第650話 子供姿でも周りは大人である
「残念だったな! レイア!! いや自称お義母さん!」
「自称じゃなくて本当なんだけど? 一応聞こうかな? ほらお義母さん心が広いから」
せまいだろ。
まぁ聞いてくれるなら言うか、《《子供の姿》》で堂々と勝ち誇る。
と、言うのもの子供姿には以前にもなった事がある、その時は別次元に言って子供姿になっていたのだ、脱出した時に魔力が戻り大人姿に戻った。
「子供姿はもう体験済みだ」
「え、ボクは初めて見たよ!?」
ノラのツッコミは置いて置こう。
だってあの時はメルナとアリシアしか見てないし。
「まぁお義母さん一世一代の失敗だわ……」
なぜか棒読みのレイア。
人を小馬鹿にしおって。
「で? そんな子供姿で中身は大人のろーちん。どうやって戻るのかしら?」
「答えは直ぐに。と、言うのもさ前回は異空間に行くのに魔力を消費し脱出した時に魔力の光を浴びえばすぐに戻った」
「お義母さん頭のいい息子を持ってうれしいわ、で? どこで浴びるのかしら?」
「どこって…………おーまいがっ! クロウベル一生の不覚!!」
「クロー兄さん、常に不覚してるよね」
ノラの鋭いツッコミを聞き流す。
確かにあの時は異空間の飲まれるのに魔力を使って脱出するのに帰って来た。
じゃぁ今と前提が違うじゃん!
「クロウ君もう少しだよ!! ほら……クロウ君じゃなくても」
アリシアから天の声が聞こえた気がする。いや、実際聞こえた。
そうか何も俺じゃなくて良いのだ。
「そうか! クウガも赤ん坊にまで戻った!! あの時はメルナの薬で元の体に戻ったはずだ!! 一瞬おっさんまで戻ったけど」
「ちっ」
レイアが舌打ちをする。
いや、怖いって。
「さすが、ろーちん……まさか前例があったとは皆のお義母さんの敗北よ」
「当り前だ。俺とクウガは合わせると、老人、子供、赤ん坊、異空間、多重世界、ちょっと違うけど性別逆転世界、時間ループ。多重世界からの刺客など問題を解決してる!」
「殆どはクロー兄さんのほうだよね。それにしてもよく生きてるね」
「まったくだ」
今回のツッコミはちゃんと拾う。
「じゃぁ可愛い娘が帰ってくるまでこのままって事ね」
「……そうなる。何直ぐ帰ってくるだろ」
「永久に帰って来な……あら」
一瞬フラグか? と思ったら噂をするとなんとやら? という事で玄関の扉が開くとメルナが帰って来た。
部屋の中に入るのにスリッパに履き替えると俺と眼が合う。
そしてそのまま驚きもせずソファーに来るとテーブルの上に紙袋を置き始めた。
「小僧からお土産。と渡された学園のお菓子なのじゃ……小僧のほうが生き返った。という事で問題は解決したのじゃろう。と思って戻って来たなのじゃ。あれ以上学園にいると他の面倒事が多くての……連日その授業を受けたいって子供が多すぎるなのじゃ」
メルナってツンデレ教師タイプで、めんどくさそうにしてるけど人に教えるの好きみたいだしな。じゃなくてだ。
「いやいやいや」
思わずメルナの横に立つ。
メルナの表情はいつもと変わらない、綺麗な顔。
「じゃなくて。あの、俺の姿見てほら、驚くとか。子供姿だよ!?」
「そうよ! ろーちんの体を張ったギャグよ!」
それは違う。
「んあ? あー……っじゃから子供姿に戻ってるだけなのじゃろ」
「え、だけって結構一大事じゃない? もしかして可愛い娘のメルギナスってろーちんの事興味ない!?」
「辞めて? 『はい』とか言われると傷つくから」
と思わず声に出てしまった。
確かにそれなら、この興味なさげの行動も納得できる。
「それに俺の……本人の前でその答えを、俺の心はガラスのように繊細で──」
「ドアホウのは貫けないガラスじゃろ……はぁ……お騒がせ女が来てるから言うのじゃが……これぐらいの事でいちいち騒いでいたら精神が持たんのじゃ。そもそもこのドアホウは。過去、未来、並行世界、など行ったと思えば女になって戻ってくる。魔力馬鹿で、惚れた女のために異空間まで迎えに来る男なのじゃ。ああ、あと天然の女キラーなのじゃ」
「まぁ!?」
レイアが凄い嬉しそうな声だ。
最後は違うけど、惚れに人間なんていない!! っていったらメルナとアリシアの立場が無いけど。ほら2人とも一般人じゃないし、例外って事で。
「メル姉さん凄い。クロー兄さんと殆ど同じ事言ってる」
「そう言う事いえる2人が本当に大好きだよ」
「いやあの、アリシアも奥さんだからな……ノラは可愛い妹だし」
部外者扱いはしない。
「そこで、それを2人に言えるろーちんは凄いわ……でも皆のお義母さんである私の敗北ね。本妻にはかなわなかったわ」
「良いから用事終わったら帰ったらどうなのじゃ……?」
「酷い! お義母さんじゃ邪魔者なのね!」
「邪魔者なのじゃ」
慈悲も無くドストレートに言うメルナに思わず吹き出しそうになる。
「はいはいはい。じゃぁ帰るわよ、一番の用事は終わったし」
玄関に行くので全員で自然に見送る。
外の庭に魔法陣が現れると空間が歪み、レイアの部屋が向こう側に見えた。
「相変わらず空間系に関しては、ワラワよりも……規格外の魔法なのじゃ」
「迷宮と繋がる事によりよ。迷宮ボスの上位種って迷宮内のどこでもワープするじゃない? その応用で」
「ほう、それを結界内に」
「あの2人とも庭先で魔法授業やめて? それよりも『転移の門』と同じで向こうからもこっちみえるの? 見えていたら冒険者逃げない?」
俺の考えで言うと、ボスが突然出てくる時は準備も何もない。
こんな魔法使われたら普通気づくはず。という質問だ。
「さすが、ろーちん……一方通行よ。ほらこの場所に来る時も気づかれなかったわよね」
「確かに……じゃぁ何この魔法……覗き放題じゃん」
女性4人が突然黙りだして俺をじっとみる。
ノラなんて「うわ……」って声だしたよ?
「いや。エロい事とか考えてなくて! その防犯としてこれはどうなのかって話で」
「そうねぇ……ろーちんが使えるとは思えないけど魔法の改良をするわ」
「そのほうが良いじゃろうな」
「クロー兄さん、頼むから学園でそう言う事いわないでよ?」
「クロウ君覗くの好きだもんね」
風評被害まったなし!
「俺が1度でもえっちな目的で覗いた事あった!?」
「あるなのじゃろ」
「あるよね」
「ボクはクロー兄さんの味方をしてノーコメントって言っておくよ」
「……………………さ、レイア気を付けて。月並みだけどトラブルは持ってこないで……サクラやスミレに会った事あったっけ? 今度会うといいよ」
周りから話題変えた。とか聞こえてくる。
ああ、そうさ! 変えたよ変えた。




