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人外討魔伝記  作者: 一ノ瀬カイヒロ
第4章 徴血の行方
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第90話 人造

お疲れ様ですよ〜∠(`・ω・´)

ここからは朱里の視点でお送りします∠(`・ω・´)

朱里しゅりSide〜



ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ、


コップの水で喉をうるおして、私は改めて2人に向き直る。


あの子……、メイって子が人の手で作られた可能性があると告げると、セツは黙って鋭い眼差しを私に向けて、龍太郎りょうたろうは目を見開いて驚いていたけど、言葉は発さなかった。


自然発生した妖魔には、生き物特有の四魂しこんは宿らない。


けど過去に、人を陥れて妖魔化させた現場を目撃した事のある私には確信があった。



忘れもしないわ。

あんな胸糞悪いもの………。



「なるほど、それなら納得いくな」



セツが同調する。


彼女も過去に、私と同じような事に遭遇してたみたいね?



「仮に、あの子が人の手で作られたとして、その目的は?何か見当はつくか?」

「情報が少なすぎるから、しばらくは情報収集ね。今の段階で、結論を出すのは早計そうけいだわ」



大方おおかたの予想はつくけど、思い込みで行動したら大怪我するのはコッチだからね。


しっかりと情報を精査して、これからを考えないと。



「……本当に、人が妖魔を作り出せるのか?」



龍太郎りょうたろうからそう疑問視する言葉が出た。

時偶ときたま四魂しこんのバランスが大幅に崩れて、人間が妖怪化したことはあるけど、それはほんとに極稀ごくまれ


彼が今まで斬ってきた妖魔は、ほとんどが自然発生したものや、瘴気しょうきに触れて変質した人間達ばかりだったから、そう思うのも仕方がないわね……。



「………50年くらい前だったな。アタシという悪魔を宿して人間のままでいられる希少な例を、人の手で作ろうとしたバカがいた」



セツが語り始めた。

軽く聞いたことあるけど、彼女は確か悪魔を複数体身体に宿してるんだったわね。


普通、悪魔を宿したら心身共に異常をきたすけど、セツはこれまで一度もそんな異常を起こしていないという。


何が原因なのかは一切分かっていないけど。



「ある悪魔崇拝者(サタニズム)がアタシと同じ存在にになりたくて、ストリートチルドレンやホームレスをさらって悪魔を宿そうと、色々やってた事があった」



その現場は凄惨だったらしい。


儀式としょうして腕や足、内臓を切り取って、他人のモノと縫い合わせたり、何人もの血を抜いて、機械油と混ぜ合わせて"薬液"として静脈注射したりして、膨大な数の死体を作り出していた。


他にも狩ってきた動物の死体の中に、四肢欠損ししけっそんした状態で詰め合わせて、それで悪魔召喚をやったりと無茶苦茶だった。



「統率が取れてなかったから、すぐに始末する事が出来たのが唯一の救いだったな」



素人の寄せ集めみたいだったらしいわね。


やっぱり、世界のどこにでもそんな連中はいるのね…。


一応日本でも簡潔に"悪の陰陽師"ってイメージのヤツが居るけど、ソイツは今推しのVTubeeブイチュビーのリアルイベントで遠征えんせいしてる……。




『あ◯◯りの〇〇ちゃんの生歌ライブやて!?

ちょっと北海道まで行ってくるわ!!』




痛スーツケース片手に、新幹線に乗り込んでいく白髪頭のおっさん(芦屋道満)

東京の秋葉原や、大阪のオタロードでも有名なんだよねぇ……。



「おい、大丈夫か?」



ちょっと遠い目をしてしまった……。

考えを戻さなくちゃ。



「とにかく、私も色々探ってみるわ。セツ、あなたにもお願いするけど、イイ?」

「かまわないぞ、っと言いたい所だが、少しだけ待っててくれるか?」



協力はしてくれるそうだけど、セツは少し目つきを鋭くしてそう言う。



「なにかあるの?」

「今少し立て込んでてな、その仕事を終わらせたあとでなら大丈夫だ」



……そういえば、彼女は凄腕の暗殺者だったわね。


まぁでも、少なくとも善人のたぐいは殺す事は無いでしょうけと、少し釘を差しておいた方が良いかしら?

そう思っていたら、普通は暗殺の内容とかは離さないのが鉄則なのに、彼女はペラペラとしゃべり始めた。



童話の巣窟(グリムネスト)って、聞いたことあるか?」

「グリ……なんだ、それは?」

「女児専門の人身売買の変態どもだ。つい最近、この街で目撃情報があってな。妖魔とも関わりの深い組織だ」



また変なのが来たわね……。

人間と妖魔が手を組んでコソコソして何かする。


あとが絶たないとはいえ、今だにこんな事を繰り返す人間にもきしてくるわ……。



「末端だろうが、見つけ次第排除する対象なんでな。まずコイツ等を始末してからでも良いか?」

「どのくらいで終わりそうなの?」

「今情報屋に依頼してるところなんだが、そろそろ……」



ピロンっ!



セツのスマホから、Rain(レイン)の着信音がなった。


スマホを操作してその内容を読み込むと、セツは眼を鋭くした。



「さすが、仕事が早いな」



スマホをポケットに仕舞うと、置かれていた水を一気に飲み干して、玄関から靴を持ってベランダに出た。



「ちょっと、変態どもを駆逐くちくしてくる」

「そう、終わったら連絡ちょうだい」

「あぁ、行ってくる」



セツはベランダから身を乗り出して、一気に飛び降りた。と同時に、魔人化して住宅街の空を飛んでいった。


残された私達は、お互いに今後の事を話し合う。


まず龍太郎りょうたろうは、佳鈴かりんちゃんと一緒にあの妖魔…メイって子の様子を見つつ、彼女が妖魔としてどんな能力を持っているか、またどんな目的で佳鈴かりんちゃんに接触してきたのかを調べる。


私は一度、龍太郎りょうたろうの……鬼としての領主ドンに報告に行くことになった。


龍太郎りょうたろうが心底嫌そうな顔をする。



「そんな顔しないでよ、報告、連絡、相談は社会の常識でしょ?」

「あの酒カスを社会の枠組みに入れるな」



今後の方針は決まった。

私はいつものように、あそこへと向かって行った。


そろそろ龍太郎がディスってる"酒カス"が、誰のこと言ってるのか分かる人が居そうな気がしてきた( ^ω^ )ニコニコ

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