表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異端者達のメメント・モリ ~冬の始まり  作者: Mr.M
八章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
66/118

第66話 田村孝太郎

ハヤマミカと別れた白露は、

黄昏色に染まった路地を歩く

1人の男の姿を目撃した。

それが田村だった。


「そういや。

 あの野郎。

 随分と顔色が悪かったぜ。

 重い病気じゃねえのか?」

「う、うん」

田村は期末試験が始まったあたりから、

どこか具合が悪そうだった。

寝癖のついたボサボサの髪には、

あちこちに白いフケが浮いていた。

その顔には生気がなく、

目の下にはクマが浮かんでいた。

グレイのスーツは皺だらけで、

所々ほつれていた。

そのことはクラスでも話題になったが、

皆試験のことで頭が一杯で、

すぐに興味を失くしていた。

「期末試験の準備や採点で

 忙しかったのかな?

 それで。

 どうしたのさ?」

「だからよ・・」


田村の様子に違和感を覚えた白露は、

そのまま田村を尾行した。

しばらくすると田村は

『アーバン土師』

という8階建てのマンションに

入っていった。

403号室。

そこが田村の住まいだった。


「あの野郎。

 児童性愛者だぜ」

「へっ?」

あまりにも唐突な一言に、

僕は思わず目を瞬かせた。

「確か。

 田村って独身だよな?」

「う、うん。

 それがどうしたのさ?」

「ヒヒヒ。

 あの野郎、

 家に女の子を連れ込んでるぜ。

 それも。

 お前と同い年くらいの女の子だ」

「ちょ、ちょっと待ってよ。

 人違いじゃないの?

 そもそも。

 兄ちゃんは田村先生の顔を

 知らないだろ?」

「バカヤロウ。

 愚問だぜ。

 前にお前の授業参観を覗いた時に、

 顔は確認してるからな。

 間違えるわけないぜ。

 あれ・・?

 そういや。

 その女の子だけどよ。

 どっかで見たことがあるような、

 ないような・・」

「へぇ。

 一体どんな子なの?」

「そうだな。

 肩まで伸びた青い髪が

 魅力的な子だったな。

 二重の釣り目が若干、

 気が強そうに見えたけどな。

 それでも。

 間違いなく美人だったぜ」

「青い髪に二重の釣り目だって・・?」

思わず声が裏返った。

「何だよ。

 心当たりがあるのか?」

「ううん。

 まさか・・ね」

僕は慌てて首を振った。

「ま。

 教師なんていうのは毎日職場で

 うら若き少女達に囲まれてるだろ?

 正常な人間でも、

 徐々に判断が狂ってくるだろうさ。

 暗示や催眠と同じだ。

 それにな。

 田村の部屋の中にはそれ系のDVDが

 山積みだったぜ。

 通報すりゃ児童ポルノ禁止法で、

 捕まるんじゃねえか?」

白露の話に耳を傾けつつ、

僕は青い髪の少女について、

思いを巡らせていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ