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第69話 友達
放課後。
僕は圭太と良司の誘いを断って、
1人屋上へ向かった。
扉を開けると、
ムッとする熱気が全身を包み込んだ。
「妻鳥・・?」
僕は誰もいない空間へ向かって、
呼びかけた。
返事はなかった。
ゆっくりと屋上の縁まで歩いて、
下を覗き込んだ。
花壇が見えた。
僕は小さく溜息を吐いて、
屋上を後にした。
「準備中」の札のかかった
店のドアを開けると、
テーブル席を拭いていた
夜也さんが振り返った。
「あら、冬至くん。
お帰りなさい」
「た、ただいま」
いつもと変わらないやり取りをして、
僕はカウンター席に座った。
しばらくすると、
夜也さんが
水の入ったコップを持ってきた。
「あれ?
幻夜は・・?」
僕はコップを手に取ってから、
キョロキョロと店内を見回した。
「今日はお友達のお宅に
寄ってから帰る
って連絡があったのよ。
あの子、
学校のことは何も話さないから、
少し心配だったんだけど。
友達ができたのなら安心だわ」
「へ、へぇ。
そ、そうなんだ?
ちなみにだけど。
その友達の名前ってわかる?」
「えっと・・確か。
円さん?
って聞いたけど」
「ブフッ!」
僕は思わず飲んでいた水を噴き出した。




