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人外討魔伝記  作者: 一ノ瀬カイヒロ
第4章 徴血の行方
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第93話 美辞麗句

お疲れ様ですよ〜∠(`・ω・´)


では、タンカーで何が起きているのか、見ていってください!

階段を降りて行くと、赤色灯で照らさられた通路に出たと同時に、人の気配が多くなった。


ここから先は気配をいち早く感じ取る事が重要だが、後ろにいる純也じゅんやがアタシより先に気配を察知して、アタシ達は手探りで迂回していく。

出来ない場合は、なるべく殺さないように無力化していこうとするが………



バッ!!

ドゴッ!!


ボゴンッ!!



純也じゅんやが時間でも止めたかのようにアッという間に巡回の意識を刈り取っていく。


仕事が回ってこねぇな。



「!スンスン」



少し進むと、今度は下に降りる階段が左右に2つあった。

その内の一つに、純也じゅんやの鼻が反応した。



「階段の2つともから、女の子のニオイがしてます」



……変態チックに聞こえるかもしれねぇが、一応コレは救助作戦だ。




「右の階段から男のニオイが混じってきてます」




どうやら、右の階段に顧客と童話の巣窟(グリムネスト)の連中がいるらしいな。

僅かだけど、イカの生臭いニオイが上がってきてる…。


左の階段は、女児達(こどもたち)が監禁されていると考えて良いだろうな。

そうなれば、ここは二手に分れたほうが良い。



純也じゅんや、お前は左の階段を降りて行ってくれ。アタシは右に行く」

「了解っす!∠(`・ω・´)」



なるべく騒ぎを起こさないように、敵を無力化、回避していく事を主に、アタシ達はさらに下へと降りて行った。



アタシの方は巡回が目に見えて増えて、アタシは身を隠していく。


そして、着の身着のままでやって来てしまった事を少し後悔した。

クラブへ行った時の服装のまま…。いや、厚底ブーツで来ていた事で、身を動かすのに少しやり辛い。


あと目立ちやすい。


見つからない様に、より慎重に進んでいこう。


そして……



「ッ!」



男が()()あの生臭いニオイが強くなってる……。


思い出すだけでも反吐ヘドが出るが、アタシはゆっくり歩を進める。

っと、そしたら前から人の気配がした。


周囲を見渡すと、上に隠れられそうなスペースがある!


アタシは静かに跳び上がって、大きな配管の上に乗り上がって、伏せればギリギリなパイプとパイプの間に滑り込んだ。


巡回の会話が聞こえてくる。



「Ugh, is it over yet? I can't wait to be done.」

「What’s up with you?」

「You know how there’s always 'scraps' to dispose of after the customers leave?

Well, truth is... I’ve been sneakily taking them home. LOL.」

「What? How can you even stand to 'embrace' something so broken?」

「It’s that tiny bit of consciousness, you know? When they whimper 'Stop it'... man, I just can't get enough of it.」

「You’ve got some... twisted taste, man.」



………一人はクソッタレだな。


どうやら顧客がお楽しみした後の子を、密かに連れ帰って楽しんでるらしい。


胸糞悪い趣味してやがる…。



「Still, we've got a hell of a lot of 'merchandise' today, don't we?」

「Yeah, they found a solid supplier in Japan. The execs at HQ are absolutely loving it. Word is, the Vice Director of the Asia Branch is already moving to set up a Japan Branch.」

「For real?! Japanese, huh... Man, I’ve always wanted to just completely wreck one of 'em.」



コイツ等……。


会話を要訳すると、日本に童話の巣窟(グリムネスト)の支部を作って、日本の子供を毒牙にかけようって会話だった。




ホントコイツ等ハ、トコトンアタシヲイラ立タセル!




アタシの眼が青い光を発したと同時に、刺青イレズミの中から投げナイフを1本投擲した。



ドシュッ



クソの頭に吸い寄せられる様に、ナイフが突き刺さった。


もう1人が倒れた仲間に気づいた時に、アタシはパイプからすり抜けて背後からナイフを首に押し当てる。



「Don't make a sound」

「ッ!!」



クソの一人が小銃から手を離して、両手を上にあげた。

手早く済ませる。



『日本から女児(こども)を仕入れたと言ったな?

知ってる事を全部吐け』

『だ、誰だお前は!?』



殺気を込めた圧と、青く光る眼にビビったクソが何か言ってきたから、今度は大型拳銃(グリズリー)を抜いて、銃口を側頭部に押し当てる。


するとクソは、ようやく口を開いた。

手間を掛けさせるな。



『に、日本からある時に、連絡が俺達に来たんだ!

あと数年したら、安定的に商品(こども)を仕入れる事が出来るから、投資してみないかって!』

『投資だと?』

『そうだ、今各国と秘密裏に連携して研究しているクローンだ!

投資してくれるのなら、童話の巣窟(グリムネスト)に優先的におろしてくれると確約してな!』



SFとかでも度々出てるクローン技術。


けど現実には、ほぼ世界各国でクローン人間を作り出すことは禁止されてる。


人間の倫理的な尊厳を脅かす「個体産生」を禁止する一方で、国によって規制はあるが、届け出を出して研究や医療目的でクローンを作り出すことは出来るが、2005年に"国連人間クローン禁止宣言"呼びかけていはいる。




ただ、呼びかけているだけで、()()()()()()()()()




それ故に、倫理を逸脱いつだつする者はやる。


残念だが、このクソが知ってるのはそこまでだった。



『な、なぁアンタ、例の悪魔だろ?

こんな罰当たりな事しないで、俺を見逃してくれないか?』



クソが何か言ってきた。



『全ての生命は平等であり、生存の権利を保障されている!

たとえ悪魔であろうと、俺の『生きる権利』を不当に奪うことは、歴史的な大罪なんだ!

暴力で解決するのは、野蛮な旧時代の差別主義者だけだ。話し合おう、我々は『多文化共生』を重んじているんだ!

それに俺の肉体は、『アル・クルクス』の神が下さった神聖な資産だ!俺を殺すということは、神の所有物を損壊するということだぞ!

その罪の利子は、お前の汚れた魂では一生かかっても払い切れない!

俺を生かして教団に引き渡せ!

それが、お前が唯一『永遠の負債』を軽減してもらえるチャンスだぞ!』



理路整然(りろせいぜん)と意味不明な事を喋ってやがる。


やってる事と言ってる事が論理破綻してる自覚がねぇんだな。




『そうか、よく分かった』

『よし!なら…』

『お前が救いようのないクソだって事がな』




クソがなんか息を飲んで体をこわばらせた。

コレで納得出来ると思い込んでる所が、心底キモい。



『……いいだろ、俺を殺すことは容易いだろうな。

だが、お前が今、絶とうとしているのは俺という一人の矮小な存在じゃない。

俺の背後にあるのは、何十億という民が夢見た『全人類平等救済民主共和国パン・エキナクス』の理想……。

いや、人類が数千年の流血を経てようやく辿り着いた『恒久平和への架け橋』そのものだ。

俺の心臓が止まれば、世界を繋ぐ慈愛の糸が一つ、無惨に引き千切られることになる。

俺が運ぶはずだった何万ものパン、救うはずだった名もなき子供たちの未来……。

それらすべての希望を、お前は個人の憎しみという『私欲』のために、闇に葬り去るつもりなんだろうな?

殺すがいい。だが、その時お前は、世界を救済から遠ざけた『進歩の敵』として歴史に刻まれる。

俺は、あなたのその悲しい(ごう)さえも、『永遠の慈悲(エテルナ・グラティア)』によって赦そう。

慈愛に満ちた未来を、お前の手で粉々に砕きな!

それが、お前の望む『自由』だと言うのな……!』



ズシュっ


長いし鬱陶(うっとう)しい。

アタシは躊躇無く、クソのコメカミにナイフを突き刺した。


イカれた脳みそをグリグリしてから引き抜く。


赤色灯の赤い光の中で、クソの頭から血が勢いよく噴き出す。

赤い光の中に赤い血が天井や壁、床にらして、クソは力無く倒れた。


ホントにこのクソッタレ共は、美辞麗句(びじれいく)を使って喋るのが好きだな?


言った言葉には責任が伴う。

今見た光景も、お前等からしてみれば、差別だの人権侵害と何だの叫ぶだろうな



だったらアタシは、アル・クルクス(お前等)を徹底的に差別してやる。



己の都合の良いように書き換えて生み出した差別だ。

最後まで、差別と共に消してやる!


怒りのせいで魔力が漏れていた事に気付かず、アタシはクズがやって来た方向へと歩みを進めていった。


============================


「おや?この反応は……誰か、招かねざるお客様がお越しのようですね」


戦闘フラグ!

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