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【ありがとう200万PV!!不定期連載再開】競馬小説ドリームメーカー  作者: 泉水遊馬
19歳の挑戦

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408/409

第五話 いざ試験

午前:実技試験試験

コースは実際のばんえい競馬場に近い200m直線。軽量ソリ(400kg調整)が3頭の練習馬と共に用意されていた。


「騎手、白樺凛花。実技試験、開始します!」


合図とともにスタート。

第一障害を越える瞬間、凛花は腰を深く沈め、完璧なタイミングで体重を後方に移動させた。

ソリがスムーズに越える。

第二障害では、馬がわずかに止まりかけた瞬間、瞬時に後方体重をかけ、声をかけた。

「よし! 行けっ!」

力強く反応し、障害をクリア。

ゴールまでのラスト200mも、呼吸を合わせながら丁寧に刻んだ。

観察席から武田師匠が小さく頷くのが見えた。


あとの2回も気性が荒い馬と重い負荷の馬でも、凛花は崩れなかった。

手綱は常にソフトコンタクト、体重移動は0.2秒以内の正確さでこなした。

実技終了後、凛花はソリから降りた瞬間、足が少し震えた。

美保が声をかける。

「リンちゃん、えぐかったで……! 

特に第二障害の体重移動、完璧やったわ!」


武田師匠が珍しく満足げに言った。

「合格ラインは十分超えた。

後は筆記だ。気負うな。」


午後:筆記試験

午後1時から3時間の長丁場。競馬法規、ばんえい競走規則、馬の生理・栄養学、緊急時の対応など、多岐にわたる問題が出された。

凛花は汗を拭きながら、必死にペンを走らせた。

遊馬が作成した暗記カードと、武田師匠に叩き込まれた実践的な知識が頭の中で繋がっていく。

特に難しかった

「障害時の騎手責任と馬の福利」

に関する記述問題では、夢雪の顔を思い浮かべながら書いた。


(馬を道具じゃない……パートナーとして、命を預かる覚悟……)


試験終了の合図が鳴った時、凛花はペンを置いて深く息を吐いた。

会場から出ると、外はすでに暗くなっていた。

雪が静かに降り続いている。

美保晋三がにこやかに声をかけた。


「どや、凛ちゃん。終わった感想は?」

「……正直、死ぬほど緊張しました。でも、全部出し切ったと思います。」


「えらい頑張ったな。

結果は年明けやけど、今日はもう十分や。厩舎に戻って夢雪に報告しに行きな。」


凛花は雪の積もった地面を見つめ、静かに微笑んだ。


「はい……。夢雪に、今日頑張ったって伝えたいです。」


その夜、美保厩舎に戻った凛花は夢雪の馬房の前に座り込んだ。

夢雪は大きな体を寄せ、凛花の頭を優しく鼻面で突いた。

「夢雪……今日、試験受けてきたよ。

実技も筆記も、精一杯やった。

結果はどうなるかわからないけど……私、ちゃんと頑張ったよ。」


夢雪は「フゥー」と優しく息を吐き、凛花のポニーテールをくわえて離さなかった。


武田師匠が少し離れた暗がりから、静かに二人を見守っていた。


「よくやった……白樺凛花。」


試験当日が終わり、凛花の20歳への挑戦は一旦幕を閉じた。

合格発表までは、まだ少しの時間がある。



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