第96話 無慈悲
引き続き気持ち悪いですが、どうぞ!
「あぁん♡!!イイ!もっと、もっとーーー!!」
………アタシのSAN値がゴリゴリ削られていく。
このクソ変態……蜂の巣にしてもまだ生きてやがる。
痛みが快感に変わってるせいで、アタシが本気で殺しにかかっていることにすら気付かず、ただ悦んでる。
大型拳銃を連射しながら、なるべく目立たないように魔力を込めていく。
子ども達の事といい、この変態といい、どこまでもイラ立たせる!
子ども達の腹から次々とバケモノが湧き出てくる中、完全に始末しきるにはもう少し時間がかかりそうだ。
「う、わぁ、ん。う、わぁ、ん。」
「……ねちょ……ぉ、……あ、……ぁ……」
「あ゛ー、あ゛ー、あ゛ー、あ゛ー……」
「オ゛ギャァ、オ゛ギィイイッ! ギィイ、ギィッ!」
この泣き声だけでもキツい、頭にくる。
ゆったりとした動きから突然飛び跳ねたり、ロケット頭突きの勢いで跳んできたりして動きが読み難い。
変態はアタシの動きに応じて、イヤらしいタイミングで唇を尖らせてル◯ンダイブしてくる。
変態の行動はまだタイミングが読みやすいから、躱すと同時に股間を蹴り上げて壁面とキスさせている。
「ふむ、やはりまだ私に愛撫はさせてもらえませんか。ブレッドウィッチよ、どうして貴女は夫である私に前戯をさせてくれないのですか!?
そろそろ私でも泣きますよ!」
「勝手に泣いてろ」
変態の涙なんか需要はねぇ。
鼻血を流しながら抗議してくるが、そんなもんは無視だ。
にしてもしつこい野郎だ。
ゾンビかコイツは?
「あ、そうか!
ブレッドウィッチ、アナタはもしかして私にエクスタシーを与え続けて子種を浴びるのをご所望なのでしょうか?」
またキショい解釈しやがった……。
「なるほど!そういう事であれば、応えて上げて差し上げるのも献身と努め!
喜んで出して差し上げましょう!」
また男は自分の股間を弄り始める。
………コイツの言動にはウンザリだ!
だが丁度、溜めてた魔力が必要量まで溜まった。
これであとは魔術を発動する、その為の条件を満たす!!
「自分で自分の子種でも浴びとけっ!!」
バルチン砲出される前に、アタシは股を広げて立ってる男の下をスライディングで滑り込むと同時に、変態の股間を蹴り抜く!
さらに両手の大型拳銃をランダルに切り替えて、男の両脇に照準を合わせ腕を吹き飛ばす!
男が白目を剥いて、身体を大きくビクつかせた。
そしてさらに、男の股の間を滑り抜けた直後に男のアキレス腱目掛けてランダルの引き金を引く!
「あ……あ………あぁ!!♡」
アキレス腱ごと足首が無くなって膝から崩れ落ちてベッドにもたれる変態。
これで準備は整った!
「嬉しいですよ、ブレッドウィッチ♡
私の好みをここまで分かってくれているとは……」
「うるせぇ!お前みたいなクソ変態、ここで終わりにしてやる!!」
変態の焦点が定まってない。
快楽でトリップしてるみたいだが好都合だ!
アタシは吹き飛ばした変態の手足を、それぞれこの部屋の四隅に投げる。
壁にブチ当たった瞬間、今度は大型拳銃の弾丸を1発づつ張り付けるように撃つ。
本来なら矢や銛とかで固定しておくのがセオリーなんだが簡略化する!
もう我慢の限界だ!
こんなクソ野郎、永遠に痛みも快感も感じられない地獄に叩き込んでやる!!
溜めてた魔力を全身で撒き散らす。
この場の空気が一瞬で重たく、禍々しくなる。
そしてアタシは魔力を喉に持っていき、祝詞に魔力を纏わせ、眼を青く光らせながら呼び出す!
「――絶望せよ!
此の門を潜る者、一切の希望を棄てよ!
四肢は四方の虚空へと霧散し、其の魂は、光も熱も届かぬ『氷結の牢獄』へと墜ちよ!
汝が求めし悦楽の火種たる『触覚』は、絶対零度の静寂に依りて、永遠に凍結せり!
――アビス・インヴォカト・アビス――
コキュートスの底へ、永劫に沈み去れ!!」
唱えると、アタシの中の悪魔が呼応して、背中から魔人化した時の魔力の翼が生える。その羽ばたきは、周囲を凍てつかせて、一気に氷点下を下回った。
変態はアヘ顔で周囲の変化に気付いていない。
快楽物質が脳内で過剰分泌されて、正常な判断能力が落ちていた。
だがそれも、あと数分で地獄に変貌する。
アタシ以外の全てが凍り付き、変態は冷凍された彫像と化す。子ども達から生まれたバケモノも、その冷気に触れて細胞分裂を停止する。
バケモノや変態の真下に魔法陣が浮かび上がり、そこから魔界の住人たちの手が伸びて、凍り付いたまま魔界に引きずり込んでいった……。
「………………すまない」
アタシは巻き込んで凍らせた子ども達の遺体に、謝罪する……。
子ども達は変態の苗床となってしまったが故に、仕方なく巻き込むしかなかった。あのままバケモノを生み続けるなんか、生きていても死んでいても嫌だろう。
こういうのは何回経験しても、胸の奥がざわつく。
それでもこの結果がマシだと思いたい……。
それに魔界の住人もバカじゃない。
あの子ども達の事は奴等にまかせるしかなかった。
「本当に…すまない」
アタシはその場を後にした。
あの時、子ども達に感じた違和感の正体……その証拠を見つける事にした。
アタシが感じた違和感………子ども達の存在は、おそらくクローンだろうということ。それもただのクローンじゃない。
その理由の一つとして、アタシが最初に始末した変態共と、この子ども達が似ていたこと。
おそらくは自分の子どもの髪の毛か何かを提供して、そのクローンを作らせたんだろう。自分の子どもに欲情するとか下衆極まりない。
そしてそのクローンには、妖魔の細胞を加えられている。
つまりあの子ども達は、妖魔の細胞を混ぜて作られたクローン達だ。
あのみおって妖魔と同じか、もしくは下位互換の可能性が高い。
その根拠は、妖魔の細胞には核の他に"妖核"と呼ばれるモノが存在する。
この妖核は、妖魔の人外としての力を生み出す根本。基本的に妖魔の細胞は、他の生物に付着、または移植してしまうと確実に侵食される。
だから妖魔の細胞の侵食を極限まで抑えて、逆に成長促進に転用されるなんて驚いた。
違和感を感じたあの時に、アタシは何度魔眼でその事を確認して息を呑んだ。
何度も視ても、その事実は変わらなかった。
(こりゃ……あのメイって妖魔と何か繋がりがあるかもしれないな)
嫌な予感がよぎり、アタシは凍り付いた船室を後にした。
もしかしたら、ただの人身売買どころの話じゃなくなったかもしれない!
急いでその事を確かめる為にも、子ども達が閉じ込められているであろう場所を見つけないと!!
その為には純也と合流する必要がある!
アタシは元来た道を戻り、純也が行った方向へと走り始めた。
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そしてその純也は…………
「へっ、ちょっとヤバいかもな………」
気を失った子どもを守りながら、頭から血を流していた……。
今回セツの魔術となった元は、四肢奉献という生贄の儀式です。
名付けるなら、『四肢奉献 氷獄』でしょうかね?
では、今回は以上です∠(`・ω・´)




