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負け悪役貴族に転生した俺は推しキャラである師匠を攻略したい  作者: えん@雑記


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第594話(他人視点)そういう所だよクロウネルさん!

「困りましたわね……」



 ユニコーンのぬいぐるみが、行方不明。

 まさに、伝説のユニコーンその物ですわね。


 腰にサクラが抱きついたまま思考を巡らす。

 誰か取った? うーん考えにくいわね。

 サクラからはイジメの報告は来てないし、その辺はノラも気をつけて見てる。って。



「一応落とし物の部屋も見に行ったんだけどね、ユニコーンのぬいぐるみは無かったよ」

「はい! 無くても寝れるんですけどあると幸せな夢がみれるんです!」



 でしょうね。

 元々バグと言う魔物ですし。

 ツクモ神になったというか、散々言う事を聞かせたので暴れる事は無いはず。


 でも所詮は夢は夢よ。

 私がそう思っているとクウガが酷く残念そうなため息を出した。



「何かしら?」

「いえ、そのぬいぐるみがあれば夢の中に入れるんですよね? それとも夢をいじれる? 物凄いアイテムじゃないですか……僕もその使いたいかなって」

「あら男をはびこらせて聖女気どりの夢かしら?」

「僕は男ですよ!? どちらかと言えばハーレムを…………」



 クウガの言葉が止まった。

 なんだろう、バツの悪そうな顔ね。



「クロー姉さん。校長は女性が嫌い。嫌い。と言いながら結局はハーレムが欲しい男なんだよ」

「ま、まって。言葉のミス。別に僕はハーレムを狙って無くて、逆にそれを解消するために旅に出たのも。あっそういえば向こうの僕って女なんですよね。どんな人なんです?」



 向こうのクウネ。

 女性でありながら各地を回って人助けをする女性。

 困っている人を助けたい。と剣の腕があり人望もある。

 男性に人気があり、私から言わせると〇〇チよ! でも、アゲ〇〇って言うのかしら? 関係を持った男性達は皆幸せそうなのよね。


 酷い時なんて当番制で男性がくるのよ?

 まぁそれを仕切っていたのが、クウネの幼馴染のアリシなんだけど。



「一言で言うならビッ──」

「姉さん。後でサクラに説明するボクの事を考えて説明してね」

「ッ!? セーフ!!」

「アウトに近い気がしますけど、大体想像は出来ました。あの、本人もそんな気は無いと思うのでこっちの僕からも謝罪します」

「そうそれなのよ……あれだけとっかえひっかえして憎めないのよね……卑怯だわ」

「それよりも人形の事だよクロー姉さん」



 たしかに。

 サクラを抱き上げぐるぐる回しながら考える。

 ぬいぐるみ。なんて勝手に移動する?

 盗まれた?

 誰が?

 イジメはない。

 売る?



「そうだわ! クウネ! 人形を買い取ればいいのよ!!」

「クウガですけど」

「男のくせに細かいわね」



 すぐにノラが「そう言う発言は後で問題になるから言わないほうが良いよ」と注意されてしまった。なによ、本当の事なのに。



「で、買い取りとは?」

「そのまま。言うてサクラは普段抜けているけど物はそんなに無くさないのよ……実際なくしてるけど、でね。ただ見つけてって言っても誰も来ないわよね? ぬいぐるみを買う。と言う事で戻ってこないかしら。ほら、ギルドの買い取りとかよりも集まると思うの。違う奴は綺麗にあらったり壊れたのは新しく直せばいいと思わない?」



 自分の中ではいい案と思う。

 問題は私には買い取るお金がない。

 悪役令嬢と言っても元も元! 今では落ちぶれてるんですから!



「ノラ先生はどう思います?」

「いい案と思うよ。全員が武器の扱いに長けてるわけじゃないし、手先が器用な生徒達に補修を任せてもいい。それに売る事も出来るかも」

「あっ。それだったら学園のマスコットを作ってもいいんじゃない?」



 私が案を出したら、2人黙った。

 まじまじと私を見て口を開けてる。



「な、何!? 変な事言って無いわよね?」

「…………クロー姉さん。そういう所だよ」

「姿は違ってもクロウベルさんはクロウベルさんだな。って思いました。いい案と思います。この学園ってシンボルマークが無いんですよ、いいですね……それこそこの問題が解決したらユニコーンのぬいぐるみでもいいかもしれません。副校長に伝えてきます」



 え、まって……却下されない?

 私が心配してると、ノラが私の顔を見てくる。



「クロー姉さんは知らないかもだけど、クローディア副校長は校長のやる事を基本反対しないよ……だから困ってる」

「そうなの?」

「そう。例えば校長がどこかに消えて、シャワー浴びて来ても何も言わないし……校長が突然授業内容をかえても、何かお考えの事。と言っては反対しないし……」




──

────


 クウガがぬいぐるみ買い取りキャンペーンをして3日目。

 長蛇の列もやっと終わりが見えて来た。

 と、いうのも。


 クウガのお馬鹿さんが『新古にかぎらず、ぬいぐるみを1個金貨15枚で買います』と宣言をしたのだ。

 地元のファーストの街から、遠くフユーンの街のさらに先まで、ぬいぐるみを売りに来るわ来るわ。


 そりゃそうよね。

 1個15枚。

 日本円で15万ぐらいとして3個あったら45万よ!?

 金に汚い……おっと、お金を稼ぎたい冒険者が見逃すはずない物。

 世界中のぬいぐるみが集まってる気分だわ。


 今は臨時に作った買取場所の裏で休んでいる。

 買い取ったぬいぐるみを選別する部隊、洗う部隊と思ったよりも大事に。



「ノラ。後何人かしら?」

「ええっと並んでいるのは、30人ぐらいだね。後少しだよ」

「本当に世の中にはぬいぐるみが沢山ある事」



 積まれたぬいぐるみを横目に思わず口が出る。

 中にはその、男性が夜な夜な使うような女性型の人形を持って来た冒険者も。

 さわりたくないんですけど……仕方がなく買い取りましたわよ。

 学園ですわよ? 子供達が通う学校によくそんな物を、ぶっ殺そうかと思いましたけど、ノラに止められましたの。



「よし、残り少し頑張悪わよ!」

「そうだね」



 暗幕の裏から出て買取を再開する。

 可愛らしいぬいぐるみから、ゴミから拾って来たようなものまで。

 最後の1人になるとやっと一息が付いた。



「あのーぬいぐるみを金貨15枚で買ってくれると聞いて」

「買いますよー」



 もう何百回も聞かれた質問。

 私も事務的になってしまう、声は若い女性。

 魅力的な胸と腰を持つ女性だ。


 まるで女神のよう。



「このぬいぐるみ、壊れちゃって……」



 ごろん。と出てきたのは角の折れた馬のぬいぐるみ。

 別名ユニコーン……。



「はぁ!? 女神ダークネス!!」

「あら。ごめんなさい。女性には興味ないの、出来れば15歳までの男の子がいいわ」


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