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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん/えんとつ畑@雑記


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第645話 美少女が外でするわけないだろ! と進化したゴブリンロード

 俺は何度でも這い上がる! と、言う訳で都合2回ほど崖から落とされたけど、こうしてユーティーの前まで戻って来た。

 高さ数十メートルだぞ……俺じゃなかったら死んでる。

 冒険者の死因は迷宮や魔物にやられるじゃなくて、こういう滑落、遭難が多いって話。



「うわ……ゾンビよりきも……」

「真顔で辞めて」



 戻って来た俺に対して罵声とかじゃなくて静かに言って来る。

 純粋に傷つくから辞めて。

 俺だって人の心あるんだし。



「と、とにかく! 道にあったその……うん……は私のじゃない!」

「え? 聞こえなかった。う……ま?」

「違うわよ!! その、う…………こ」

「ウラシマタマゴ?」

「どこをどう聞いたらそうなるのよ!! 3回目落ちろ、ほら、落ちろ!!」



 俺の背中を無理やり押してくる。

 俺だって落ちたくはない。



「ストップ!! わかった!! はい、分かりました!! ウンコでしょウンコ!!」

「大きい声で言うな!」



 やっと手を離してくれた。

 小柄なくせに力が強い。身体強化の魔法でもかかってるのか?

 あってもおかしくないな。



「で……何でこんな森に。遭難したのか? 人間は馬鹿だから、街の方向は教えようか。あっちだよ!」

「俺の感覚で言うと街はこっちなんだけど」



 俺もユーティーも別々の方角を示す。



「あっちよ!」

「こっちだって……」



 話は平行線だ。

 そもそもコイツって方向音痴。そんな奴の『あっち』なんて信用出来ないんだけど。



「まぁそれは勝手に帰るからいいんだけど。死神のノート返してくれない?」

「え、何の事」



 1から説明するのも面倒だけど、かくかくしかしか。という事で軽く説明する。

 話を聞いている間も、ユーティーはどこからかポテトを出して口に入れ始めてる。



「何?」

「いや、説明中に食べるんだって」

「説明中に食べちゃ駄目だったの!?」



 そう言われると、ダメとは……行儀悪いってのも人間の考えだしな。



「レイアから説明されてる時もその食べるのか?」

「レイア様からご説明されてる時に食べるわけない、失礼だろ」



 うん。もうコイツを崖から落とそう。

 笑顔で近づいて一気に背中を押した。が、思ったよりも崖から遠いし踏ん張る。



「き、貴様! お、押すな! 崖から落ちるだろ!? 死神のノート要るんだろ!?」

「うるせえ!! 死体からはぎ取る!! どうせ長寿族何だし、この崖から落ちた所で死なないんだろ!?」

「死ぬに決まってるだろ!!」

「え、そうな…………のおおおおおおおお!?」



 力を抜いた結果、俺は空中にいた。

 ユーティーの『げっやば!』みたいな顔を見たまま自由落下する。

 ってかだ。



「水盾・連」



 足元に水盾を複数唱える事でクッション代わりに、魔力の水でおぼれそうになったけどその水も空気中に溶けて消えていった。

 崖をぐるっと回り登るとユーティーが待っていた。



「インチキ! 最初に落ちた時にそうすればよかったのに!」

「そこは、ごめんなさいじゃないの!?」

「貴様! この私が悪いって言うのか!?」

「いや、ごめん」

「解かればいいのだ、解れば」



 何故か俺が悪い事になっているか、もうよくわからんから謝った。

 世の中男が謝ったほうがスムーズにいく事が多い。

 これも時代です、はい。



「で……死神のノートを間違えて持って来た。とかこの私がそんなミスするわけないじゃないか」

「ミスをしてるから俺がいるんだっての! 買い物は知らんから返してくれ」

「一度レイア様に会いたい!」

「頼まれ事終わったら会えるだろ……早く」

「数日待って!」



 なんだ、さっきから帰したくない感じするな。



「そもそも1人死んでるんだ。後インクも返せ」

「じゃぁ……あれ、倒してきて」



 突然に古臭い簡易望遠鏡を渡して来た。

 仕方がなくレンズを見ると、強制的に角度を合わされた遠くに洞穴がみえ、ゴブリンが出入りしているのが見える。



「ゴブリンだな……ええっと、確か頭いるんだっけ?」

「そうだ! 凄いじゃないか! 馬鹿なくせに記憶力いいんだな!!」



 褒められてるのか?

 んんん!? あのゴブリンが持ってる『黒いノート』は何だろ……?

 《《僕》》とっても嫌な予感がするぞー?


 古めかしい望遠鏡から視線を外しユーティ―の顔を見る。



「あのノートっぽいのは?」

「ええっと……盗られた!」

「盗られるなよ!!!」

「盗られたくて盗られる奴なんていない!」



 …………それはそうだけどさ。



「聞いてくれ頼まれていたゴブリンの頭……何もその辺のゴブリンの頭じゃだめで……魔力が無いとだめで……乾燥コーンに魔力を込めて……森に撒いていたんだ」

「ああ、あのウン──うぐ!」



 腹パンされた。

 回避する暇もない速さである。



「最終的に知能が上がったっぽくて……盗られた」

「なんともまぁ……じゃぁ俺は待ってるから」

「私1人で倒せるわけないだろ!!」



 見事な逆キレである。

 俺はちょっとクネクネ動く。



「でもでもー……俺がぁぁ取り返しにいってもぅ……ご褒美がぁ……ないと……言うかぁ……ユーティーの貧相な体は要らないしぃ、お金も今は要らないしぃ……俺がぁ欲しいような…………そこはぁああああああ。冗談だって落とそうとするなって!! でも、まじで俺が取り返す事になるのおかしくない? 力抜けってマジで落ちるって。あまり騒ぐと向こう側にバレるって」

「これだから貴様は! メルギナス様やレイア様が何故信用するのかっ! いいだろう!! わかった! メルギナス様が使っていた『おしゃぶり』を渡す!」

「えっマジ!?」



 言ってみるもんだ。

 ちょっとごねたらレアアイテムが出てくるとは。




──

────


「急げ!! ユーティー!! こっちだ!!」

「待て! 先に逃げるな!!」



 俺とユーティーは森の中を走って逃げてる。

 ゴブリン何て余裕だろう。と思っていた俺はユーティーを連れて突撃した。

 しかし最初に落とし穴にはまったのはユーティーで、俺はそれを助けようとしてさらに罠に引っかかる。そこの大量の落石が来たと思うと、ゴブリンメイジからの一斉射撃だ。


 下手な騎士団よりも統制が取れてる。

 俺も1匹2匹なら余裕で倒せるよ。そこにオークよりもでかいゴブリンが剣を振りかかって来たのだ。


 凄い事に俺の片腕を持っていかれた。

 ユーティーを引っ張り上げ、こうして戦術的後退をし。



「追っては!?」

「はぁはぁ……大丈夫と思う。それより貴様!? 腕を」

「ああ、再生されたから」

「………………きも」



 だからスンと真顔になるのは辞めろ。

 とにかく知能上がりすぎだろアイツら!!

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