第67話 結論?結界?
時計の針が
コチコチコチと時を刻んでいた。
「田村は児童性愛者で、
妻鳥にも
手を出そうとしてたんじゃねえか?
んで。
拒絶されたから殺したんだ。
それに。
教師なら学校内での盗撮も可能だろ。
あいつが『ミモザ』で決まりだ」
「う~ん。
それが本当なら。
確かに田村先生が怪しいんだけど。
実はさ。
妻鳥の画像に関しては、
フェイク画像らしいんだ」
「何っ?」
レジ袋に空いた2つの穴の奥の目が、
パチパチと瞬いた。
「兎に角。
今はまだ結論を出すのは早いよ。
それと。
田村先生の部屋で見たっていう
青い髪の女の子のことだけどさ。
僕が調べてみるよ」
「おいおい。
素人のお前が調べられるのか?
姫に頼んだ方がいいんじゃねえか?」
「残念ながら。
幻夜にはまったく期待できないね」
僕は小さく溜息を吐いた。
「へっぷ。
姫の悪口はたとえ弟のお前でも
許さねえぞ」
「僕は兄ちゃんみたいに
お人好しじゃないからね」
「何だと!
お人好しで悪かったな」
そう言うと、
白露は背筋を伸ばして腕を組んだ。
時計の針が
コチコチコチと時を刻んでいた。
「ところで。
爺さんのことだけどよ。
まさか。
お前と同じで霊が見えてる
ってことはねえよな?」
「えっ?
どうして?」
「実はさっき。
久し振りにチラッと
様子を見に行こうとしたんだけどよ。
4階に侵入できなかったんだよ。
あの爺さん、
4階の至る所に護符を貼って、
結界を作ってやがるんだ」
「結界?」
僕は首を傾げた。
「ああ。
人間には効果はねえが、
霊に対しては効果てきめんだぜ。
おかげで。
俺様は4階には
立ち入ることができねえ」
「へぇ。
前はそんなモノは見なかったけどね。
それより。
霊にも弱点があるんだね。
僕も爺ちゃんに頼んで、
その護符をわけてもらおうかな」
「バカヤロウ。
そんなことをしてみろ。
お前に憑りついて、
一生離れないからな」
「じょ、冗談だよ。
気持ち悪いことを言わないでよ」
僕は慌てて両手を前に突き出した。




