第595話 あれクロウベル君、主人公だったよね……? の平和な別世界
「このワラワが言う事でもないとは思うのじゃが、小僧よ。学園にはいかないのじゃ?」
「うい」
俺に質問をしてきたのは長寿族で銀髪の男性。
イケメン魔導師メルギナス。
現在は夕飯の時間で、俺と魔導士メルギナス。聖公アリシと共に飯を食ってる所。
と、言うのも。
なぜか俺は俺含め周りの性別が違う世界に来てしまった。
原因は不明。
いや、イケメン魔導師メルギナスが言う事があっていれば呪い。との事。
呪いの元は『女神の本』じゃないの? と既に10日ぐらい前に聞いた話。
あの時はびっくりしたね、メルナとアリシアと一緒に寝ていたはずなのに。
起きたら見慣れているけど見慣れない物が俺の頭に乗っていたんだもの。
お殿様! だ。
全然うれしくないけど……お互いに。
もしかして俺ってそっちの趣味があったのか!? とお尻も確認したし。
で…………相手と誰なんだ!? と戦闘をしていると、そこでやっとこの世界の事を知ったのだ。
本来であれば直ぐにでも学園に行くべきだろう。
「前にも言ったけど……その。クウガも女なんだろ?」
「クウネじゃな」
「物凄い美人らしいじゃん……」
「美人じゃな。クロウネルがあれほどの美人も同性とはいえ、キュンキュンしそうだわ。と言っていたぐらいじゃしの」
「駄目でしょ。その俺自慢じゃないけど……強い女性に弱い」
これは本心だ。
男版メルギナスだから言える男同士の秘密の話。
そもそも!!
魔女メルギナスに惚れたのも外見もそうだけど性格含めだからね!? 後にだらしないのを知ったけど、それで変わる事もなかったし。
「あっはっは。男版クロウさんらしいね、はいこれ追加の肉巻き。どうかな? お酒に合うと思うんだ」
「うわ。こっちのアリシも凄いな。美味そう」
「味付けは、クロウネル好みにしているけど、たぶん大丈夫と思うよ」
一口食べると、焼き肉のたれみたいな味でゴマが効いていてめちゃ美味い。
白米をかき込みたい所だ。
「はい。白米」
「な、なんですと!?」
「いや、クロウさんって米好きだって、あってます? 今朝東方産の買って来たんですけど」
「合ってる! こっちにも米はあるけどちょっと違うのよね。東方産のほうが美味い」
美味しい飯を貰って腹がいっぱいになると背伸びをする。
「まぁワラワ達に取っては、無事に解決するならいいのじゃしな。ロウも毎回トラブルを」
黙っていると凄い美形な男だ。
喋っていても美形か。
一方アリシア。じゃないアリシのほうは可愛い系の顔だな。
こっちもこっちでアイドル顔だ。
「そう。女性版俺であれば! 絶対に解決してくれる。だから俺はここで待つ!! それに、俺が学園に行ってクウネにぞっこんしました。ってなったら嫌でしょ?」
「それは……小僧が断ればいいのじゃ」
「そうですよね。先生」
「甘い! 普段の俺なら断る事は簡単だ。だってメルナがいるから、でもメルナとすぐに会えるわけじゃない! だから俺はここにいる!」
「男版クロウネルは結構薄情なんじゃのう」
呆れているが別に追い出す事もしない。
それぐらいに俺を。じゃなくてクロウネルを信頼してるんだろう。
まぁ建前は色々あるけど、実際は面倒くさい。と言うのも。
「今日もするのか?」
「まぁね。恩返しみたいなものだし」
「後はワラワ達に任せても……いや無粋じゃったな」
俺が薄着になると、メルギナスのほうも衣服を脱いできた。
男のランニング姿で高身長でそこそこ筋肉があるのがうかがえる。
脱ぎ散らかした衣服はアリシが丁寧に畳みだす。
腹に力をいれ「裸祭りじゃあああああああああ!!」と叫ぶと魔導師メルギナス
「オゥ!」と応えて来た。
うん。ノリいいよな。
外に出てツルハシを持つ、魔導師メルギナスはスコップだ。
よろよろと台車を動かすのはアリシで、俺達3人は巨大な穴を掘ってるのだ。
ほどばしる汗。
飛ぶ水滴。
いいよな。イケメンって汗さえも売れそう。
ちなみに魔女メルギナスの汗が売っていたら多分買う。
俺は別に汗フェチでもない。
よーく考えて欲しい。
俺以外の奴が買う。と。
やだよ、メルナの汗がそんな変態にかわれるの。それだったら俺が買う!
でも買った後どうするか。
「小僧。どうだ?」
「おっと、もう少し大きめがいいかな。3人で入るなら」
「2人とも頑張ってー。わたしは土を捨ててくるね」
「たのまぁ」
何を作っているか? と言うと露天風呂である。
魔法でちゃっちゃと穴を掘れば早いんだけど、水系の魔法って穴掘りに向かないし。
ほら。ここで世話してもらってる代わりに露天風呂の土台を作ろう。って思ってスコップで掘っていたら2人も参加してくれたのだ。
いやぁ平和でいいな。




