第61話 霊の行方①
家に戻った僕は
部屋のベッドに大の字で寝転んだ。
頭が混乱していた。
あれから。
僕は誰もいない屋上で、
妻鳥の霊が現れるのを待った。
しかし。
いくら待っても彼女は現れなかった。
もしやと思い、
校内を探し回ったが、
彼女を見つけることはできなかった。
結局。
僕は諦めて帰路に就いた。
通学路の途中にある三本橋で、
少女の霊が僕に向かって小さく微笑んだ。
家に帰り着くと、
山田老人が隣の家の前で、
朝と同じ場所に立っていた。
つまり。
僕自身、
霊が見えなくなったわけではなさそうだ。
それなら。
妻鳥はどこに行ったのか。
僕はベッドから起き上がって
机に座った。
それからパソコンの電源を入れて
『ピーピングトム』にアクセスした。
僕は数あるスレッドの中から
1つのスレッドを探した。
しかし。
『マイワイフ』のスレッドは、
『ミモザ』と共に、
綺麗さっぱりと消えていた。
僕は部屋を出て、
正面にある白露の部屋のドアを
ノックした。
「兄ちゃん?」
部屋の中は真っ暗で、
白露の姿は見当たらなかった。
続いて僕はリビングキッチンに向かった。
遮光性の高いカーテンが
引かれた室内は真っ暗だった。
そして。
そこにも白露の姿はなかった。
僕は冷蔵庫から
アイスコーヒーを取り出し、
コップに注いで一気に飲み干した。
嫌な予感がした。
「まさか・・」
僕は慌てて302号室を飛び出した。




