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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん/えんとつ畑@雑記


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第647話 脅された長寿族(女性)の唯一出来る男性への御奉仕とは?

 なんだろう、嫌われてる気がする。

 現在は森にある野営地で今後の事を話し合う予定……なんだけど。

 どうも、そのユーティーから距離をとられている感じが。



「で……飯でも」

「飯!? な、なんだ食べた後に油断を誘いざっくり行くのか!?」

「誰のだよ!?」

「………………ち、違うのか」



 ほら、何か安堵した顔だし。



「ええっと……必要な情報は適当に書き写してもらって。俺は黒いノートを持って帰る。でOKか?」

「それなんだが。もしかして書き写すのか遅いと、私を殺すのか?」

「殺さないよ!? 考えがオーク過ぎる。君あれよね!? 長寿族だよね……頭いいのに何で俺と殺し合いをしないと!?」



 ずっとこの調子だ。

 人を何だと思っているのだ。

 こちとら平和主義。話し合いで解決できるのは話し合いにしたいタイプだよ!?



「なるほど。じゃぁどうやったら機嫌が治るのだ……? 貴様はあのゴブリンを殺してから機嫌が悪そうだ」

「もしかして、俺の機嫌を取ろうとしてる?」

「あ。当り前だ!! そ、そのお前は気に入らない奴がいたら即殺すのだろ!?」



 どんな野蛮人!?

 出会ってから1000年以上の付き合い、かっこ実質の付き合いは1ヶ月ほど。なのに俺の事を全然わかってない。


 あの時は本当に偶然。偶然だよ? 機嫌がちょっと悪かっただけで。


 大体、メルナとアリシアを差し出せって終わってるだろ。

 昔会ったゴブさんみたいな自身を魔物と認め、それでも人間が好きな変わった人かなって思ったら自分勝手すぎるし。


 でもまぁ、あれだ……もしかして、俺が機嫌悪いって事にしておいた方が、色々と要求できる? ほら立場は上の方が交渉がしやすい。



「よし! ここは──悪役にてっす…………ああ、いや何でもない。ええっと。そうだな俺を満足させれば殺さないでやる。そもそも俺はノートとインクを回収しに来ただけだしな。レイアにも死体があったからそこから回収したって言えばいいし」



 ユーティーの顔が蒼白だ。

 おもろ。

 ちょっとした手下が出来た。

 まずは帝国で豪遊して、その金はユーティーに払ってもらうとして、お土産代も貰うか。



「貴様……これを食え」

「ん?」


 いつの間にか鍋のスープをよそってくれていた。



「やるんだな」


 確認するかのように俺に言って来る。

 飯を食うだけだ。



「何が? まぁありがとよ」



 早速、メイドのように動くとか献身的だな、だがここで優しい顔をみせると悪役に徹する意味が無い。せめてお土産を買ってもらうまでは。


 今日の鍋は兔の肉やコモドドラゴンの肉。野菜や魚をごった煮して味を調えた鍋だ。俺が一口食べると、じっとその様子を見てくる。


 正直食べにくい。



「ユーティーも食べたら?」

「そ、そうだな」



 凄い食べたく無さそう。

 だってスープを持ったまま下を向いてカチャカチャとスプーンを回してる。

 不味くはないはずなんだけど、俺はもう2杯目をよそってるし。



「ユーティー?」

「た、食べる!! こ、殺されたくないからな!!」



 スープ食べないだけで殺しはしない。

 どんだけ悪役だと思っているんだ。

 目の前でスープの入れ物が空になるのを見た。


 ドクン。


 ん?



 心臓が大きく鳴ったきがする。

 体中が熱い。

 座っているの立っている。


 意味不明と思うが、俺の股間の事だ。


 別に欲求不満とかそう言うのは無くて、そもそも俺は15歳の頃からある程度訓練した結果、ある程度抑えれる。

 自分の意思以外でこうなるのは、まるで『マテリアの枝』の入った鍋を食べた『あの夜』のように。



「いや待て! 味がおかしかったか……」

「そ、その優しく頼む」



 ユーティーが赤く頬を染めては衣服を脱ぎだす。

 色気のない下着姿になり、手はもうブラを取ろうとしているじゃないか。




「まてまてまてまてごるあああああああ!!」

「ひっ! な、なんだ! その脱がないではぎとるような乱暴なのが好みなのか!?」

「それはそう。……じゃねえええ!? ユーティーお前鍋に何を入れた!?」

「何って貴様も見ていただろ。その最初は怖いから『マテリアの粉』をいれるぞって小さく確認したぞ……貴様はブツブツと『お土産だな』って頷いたではないか!」



 やべえ。まったく聞いて無い。

 気づいたらよそってくれていたし。



「とにかく! 体の関係とかそういうのはナシ! どんな顔してメルナに会えばいいんだよ」

「黙っていればいいじゃないか!!」

「確かに」



 秒で論破されてしまった。



「いや、そうじゃなくて。俺が嫌なの……俺みたいな変人と付き合ってくれるって今後1000年たっても居ないよ? しかも2人同時にだ。メルナが出てってもアリシアは残ってくれるかも知れないけど、絶対ふさぎ込む。でだ!」



 頭のいいメルナがそれを考えないわけがない。

 最悪のシナリオはメルナはアリシアを説得しようとするが失敗。アリシアはメルナが出て行くなら殺してください。まで言うかも知れない、だってヤンデレだしな。


 そこからだ! メルナは考えた末にアリシアの意見を尊重して殺すと見せかけて記憶を封じるかもしれない。残った俺はアリシアの記憶を解除する事を諦めてメルナを探そうとするも、やっぱりアリシアも心配で。


 結局どうしようもなくて酒におぼれるのだ。



「とにかく! 俺はしない!!」

「貴様……案外大きいのだな」



 俺が仁王立ちしてるから、眼に入ったのだろう。



「案外ムッツリ!?」

「しょ、しょうがないだろう!! こうでもしないと、貴様の機嫌をよくするには……どうしていいか!!」



 ユーティーの眼から涙がこぼれる。

 やっば……泣かせてしまった。

 泣かせる気は全くなかったです。



「ホンの冗談で……まじで殺すとか殺さないとか冗談で……ほら、あの時はちょっと気が立っていたというか。はっはっは俺の股間と同じだな」

「…………」



 あれ。笑ってくれない。

 まだ泣いてる。



「じゃ。じゃぁ……その。貴様に体を差し出すのは……」

「しなくていい! むしろ貧相な体は好みじゃない」

「なっ!? あの聖女も貧相だろう!!」

「アリシアには母性があるから!!」



 じゃなくて。

 マジで心臓が痛い。

 ユーティーの方もヤバそうだな。



「ゴブリンの巣に行くぞ」

「集団プレイ!?」

「違う!! そもそもだ!! この薬は体内の魔力を大幅に上げる効果がある。じゃぁその魔力を消費を一気にすれば多少は収まるはずだ」

「そうなのか?」



 無知すぎるだろ!?

 そうなんだよ、たぶん。



「いいや、首都パールの近くにゴブリンの巣があるのがダメだ! 旅人も困るだろ? 定期的に掃除はしてるとは思うが……でだ! ここは俺達が『全魔力を使ってでも』コテンパンにすれば、感謝状の1つでも貰えるだろ」

「そ、そうか……いや。そうだな……その先ほどから私の体が熱くて」



 でしょうね。

 俺でさえ、ぎりぎりなのだ。



「ゴミ1つ残さずガンバレばだ。薬の効果が偶然切れるわけだ」

「なるほど!?」



 このさい、残ったゴブリンの事なんて気にする事はない。

 運が悪かった……と諦めて欲しい。

 恨むなら俺じゃなてユーティーを恨んで、まじで。



──

────


 帝国首都パール城下町。

 冒険者ギルドで缶詰状態だ。

 全然知らない若い職員さんが俺の前にくると引きつった笑顔で話しかけてくる。



「あ、あの……確認とれました。帝都近くのゴブリンの巣ですね……いえ。巣の残骸。大量の火薬……があったと思う場所。大量の武器が作られた……と思う場所。全部跡形もなかったです」

「でしょ? 退治しておいたから」



 ひそひそと『ゴブリン相手にそこまでやるか?』とか『あれが噂の未公認冒険者だ。ああやって殺りくを楽しむ』や『隣の亜人可愛い……』など聞こえてくる。



「あの。報酬金は」

「ああ、いいよ冒険者じゃないから。こっちに長寿族に払って」

「いえ報酬金と調査代を差し引きしても、足りなくギルドが頂きたいのですが」



 ああ、そう……仕事して金を払う。

 なんなんこのシステム。



「貴様に代わり、私が払おう……」

「うい……」


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