってもいつの話だい? 手紙を出せ。と言われたけどまたその手紙も受け取ってない」
「いやさ……この大魔女。時関係の魔法に詳しくて……多分未来の俺が手紙を出すのよ。で……この人にかかれば過去に来れるかなって……一応こっちの情報を全部書いて送ったのよ」
「青龍様、近藤様……あの、よくわかりません」
「安心しろ。私もわからん」
どう説明したらいいんだろう。
「くーちん簡単に言うと未来から来たって言えばいいのよ?」
「なんと!」
「え……大魔女様は、未来の人なんですか!?」
「そう。これを見なさい!褒めなさい!! たーいーむーとーけーいー! 改!」
改の部分だけはっきりと言うと、針が1本しかない置時計をドン! と置いた。
完全に止まっており、俺が昔見た、タイムスリップ時計とほぼ同じである。
「1号は当時の聖王ちゃんにあげちゃったでしょ? だから改。結構大変なのよ? 過去に戻るのも。当然、こっちの私は見て見ぬふりね……きっとわくわくしてるわ。くーちんに借りを返しに来たのだけど……何するの?」
「そう、貴方も青龍家当主になりませんか? コンテストに選ばれてさ……色々とめんどくさい」
「青龍様!?」
黒子から泣きそうな声がするけど、だってそうじゃない。
ちょっとヘソの緒が見つかったから。と来てみれば。お前は今日から『青龍家当主』だ! って。帰ろうにも帰りにくい雰囲気だし。
幸い血だけじゃなくて才能が認められるのであればだ。
「もう30人ぐらい俺と同じ水竜を出せる人間を作ろうじゃないか。って事で修業するのに知恵と手と道具を借りたい」
「強欲だわ」
「でも、くーちん。無理やりつなげたこの迷宮からお義母さん出れないわよ? 結構頑張っているんだけど、数日の維持が限界なのよね、娘みたいなわかりやすい別空間なら親子だしー解析も早いんだけど」
「そこはいい。連れてくるから」
「じゃっ問題はないわね」
──
────
って事で青龍家に戻って来たんだけど、なんじゃこれ。
屋敷のほうが大炎上した後になっている。
大量の怪我をした黒子達が手当てを受けている感じだ。
「チヨ婆様!!」
黒子が走ると、担架の上に寝ている妖怪チヨ婆の所に。
しょうがないので俺も一緒に行くとチヨ婆は俺の顔を見る。
「いててて……あの青二才め……これは次期青龍様。このチヨに何の御用で」
「何のって、どう見てもこの惨状だけと?」
柱何て真っ黒だ。
ああ、あんなに気持ちよかった檜風呂も真っ黒で勿体ない。
「朱雀家が部下を連れて……その……『町は朱雀家がいれば安心だ。継ぐもののない青龍家など最初から要らない! しかも噂のあの男だと……』と」
「会った事ないのに!?」
「君ぃ……あるだろ。10年前に城で」
ああ。ええっと……ちょっと遡るか。
何話……いや10年も前の事を……。
以下回想を少し思い出す。
確か幕府のやり方が気に食わなくて殴り込んだんだんだよな。で襲って来たのが 玄武、青龍、白虎、朱雀の陰陽師をふきとば……ん?
ほわっつ……? 男女男女のセットだったはず。朱雀家に関しては名乗る前に吹き飛ばしたような。
「近藤……俺あの時に青龍を名乗る奴倒したぞ、そいつが継げばいいんじゃないの!?」
「ああ。先代と貴方様の間。消えた10年の時代ですな。オロチ戦の後にどさくさに紛れて、さっさっと朱雀の当主と駆け落ちしましたゆえ。元々青龍様の力を使うだけで信頼はなかったですし」
候補生は駆け落ち、その前の弟子も駆け落ち。その前の爺さんは老衰で死んでる。呪われてるんじゃないのか。
「じゃぁ。その襲って来た朱雀の当主が襲って来た? あっでも駆け落ちしたのか」
「朱雀様は今年20才になる先代朱雀様の弟ですな……なにせ兄が駆け落ちしたのは青龍家のせいと……」
んんんん。
「よし! 潰そう」
「君ぃ!? その顔は全部面倒になって全員斬ってしまえば解決するって考えてる顔だよ!?」
「そのほうが早いかなって……だめ?」
「数時間前に人死は避けていた漢だよね? 君だよね?」
たしかに。
ほら、イベントには必要死ってあるじゃん。
奥義を授け魔王に特攻した元勇者とか、あれは生きていたけど。
反転の術を持った最強の先生なのに大見えきってやられた先生とか。
他にも鬼の誘いを断って主人公を強くするきっかけあを与えたウマイの人とか。
「青龍様……どうしましょう!?」
「え? ああ……ちょっと考え事を。とりあえず動ける人優先で。後で話がある」
「はい!」
近くの岩に座って待っていると動ける黒子達が集まって来た。
どれもこれも復讐の眼で俺に期待を込めているような眼だ。
「さて……よく集まった諸君。復讐はしたいか!! いっ!? 近藤なにも殴る事は」
「平和主義はどうなったんだい?」
「冗談だって……」
俺が問いかけると、一番前にいた黒子衆が手をあげた。
「青龍様!? 復讐して良いんですか!?」
「逆に駄目なの?」
「4神家では私闘は禁止されて……」
「え。こっちが一方的にやられたのに!?」
「これはその青龍家が現在当主がいない。という事で……その、青龍家を完全に滅ぼすまでまた何度でも来る。と」
マジで面倒。
あっちを立てればこっちが立たず。
もしかして、青龍家の次期当主がいないってのは、実力者狩があるのか。
だったら多少の納得もするし、戦闘スタイルの人いないし余った奴らが水滴しか出せないのもわかる。
「まぁいいか。ええっとじゃぁ。今日水滴を出した人でまだ頑張れるって人や青龍家を継ぎたいって人は?」
昼間は皆元気だったのに今は元気がない。
一方的にやられ、実力の差を見たのだろう。
「いないのう。それはいいのじゃが……神選組への支払いだけは頼むぞ……家で沖田君が腹を空かせて待っていると思うと酒がすすまない」
君に関しては酒を飲むのをやめようよ。
その分、沖田も飯食えるよ?
ん-どうするかな……怪我を治るまでまってもいいけど、レイアのほうが時間が足りないって言っていたし。もう一度レイアを呼ぶってのもどうなるか。
「仕方がない。世話人の黒子を青龍家当主にします」
「青龍様!?」
周りがザワつく。
「世話人黒子は水球が精一杯です!!」
「今はな」
※───幕間話──※ 『レイアとのお茶会にて』
レイアが周りに人がいないのを確認して話しかけてくる。
2人ともトイレだ。
「くーちん。今回の事はいいんだけど」
「何?」
「この方法でいくと、結局は間に合わなかった未来が増えるわよ」
「あーそれね。一応考えていて……レイアが間に合わなかった場合。俺が当主代理になり数ヶ月間我慢すればいいかなって。その間にクウガとか呼び寄せるし、後はクウガに育成頑張ってもらって……と言う考えです」
「んまぁ。じゃぁ皆のお義母さん凄い無理してここに来たのに意味が無いって事!?」
そんな事はない。
「いや。レイアのほうが話通じるし頼もしいかなって。クウガは正義や女性が絡まないと動き鈍くて」
「そう言う正直な所好きよ。そう人生短いもの面白さを追求しないと」
人間の30倍は生きそうなくせに。




