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【性的魅力1】の底辺陰キャ、美少女魔王の暗殺者になってクラスメイトを葬ることにした  作者: N


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第34話 宣戦布告



 秀才を交えての魔族との作戦会議から1週間が過ぎた。


 秀才には棒緑の戦闘の際の動きの癖、スキルの情報収集をしてもらった。棒緑は右利きで、ほぼ必ず攻撃前に左足を一歩前に出す。そしてほぼ必ず右手から先に攻撃を繰り出す。


 棒緑の攻撃手段は、武器などは使わない己の肉体のみだ。喧嘩が好きな棒緑らしいスタイルだ。そしてスキルも物理系のみ。ただし、フィールドを破壊したり、揺らしたりと妨害系も持っているし、瓦礫を投げつけるスキルも持っている。


 しかし、攻撃スキルに極振りで、防御手段はほとんどないようだ。ただし、素の魔力で覆われた肉体は、防御スキルがな無くとも恐ろしいほどに固い。棒緑は肉体の魔力制御も上手いらしく、その膨大な魔力を全身に覆いつつ、手と足に魔力を必要な分纏わせて攻撃する。


 だから、攻守共に隙が無いと言える。恐らく、こちらは隙ができるまでひたすら避ける防戦一方になるだろう。一撃でも食らえば恐らく俺は死ぬ。


 だからこそ、シロとの特訓は役に立った。何をしたか。スキルの熟練度を上げる?攻撃手段を増やす?のんのん。ただひたすら攻撃をかわす特訓をしただけだ。当たらなければいい。


 そのための精神力と集中力、反射神経、動体視力に絞って特訓をした。まあそりゃ辛かった。逃げ出したくもなった。ていうか逃げた。逃げたらシロにガチでブチギレられた。


 俺の豆腐メンタルじゃさすがに耐えられるわけがないからな。でも、シロは出来たら褒めてくれる。できなければアドバイスをくれる。たったそれだけだが、それがモチベになった。


 人を潰すのは人という環境だ。できなければキレたり、できても褒めなかったり、ご褒美も無かったり奪ったり……当たり前だが、そんな環境で育てば、それが嫌になるし自己肯定感も削がれる。俺の親がそんな育て方だったけどな。


 シロは実力者だ。そんな奴の特訓を耐えきったんだ。棒緑の大振りな攻撃など見切れる自信しかない。いやでも怖い。


 とは言え、懸念事項があるとすれば、実際に戦う時に緊張で身体が上手く動かずに一発食らうか。俺は本番に弱いし緊張しいだ。自信も正直に言えばあるとは言えない。


 そしてもう一つ。秀才が本当に裏切らないか。その秀才の情報が本当なのかどうかも分からないし、俺を潰すために味方の振りをしているだけかもしれない。清楚や本田の件もあったんだ。完全に信用しているわけじゃない。


 そんな懸念はあるが、まずは実行に移さなければならん。まず、俺は棒緑を挑発しに行かなければならない。


 今、俺は会議室で棒緑を待っている。さっき棒緑の部屋のバッグに果たし状を入れておいた。


『会議室にて待つ。真実を知りたいなら必ず一人で来い。こっちも一人だ。大事な話がある。さすがに、約束破らないよね?こっちも一人なのに集団でで裏切るようなことする雑魚の脳筋なわけないよな?その変な髪形もただの虚勢貼るための飾りだって思われたくないなら一人で来いよ(^^)


 雑魚のチー牛より』


 と書いといた。あいつは単純だから、バカにしておけば恐らく一人で来るだろう。


 約束の時間、案の定、会議室の扉がバンっと思いっきり開いた。そこには、鼻息を荒くして顔を真っ赤にして俺を睨みつける棒緑が立っていた。果たし状の煽り明らかに効いてて草。


「おいてめえ、なんだあの果たし状はゴラア!バカにしてんのか?」

「まあ、はい」

「んだとチー牛!ここで殺してやる!」


 そこで俺は手を前に出して棒緑を制止する。


「待ってくださいよ、ここで俺を殺したら、非難されるのは棒緑じゃないんですか?」

「……チッ。俺も聞きたいことあったんだわ。てめえがスパイで、半寒を殺したんだろ?半寒は俺に嘘をついたことは一度もねえ。約束通り俺は一人で来た。答えろやゴラア」


 棒緑は机に身を乗り出し、俺に顔を近づけて威嚇する。俺は内心マジでビビってはいたけど、何とか声を震わせつつも答えてやった。


「そうだ。俺がスパイだ」

「てめえ!」


 棒緑は拳を思いっきり俺に向けて放った。会議室の机や椅子、床もろとも破壊して、城内は地震が起きたかのように大きく揺れた。


 だが、俺は直前にちゃんと躱していた。この狭い会議室、吹き飛んだ瓦礫は多少顔を傷つけていったけどな。そして棒緑の後ろに立ち、肩に手をポンと置いて話す。


「もし俺を殺したいんなら、明日の昼ちょっきりに必ず一人で北の荒野へ来い。そこで男と男のタイマン張ろうぜ?小細工も無しだ。そして誰にもこのことは伝えるな。伝えた時点で勇者含め全員殺す。だからお前も殺す気で来い」


 俺はそう言い残してこの場を去った。あとは明日、決戦の日。計画通りに進めば、俺は必ず勝てるはずだ。


 ---


 会議室に残った棒緑は拳を震わせていた。


「畜生!ぜってえに殺す……半寒、魏屋琉、モブ崎の仇はぜってえに取る!」


 棒緑は心にそう誓い、そのままこの部屋を出ようと扉を開けた。すると、廊下のすぐ横目の前に、壁に寄りかかっている者がいた。眼鏡をかけ、くいっとかけ直し、口角を上げる。


「棒緑、千温と勝負をするんだってな」

「なんだてめえ、聞き耳立ててやがったのか。俺は一人で十分だ。誰にも言うなよ?俺は必ずあいつをぶっ殺す。邪魔だけはするなよゴラア」

「ああ。邪魔はしないさ。ただ、僕もあいつを観察していたが、一つだけ助言だけはしておいてやる。あいつは暗殺者だ。ずっとその能力で誰にも気づかれずに殺してきたようだ。だが、だからと言って油断はするな」

「誰が油断なんかするか。一発で叩きのめす」


 秀才はフッと苦笑するが、棒緑に睨まれ、ビビって目を逸らす。そしてそのまま続ける。


「だがな、それができれば苦労しない。あいつは紙装甲だ。しかし、ビビりだからか、回避能力は高い。一発当てるだけでも苦労するだろう。だが、これは脳の隅にでもとどめておけ。千温は右利きで右手に武器を持つ。だから右手を守るように回避やガードを行う。フェイントをかけて体勢を崩せば、顔はがら空きになる。そこにアッパーを決めろ」

「なんだてめえ、そんな助言なんていらねえんだよ!俺はそんな小細工しなくてもあいつを殺せる!俺があいつに負けると思うか?あ?」

「ああ悪かった悪かった。言っただろう、脳にとどめておけと。お前があのスパイを殺して、この悪夢を終わらせろ」

「たりめえだ」


 棒緑はそのまま廊下を歩いていくのを、秀才は見届ける。


「勝てよ。僕もこれ以上はごめんだ」


 そうつぶやいて、彼も自分の部屋へと戻っていった。




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