表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異端者達のメメント・モリ ~冬の始まり  作者: Mr.M
十章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
91/114

第91話 人を殺す理由

時計の針が

コチコチコチと時を刻んでいた。


僕は新たに用意した

アイスコーヒーを手に、

椅子に座った。

白露はベッドの上で胡坐をかいていた。

「どうだ?

 これではっきりしただろ?

 円を殺したのは田村だ」

「う、うん・・」

僕はコップに口をつけた。

いつも飲んでいるはずの

アイスコーヒーが、

ひどく苦く感じた。

「何だよ。

 納得してねえって顔してるぞ」

僕は小さく首を振った。

「田村・・先生が、

 円を殺したのはわかったけどさ。

 それなら。

 妻鳥を殺したのは誰なんだろう?」

レジ袋に空いた2つの穴の奥の目が、

パチパチと瞬いた。

「あんっ?

 そりゃあ田村じゃねえのか?」

白露がさも当然のように答えた。

「何のために?」

「へっぷ。

 そりゃあ・・お前・・あれだ。

 その・・。

 つまりだ。

 人を殺す理由なんて、

 考えるだけ無駄だぜ。

 そこにはただ、

 殺したって事実があるだけだ。

 それ以上でもそれ以下でもねえ」

そう言うと白露は、

「ヒヒヒ」

と笑った。


時計の針が

コチコチコチと時を刻んでいた。


「そんなことよりもだ。

 円の霊だがよ。

 ありゃそろそろ消えるぜ」

「えっ?」

僕はハッとして白露を見た。

「悪霊の目的は、

 憑いた人間を苦しめ、

 破滅させることだけどよ。

 あいつには無理だ。

 そんな力は残ってねえ。

 恐らく。

 近いうちに消えちまうだろうな。

 それがわかってたから。

 あいつは俺様に

 すべてを告白したのかもな。

 妻鳥を愛してたことを含めてな。

 無念だろうぜ。

 悪霊になってまで、

 自分と妻鳥の

 復讐を果たそうとしたのによ」

白露は肩をすくめた。

僕の胸の奥は

黒い霧に覆われていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ