第81話 他愛もない話
放課後。
僕は圭太と良司と一緒に校門を出た。
僕達はしばらく他愛もない話を
しながら歩いていた。
「まさか。
あの女王様が死んだなんてな・・」
圭太がふいに、
円の話を切り出した。
「びっくりしたんだなぁ」
良司も神妙な面持ちで頷いた。
圭太はさらに続けた。
「深夜に
本所町で何をしてたんだろうな。
あいつん家は允恭町だろ?
そういやあいつ、
年の離れた姉貴が2人いるだろ。
確か。
2人とも家を出てるんだよな?」
「恋人に会いにいったんだなぁ」
恋人という言葉に、
僕は一瞬、
胸が騒ついた。
「はんっ?
あんな性格の悪ぃ奴に恋人なんて
いるわけねえだろ」
「それは圭太に対してだけなんだなぁ」
「けっ!
性格が良い奴は、
『Dゲーム』なんて提案しねえよ。
あー。
『Dゲーム』が無くなって清々するぜ」
「でも。
掃除は当番制の方が
良かったんだなぁ。
毎日掃除をするのは面倒なんだなぁ」
圭太の言っていることは尤もだったが、
良司の言い分にも一理あった。
『Dゲーム』が終わってからは、
放課後になると
全員で掃除をしていたが、
実際のところ、
効率はあまり良くなかった。
というより。
この2人がまともに掃除をしている姿を、
僕は見たことがない。
むしろ。
九の方がよほど真面目だった。
西の空が赤く染まり、
長く伸びた影が道路に落ちていた。
風が吹くたびに、
道端の木々が小さく揺れた。
圭太と良司は、
相変わらず他愛もない話を続けていた。
いつもの帰り道。
いつもの時間。
僕は2人の話に耳を傾けながらも、
頭の中では、
休み時間に聞いた小林の言葉が、
何度も反響していた。




